2025.4.4

今週末に見たい展覧会ベスト20。古代エジプトから曜変天目まで

今週閉幕する/開幕した展覧会のなかから、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。なお、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

国宝 曜変天目(稲葉天目) 南宋時代(12~13世紀)
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もうすぐ閉幕

「ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト」(森アーツセンターギャラリー

展示風景より

 米国で最大かつもっとも質の高い古代エジプト美術のコレクションを誇るブルックリン博物館。同館よりすぐりの遺物を展示する「ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト」が4月6日で閉幕する。レポート記事はこちら

 同館の所蔵する古代エジプト美術の遺物が紹介されるのは、およそ40年ぶり。エジプト学においては、2022年がジャン=フランソワ・シャンポリオンがヒエログリフを解読してから200周年、ハワード・カーターがツタンカーメン王墓を発見してから100周年にあたっていたが、新型コロナウイルスの世界的蔓延の影響により記念的な展覧会の開催にはいたらなかった。本展は、ポストコロナの日本における初の大規模な展覧会となる。

会期:2025年1月25日~4月6日
会場:森アーツセンターギャラリー
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階
電話番号:050-5541-6800(ハローダイヤル)
開館時間:10:00~18:00(金土祝前日〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:会期中無休
料金:一般・大学・専門学校生 2500円 / 高校・中学生 1800円 / 小学生 1200円

「堀内誠一展 FASHION・FANTASY・FUTURE」PLAY! MUSEUM

展示風景より

 東京・立川のPLAY! MUSEUMで、デザイナー、アートディレクター、絵本作家として活躍した堀内誠一(1932〜87)を3つのテーマから紹介する展覧会「堀内誠一展 FASHION・FANTASY・FUTURE」がもうすぐ閉幕する。レポート記事はこちら

 堀内はデザイナー、アートディレクター、絵本作家。『anan』や『BRUTUS』『POPEYE』など雑誌のロゴマーク、また『anan』においては創刊時のコンセプトづくりやアートディレクションを手がけ、ヴィジュアル雑誌の⻩金時代を築いた人物。本展は、「FASHION」「FANTASY」「FUTURE」といった3つのテーマで構成され、セクションごとに、有山達也、設計事務所ima、三宅瑠人・岡崎由佳の各組が展示空間をデザインを担当。3つの個性的な堀内誠一展を同時に体験することができるものとなっている。

会期:2025年1月22日〜4月6日
会場:PLAY! MUSEUM
住所:東京都立川市緑町3-1 GREEN SPRINGS W3 2F
開館時間:10:00~17:00(土日祝〜18:00) ※入場は閉館の30分前まで
料金:一般 1800円 / 大学生 1200円 / 高校生 1000円 / 中・小学生 600円

「音はいつ、音になる?」(東京藝術大学大学美術館

 東京藝術大学大学美術館で「音はいつ、音になる?」が4月6日に閉幕する。

 本展は藝大の学生・卒業生4名のアーティストを招聘し「音」に焦点をあてるもの。作品は、ブランコやキャンバスなど身の回りの道具、身体で感じるモノとの摩擦や、壁を打ったときの響きを通して、音を認識するきっかけをつくる。そしてこれらの作品に鑑賞者が関わることで、隔たっていたはずの空間やモノの輪郭が曖昧になり、聴こえるものが変化していくような体験が生まれる。また触れたり鳴らしたりして作品を聴き、同じ空間でほかの来場者とその経験を共有することは、意識されなかった音との出会いにつながるだろう。

会期:2025年3月20日~4月6日
会場:東京藝術大学大学美術館
住所:東京都台東区上野公園12-8
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月火水
料金:無料

「Parallel Circuit」(東京藝術大学大学美術館 陳列館

 東京藝術大学大学美術館 陳列館では「Parallel Circuit」が閉幕する。

 本展は、2024年11月に開催した広告トラックをもちいた周遊展示「Permission to Drive」(以下「PtD」)から発展したもの。PtDでは「都市空間の規制や境界線と共存すること」をテーマに、リアルタイムの都市空間や社会制度とじかに向き合い、展示の姿をかたちづくっていくことを試みた。本展では、PtDのアーティストに加えて、山縣瑠衣、肥後亮祐、Vikram Divechaを迎える。

