SPRING SHOW - Drawings -

　WAITINGROOMで、土取郁香、中村太一、野島良太、Hou Yijieによるドローイングの展覧会「SPRING SHOW - Drawings -」が開催されている。

　本展で土取郁香は、紙やキャンバスを支持体に、油彩やアクリル、スプレーや木炭といった多様な素材を用いて構成されるドローイング7点を、中村太一は、生き生きとしたブラッシュストロークや滲みが特徴的な、紙を支持体とする水彩画7点を展示。また、野島良太は、作家にとって自身の記憶や感覚と向きあうためのプロセスともなっているドローイングを複数点、Hou Yijieは国内未発表の新作6点を展示している。

　4名の作家によるドローイングは、その多産な性質やストロークの柔軟性を活かしながら、人と人との関係や「ここでありながらここではない」風景、日常にひそむささやかな感覚や公私のひずみを画面にとらえている。

　このような試みの集積は、たんなる絵画の習作としてではなく、瞬時に過ぎ去っていく感情や感覚を画面に描き留めると同時に、流れ続ける日常のなかに印をつける試みとして、ドローイングをとらえ直す可能性を開く。