EXHIBITIONS

猪熊弦一郎博覧会

JR上野駅壁画《自由》最初の修復時の様子 1984

 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で「猪熊弦一郎博覧会」が開催される。

 香川県生まれの猪熊弦一郎(1902〜93)は20世紀に活躍した画家。生涯現役で活動し、その画業は70年の長きにわたる。戦前はパリ、戦後はニューヨーク、ハワイと海外に拠点を置き国際的に活動。一貫して絵画における「美」を追求し、いっぽうでつねに新しい表現に挑戦することで画風が変化し続けた。

 本展では、戦後の猪熊の画業について、絵画以外の活動に注目。1949年に猪熊が中心となって設立した「新制作派協会建築部」会員との協働、猪熊自身が手がけたデザインやパブリックアートの仕事、ニューヨーク滞在時に日米文化交流で果たした役割や世界的なアーティストとの交流、故郷の香川県にいまの「アート県かがわ」につながる文化的な礎を築いたことなど、国内外に遺した足跡をたどる。