会期:2025年3月20日~4月6日
会場:東京藝術大学大学美術館 陳列館
住所:東京都台東区上野公園12-8
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月火水
料金:無料

「第18回 shiseido art egg 第1期展 大東忍展」(資生堂ギャラリー

展示風景より

 資生堂による新進アーティストを応援するための公募プログラム「shiseido art egg」の第18回展で入選した大東忍、すずえり(鈴木英倫子)、平田尚也の3名のうち、第1期となる大東忍の個展「不寝の夜(ねずのよる)」が開催中だ。レポート記事はこちら

 大東は1993年愛知県生まれ。愛知県立芸術大学美術研究科博士前期課程油画・版画領域を修了し、現在は秋田県在住。見知らぬ過疎地や住宅地を歩きながら祖先を供養する「盆踊り」を踊ることで、そこに佇む気配を読み取り、その風景に残る人々の営みや在処について探究する作家だ。昨年は「VOCA展2024」大賞を受賞した

 本展では、大東作品のメインとも言える木炭画に加え、映像や写真作品の新作が、天井高のあるギャラリー空間を生かしながら展示されている。

会期:2025年3月5日~4月6日
会場:資生堂ギャラリー
住所:東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
開館時間:11:00~19:00(日祝〜18:00) 
休館日:月(月が祝祭日にあたる場合も休館)
料金:無料

森田浩彰 タイム / クエイク」(青山目黒

 青山|目黒で、森田浩彰の新作インスタレーションによる個展「タイム / クエイク(Time / Quake)」が開催されている。

 2011年の個展「タイム クエイク:Time Quake」では、1995年の阪神・淡路大震災の経験を抽象化し、24本の蛍光灯をグリッド状に天井から吊るすインスタレーションを発表した森田。本展では、2011年3月11日から2024年12月までの13年間にわたり日本で発生したマグニチュード5以上の地震を、地域や個別の文脈から切り離し「1日(24時間)」に圧縮したかたちで体験できるインスタレーションを構成。展示空間では、天井から吊るされたデジタル時計型の照明装置が地震の発生時刻に応じた揺れが再現されている。

会期:2025年3月8日~4月6日
会場:青山目黒
住所:東京都目黒区上目黒2-30-6 保井ビル1階
電話番号:03-3711-4099
開館時間:13:00~18:00(金〜20:00)
休館日:火水木
料金:無料

「生誕120周年 サルバドール・ダリ ―天才の秘密―」(横須賀美術館

 横須賀美術館の企画展「生誕120周年 サルバドール・ダリ ―天才の秘密―」がまもなく閉幕する。

 サルバドール・ダリ(1904〜89)の生誕120周年、シュルレアリスム宣言100年を記念した本展は、世界屈指のダリ・コレクションを形成する諸橋近代美術館の所蔵品を中心にダリの生涯を概観し、渡米以降の活動にも注目するもの。ダリの油彩、素描、版画、彫刻のほか、ミロやマグリットなどシュルレアリスムの作家の作品群など約120点が並ぶ。なお本展には一部、性的表現を含む作品が展示されているので入場に際しては事前に了承のうえ観覧してほしい。

会期:2025年2月8日~4月6日
会場:横須賀美術館
住所:神奈川県横須賀市鴨居4-1
電話番号:046-845-1211(平日8:00~18:00、土日祝休日8:00~16:00)
開館時間:10:00~18:00
休館日:3月3日
料金:一般 1400円 / 高校・大学生、65歳以上 1200円 / 中学生以下無料

「インフルエンサー 北斎」(北斎館


葛飾北斎「富嶽三十六景 凱風快晴」(北斎館所蔵)、上町祭屋台天井絵「男浪」(北斎館所蔵)
⻲田富染工場/Pagong 京友禅「男浪」制作の様子、⻲田富染工場/Pagong 北斎柄テキスタイルを使用したカットソー「男浪」
小紋屋高田勝 北斎柄反物『絵本彩色通』より、久米繊維工業 Tシャツ「百物語 こはだ小平次」
Stylist: Toshihiro Oku, Photographer: Ayao Yamazaki

