土門拳のスナップショット！

　土門拳写真美術館で「土門拳のスナップショット！」が開催されている。

　土門拳は、「古寺巡礼」シリーズに代表されるような迫力に満ちた静的な作品で知られる。しかし土門は、眼前の状況を瞬間的に切り撮るスナップショットの名手でもあった。土門とスナップショットの関わりは、戦前の下積み時代にカメラ代わりのレンガを掴んで撮影の「素振り」を重ねたことに始まり、戦後日本の社会状況にカメラで挑もうとしたリアリズム写真運動へと連なっていく。
　
　本展では、都市を行き交う人々をとらえた洒脱なカットから社会の現実に肉薄するドキュメントに至るまで、土門のスナップ表現を再考。また「古寺巡礼」や「風貌」など、非スナップ的な手法で撮影されたシリーズも一堂に展覧することで、土門の多様な作品とその撮影手法における類似点や相違点を探る。

　また、本展の会期中は「墨と黒－書とモノクローム写真－」も同時開催中だ。