EXHIBITIONS

岩崎努

岩崎努 嘉来 2025 楓材、漆、胡粉、膠、水干絵具、岩絵具 17.0 × 31.0 × 8.5 cm

 小山登美夫ギャラリー六本木で、岩崎努展が開催されている。

 岩崎努は1972年富山県南砺市井波生まれ。欄間彫刻で知られる富山伝統の井波彫刻師を父にもち、自然と彫刻の道へ進む。1995年、武蔵野美術大学造形学部彫刻学科を卒業後、彫刻家・多田美波、父に師事したのち、より写実的な表現の追求を目指し独立。富山市東岩瀬町に「木彫岩崎」を開業し、伝統をふまえた独自の世界観を発展させてきた。2023年「超絶技巧未来へ!明治工芸とそのDNA」(岐阜県現代陶芸美術館、長野県立美術館、三井記念美術館等に巡回)への参加や、ライフワークと位置づける天神像の制作、近隣の寺院やミシュランの星つきレストラン、世界的に有名な時計メーカーとの作品など国内外で高い評価を得ている。

 本展は、作家にとって同廊での初個展となり、岩崎の代表作である柿をモチーフとした木彫作品を、新作含め発表。

 開催に際して、ギャラリーの小山登美夫は次のように述べている。

「岩崎努の作品は超絶技巧的な素晴らしさもありますが、『柿』をつくっているのに、『リアルにつくること以外の魅力』があるように感じます。サイズも実際の柿より少し大きいものもあり、木で柿をつくることによる作家自身のリアルな物象や『物体としての柿』の再現を彫刻として表しているようです」(展覧会ウェブサイトより)。