 北斎館の「インフルエンサー 北斎」が4月6日で閉幕する。

 絵師でありデザイナーでもあった葛飾北斎の作品は、ときを超え現代でも多くのものに影響を与えていると言える。本展では『新形小紋帳』や『今様櫛キセル雛形』などの北斎が手がけた江戸時代のデザイン集とあわせ、北斎作品の絵柄が織られた⻄陣織の帯や、伝統的な染めの技法で表現された北斎デザインの反物や着物なども紹介されている。

会期:2025年1月25日~4月6日
会場:北斎館
住所:長野県上高井郡小布施町大字小布施485
電話番号:026-247-5206
開館時間:9:00~17:00 ※入館は閉館30分前まで
休館日:会期中無休
料金:一般 1000円 / 高校生 500円 / 小中学生 300円 / 小学生未満無料

「ホセ・ダヴィラ 私は目を閉じて見るほうがいい-ジョゼフ・アルバースとの対話」(群馬県立近代美術館


ホセ・ダヴィラ Homage to the Square 2024 Courtesy of the artist. Photo by Agustín Arce.

 群馬県立近代美術館の「ホセ・ダヴィラ 私は目を閉じて見るほうがいい─ジョゼフ・アルバースとの対話」が4月6日に閉幕する。

 ホセ・ダヴィラ(1974〜)は、メキシコのグアダラハラを拠点に活動するアーティスト。2010年代から、抽象美術を代表するアーティストのひとりであるジョゼフ・アルバース(1888〜1976)のシリーズ「正方形讃歌」を題材とした作品を繰り返し制作。アルバースが正方形をかさねることで絵画の画面上で配色実験を繰り広げたのに対して、ダヴィラは金属やセラミック(陶板)などをもちいて、時間や光によって変化する立体作品に発展させている。

 本展では、ダヴィラの作品とアルバースの「正方形讃歌」シリーズの作品をあわせて展示。時代を超えて人々を惹きつけるアルバースのかたちと色彩に対する探求、そして、美術史と対話することで新たな芸術を生み出すダヴィラの挑戦を紹介するものとなっている。

会期:2025年3月1日~4月6日
会場:群馬県立近代美術館
住所:群馬県高崎市綿貫町992-1
電話番号:027-346-5560
開館時間:9:30~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(祝日の場合は翌平日)
料金:一般 300円 / 大高生 150円 / 中学生以下無料

「宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO」(群馬県立館林美術館

『きんのおの』原画 2017年 著:蜂飼耳、岩崎書店 ©AQUIRAX

 群馬県立館林美術館の「宇野亞喜良展 AQUIRAX UNO」が4月6日に閉幕する。

 本展は、宇野亞喜良の初期から最新作までの全仕事を網羅する、過去最大規模の展覧会となる。1950年代の企業広告をはじめ、1960年代のアングラ演劇ポスターや絵本・児童書、近年の俳句と少女をテーマとした絵画など、多彩で貴重な原画や資料などを紹介。「魅惑のサウスポー」から生み出される、時代を超越した宇野亞喜良の華麗で耽美な創作世界に迫るものとなっている。宇野亞喜良のインタビューはこちら

会期:2025年1月25日~4月6日
会場:群馬県立館林美術館
住所:群馬県館林市日向町2003
電話番号:0276-72-8188
開館時間:9:30~17:00 ※入館は16:00まで
休館日:月(祝日の場合は翌火)
料金:一般 830円 / 大学・高校生 410円 / 中学生以下無料

「キース・ヘリング展 アートをストリートへ」(茨城県近代美術館

キース・ヘリング イコンズ 1990
中村キース・ヘリング美術館蔵 Keith Haring Artwork ©Keith Haring Foundatio

 茨城県近代美術館で「キース・ヘリング展 アートをストリートへ」がまもなく閉幕する。

 キース・ヘリング(1958〜90)は、アメリカ北東部ペンシルベニア州生まれ。80年代初頭にニューヨークの地下鉄駅構内で、使用されていない広告板を使った「サブウェイ・ドローイング」と呼ばれるプロジェクトで脚光を浴びる。アンディ・ウォーホル(1928〜87)やジャン=ミシェル・バスキア(1960〜88)とともにカルチャーシーンを牽引した。日本を含む世界中での壁画制作やワークショップの開催、HIV・エイズ予防啓発運動や児童福祉活動を積極的に展開したことでも知られる。エイズによる合併症により31歳で死去した。

