EXHIBITIONS
井上有一の書と戦後グラフィックデザイン 1970s-1980s
渋谷区立松濤美術館で「井上有一の書と戦後グラフィックデザイン 1970s-1980s」が開催される。
井上有一(1916〜85)は、35年に東京・横川尋常小学校に奉職して以降、生涯を教師生活と書に捧げた。45年の3月10日、勤務中の小学校でアメリカ軍の爆撃を受け一時仮死状態となったのち、多くの犠牲者のなかから奇跡的に息を吹き返す。井上の「戦後」は、戦争を辛くも生き延びたひとりの人間の道行きだった。そして、この井上の特異な書業と来歴に反応したのが、グラフィックデザイナーたちだった。70年代を境に、名だたるデザイナーが井上作品をもちいた印刷物に携わるようになり、80年代以降、デザインや広告を経営戦略に取り入れた、いわゆるセゾン文化のなかで井上の書が積極的に紹介された。
本展では、一見奇妙な井上の書とグラフィックデザインの連帯は、いかにして成立したのか、そしてこの連帯が目指すものはいったい何だったのか、井上の書とデザインの関係を考える。
井上有一(1916〜85)は、35年に東京・横川尋常小学校に奉職して以降、生涯を教師生活と書に捧げた。45年の3月10日、勤務中の小学校でアメリカ軍の爆撃を受け一時仮死状態となったのち、多くの犠牲者のなかから奇跡的に息を吹き返す。井上の「戦後」は、戦争を辛くも生き延びたひとりの人間の道行きだった。そして、この井上の特異な書業と来歴に反応したのが、グラフィックデザイナーたちだった。70年代を境に、名だたるデザイナーが井上作品をもちいた印刷物に携わるようになり、80年代以降、デザインや広告を経営戦略に取り入れた、いわゆるセゾン文化のなかで井上の書が積極的に紹介された。
本展では、一見奇妙な井上の書とグラフィックデザインの連帯は、いかにして成立したのか、そしてこの連帯が目指すものはいったい何だったのか、井上の書とデザインの関係を考える。