EXHIBITIONS

菅亮平 Unknown People

広島市立大学芸術資料館
2025.03.20 - 03.27

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 広島市立大学芸術資料館で「菅亮平 Unknown People」が開催される。

 菅亮平は1983年愛媛県生まれ。2016年に東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程を修了、博士号(美術)を取得。「空虚(ヴォイド)」を巡る思考をもとに、多様なメディアを横断的に扱いながら作品制作とアートプロジェクトに取り組み、国内外で発表してきた。

 今回、広島市立大学芸術学部講師であり美術作家の菅による、広島平和記念資料館の被爆再現人形を題材としたリサーチ・プロジェクトの発表展を開催。菅は、広島において2021年に原爆ドームの第5回保存工事で使用された塗料による絵画作品《K 15-30D》の制作を開始するなど、戦後の歴史継承の問題を巡って想起される芸術の今日的な可能性を追求している。

 被爆再現人形とは、1991年から2017年まで広島平和記念資料館で展示された、原子爆弾が投下された広島の被爆直後の灰塵に帰した都市の一角を再現したジオラマ内の成人女性と女子学生、男子を模したプラスチック製の等身大の人形三体を指す。

 2024年7月から10月にかけて、原爆の図丸木美術館(埼玉県東松山市)で開催された個展「Based on a True Story」では、戦争がもたらした歴史の断絶と死の記憶を継承するうえで、「ドキュメント」と「フィクション」はどのような関係性にあるのか、被爆再現人形と向きあうことを通して、歴史継承のメソッドについて再考を促した。

 本展は、その後の継続リサーチを含めた内容によって再編される。歴史は、時の経過という空白によって、つねに未知のものとして私たちの前に広がっている。本展は、被爆80周年にあたる2025年に被爆地である広島の地で、「ヒロシマ」の歴史を未来へとつなぐ方法について、アートの領域から考察を深める契機となる。