 本展は、6メートルにおよぶ大型作品を含む約150点の作品を通してヘリングのアートを体感できる展覧会だ。

会期:2025年2月1日~4月6日
会場:茨城県近代美術館
住所:茨城県水戸市千波町東久保666-1
電話番号:029-243-5111
開館時間:9:30~17:00 ※入館は閉館30分前まで
休館日:月
料金:一般 1360円 / 満70歳以上 680円 / 高校生 1130円 / 小中生 550円

「没後20年 東野芳明と戦後美術」(富山県美術館

展示風景より

 富山県美術館で、美術評論家・東野芳明(1930〜2005)の歩みを紹介する展覧会「没後20年 東野芳明と戦後美術」が開催中だ。レポート記事はこちら

 東野は1930年東京生まれ。54年東京大学文学部美学美術史学科卒業。同年、『美術批評』の新人評論募集で第1席を受賞する。1950年代末に渡欧・渡米した東野は、そこで目にした欧米の「現代美術」をいち早く国内に紹介することに努め、60年代以降は「反芸術」と称した同世代の芸術家たちの伴走者として活動を後押しした。 本展は9章構成で、各章のテーマに沿って東野の著作を引きながら、その批評と思想をたどるものだ。

会期:2025年1月25日~4月6日
会場:富山県美術館
住所:富山県富山市木場町3-20
電話番号:076-431-2711
開館時間:9:30~18:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:水
料金:一般 1100円 / 大学生 550円 / 高校生以下 無料

今週開幕

「開館5周年記念展 ニュー・ユートピア——わたしたちがつくる新しい生態系」(弘前れんが倉庫美術館

 弘前れんが倉庫美術館で、開館5周年記念展「ニュー・ユートピア——わたしたちがつくる新しい生態系」が開催される。

 本展は開館5周年を記念して、未来をうらなう若いアーティストたちの作品と、15000年をさかのぼるともいわれる津軽地⽅の⼈間の営みに連なる作品を織り交ぜながら、人々がつくりだす新しい⽣態系について考えようとする展覧会。会場では川内理⾹⼦の絵画や刺繍、渡辺志桜⾥のインスタレーション、SIDE COREの映像作品などを展覧。また、奈良美智の新作の絵画のほか、作家と故郷のつながりを示す作品を、奈良が弘前での高校時代に仲間とともにつくり上げたロック喫茶「JAIL HOUSE 33 1/3」の再現とともに展示する。

会期:[1期]2025年4月4日~7月7日、[2期]2025年7月11日~11月16日
会場:弘前れんが倉庫美術館
住所:青森県弘前市吉野町2-1
電話番号:0172-32-8950
開館時間:9:00~17:00 ※⼊館は閉館の30分前まで
休館日:火、5⽉7⽇、7⽉9⽇、10⽇、9⽉24⽇(ただし4月15日、22日、29日、5月6日、8月5日、9月23日は開館)
料金:⼀般 1500円 / ⼤学⽣・専⾨学校⽣ 1000円 / ⾼校⽣以下 無料

「黒の奇跡・曜変天目の秘密」(静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)

国宝 曜変天目(稲葉天目) 南宋時代(12~13世紀)

 静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)で「黒の奇跡・曜変天目の秘密」が開催される。

 中国陶磁の至宝である曜変天目は、12~13世紀の南宋時代につくられ、世界に3点のみ現存し、すべてが日本に伝わっている。多くの人々を魅了し続けているのは、漆黒の釉薬に浮かぶ虹色の光彩による謎めいた美しさと言えるだろう。曜変天目はこの神秘的な輝きのほかにも、製法や伝来など様々な謎を秘めている。本展では工芸の黒い色彩をテーマとして、刀剣や鉄鐔など「黒鉄(くろがね)」とよばれる鉄の工芸品や「漆黒」の漆芸品を紹介する。

会期:2025年4月5日~6月22日
会場:静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)
住所:東京都千代田区丸の内2-1−1 明治生命館1F
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00~17:00 ※夜間開館あり、詳しくはHPの展覧会ページを確認してほしい。入館は閉館30分前まで
休館日:月(祝日の場合は開館し、翌平日休館)
料金:一般 1500円 / 大高生 1000円 / 中学生以下無料

「ライトアップ木島櫻谷Ⅱ―おうこくの線をさがしに 併設四季連作屏風」(泉屋博古館東京

木島櫻谷 唐美人(部分) 大正時代・20世紀 泉屋博古館東京

 泉屋博古館東京で、企画展「ライトアップ木島櫻谷Ⅱ―おうこくの線をさがしに 併設四季連作屏風」が開催される。

 本展は、大正中期に大阪・天王寺の茶臼山に建てられた住友家の本邸を飾るため、木島櫻谷によって描かれた《四季連作屏風》を全点公開し、櫻谷の絵画表現の特質をライトアップする展覧会シリーズ「ライトアップ木島櫻谷」の第二弾。今回はとくに《かりくら》や《唐美人》をはじめとする櫻谷の人物画にスポットをあてるとともに、まさしく山のように遺された櫻谷の写生帖をいつもより増量して展示する。

会期:2025年4月5日~5月18日
会場:泉屋博古館東京(旧・泉屋博古館分館)
住所:東京都港区六本木1-5-1
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間11:00~18:00(金〜19:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月、5月7日(5月5日、6日は開館)
料金:一般 1200円 / 学生 600円 / 18歳以下 無料

「没後80年 小原古邨 ―鳥たちの楽園」(太田記念美術館

小原古邨 木蓮に九官鳥 個人蔵 前期展示

 太田記念美術館で「没後80年 小原古邨 ―鳥たちの楽園」が始まった。

 小原古邨(1877〜1945)は、明治末から昭和前期にかけて活躍した花鳥画の絵師。日本ではしばらくその存在が忘れられていたが、近年、注目が集まり、茅ケ崎市美術館(2018)や石川県立歴史博物館(2021)、佐野美術館(2022)など、各所で展覧会が開催されている。太田記念美術館でも2019年2月に古邨を紹介する展覧会を開催し、1日あたりの入館者数が同館の歴代2位になるほど、予想を上回る人気を博した。古邨が亡くなって今年でちょうど80年。太田記念美術館では6年ぶりに古邨の花鳥画を紹介する。

会期:[前期]2025年4月3日~4月29日、[後期]2025年5月3日~5月25日
会場:太田記念美術館
住所:東京都渋谷区神宮前1-10-10
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:30~17:30 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月、4月30日〜5月2日、5月7日
料金:一般 1000円 / 大高生 700円 / 中学生以下無料

「TOKAS-Emerging 2025」(トーキョーアーツアンドスペース本郷

 トーキョーアーツアンドスペース本郷で「TOKAS-Emerging 2025」が開催される。「TOKAS-Emerging」は、トーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)が2001年より行っている若手アーティストの活動支援プログラム。

 2024年に実施した本展の公募では、ある環境のなかで適応と反発を繰り返しながら自己を形成する生き物をテーマに絵画を制作する井澤茉梨絵、個人の生活のなかで生み出される筆跡に興味をもち、それらを解体・再構成したインスタレーションを展開する奥村美海、インフラや通信技術等、システムのなかで解体されうる身体を彫刻で表現する高橋直宏、炭鉱をモチーフにした作品を通して自然と人のつながりを探る野村由香の4名が選出された。

会期:2025年4月5日~5月4日
会場:トーキョーアーツアンドスペース本郷
住所:東京都文京区本郷2-4-16
電話番号:03-5689-5331
開館時間:11:00~19:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月
料金:無料

「総合開館30周年記念 TOPコレクション 不易流行」(東京都写真美術館


左:植田正治〈風景の光景〉より 1970〜80年 
右:山元彩香 Untitled #168, Hokkaido, Japan〈We are Made of Grass, Soil, Trees, and Flowers〉より 2015年
すべて東京都写真美術館蔵

 東京都写真美術館で「総合開館30周年記念 TOPコレクション 不易流行」が開催される。

 「総合開館30周年記念 TOPコレクション」展は二期にわたって開催(第一期:「不易流行」(4月5日〜6月22日)、第二期:「トランスフィジカル」(7月3日〜9月21日)。東京都写真美術館としては初の試みとなる、7名の学芸員が共同企画し、二期あわせて10のテーマで構成するオムニバス形式の展覧会だ。約38000点に及ぶ収蔵作品を多角的な視点から選りすぐり、写真と映像の魅力を紹介する。

会期:2025年4月5日~6月22日
会場:東京都写真美術館
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
電話番号:03-3280-0099
開館時間:10:00~18:00(木金〜20:00)※入館は閉館30分前まで
休館日:月、5月7日(ただし5月5日は開館)
料金:一般 700円 / 中学生以下無料

タピオ・ヴィルカラ 世界の果て(東京ステーションギャラリー)

タピオ・ヴィルカラ スオクルッパ 1975 Tapio Wirkkala Rut Bryk Foundation Collection/
EMMA – Espoo Museum of Modern Art. © Ari Karttunen/EMMA © KUVASTO, Helsinki & JASPAR, Tokyo, 2024 C4780

 東京ステーションギャラリーで「タピオ・ヴィルカラ 世界の果て」が開催される。

 フィンランドのモダンデザイン界で圧倒的な存在感を放つタピオ・ヴィルカラ(1915〜1985)。1940年代後半から50年代にかけて、イッタラ社のデザインコンペ優勝やミラノ・トリエンナーレのグランプリ受賞によってヴィルカラは一気に脚光を浴びた。デザインのフィールドはガラスのほかに磁器、銀食器、宝飾品、照明、家具、グラフィック、空間まで広く及ぶ。数多くのドローイングやプロトタイプをかさね、あらゆる素材に向きあい、触覚と視覚を鋭く働かせて生みだす洗練されたフォルムはヴィルカラの作品の見どころだ。

 本展は、エスポー近代美術館、タピオ・ヴィルカラ ルート・ブリュック財団およびコレクション・カッコネンから厳選したプロダクトやオブジェ約300点に加え、写真やドローイング(複写)を展示。デザイナー、彫刻家、造形作家としての、繊細にしてダイナミックなヴィルカラの魅力に迫る。

会期:2025年4月5日~6月15日
会場:東京ステーションギャラリー
住所:東京都千代田区丸の内1-9-1
電話番号:03-3212-2485
開館時間:10:00~18:00(金~20:00) ※入館は閉館30分前まで
休館日:月(ただし5月5日、6月9日は開館)
料金:一般 1500円 / 大高生 1300円 / 中学生以下無料

「イメージの魔術師 エロール・ル・カイン展」(八王子市夢美術館

『アーサー王の剣』より King Arthur's Sword ©1968 Errol Le Cain

 八王子市夢美術館で「イメージの魔術師 エロール・ル・カイン展」が開催される。

 エロール・ル・カイン(Errol Le Cain)は1941年シンガポール生まれ。少年時代をインド、シンガポールで過ごし、日本、香港、サイゴンなどを旅行する。11歳の時、初めてアニメーション映画を製作し、15歳の時、アニメーターとしてイギリスに渡る。ロンドンのリチャード・ウィリアムズ・スタジオに入社し、亡くなるまで同社でアニメーション映画製作に携わる。

 映画スタジオやBBCテレビでアニメーション制作に携わるなか、1968年、映画用に描いたラフスケッチをもとに、絵本『アーサー王の剣』を出版し、「ずっとやりたいと思っていた」絵本作家としての第一歩を踏み出す。その後、47歳で世を去るまで『キャベツ姫』『おどる12人のおひめさま』『魔術師キャッツ』など40冊あまりの絵本を次々に発表し、1985年には『ハイワサのちいさかったころ』でケイト・グリーナウェイ賞を受賞。本展では、絵本のストーリーをたどりながら、絵本原画やスケッチ、資料などにより、ル・カインの魔術の秘密を紐解く。

会期:2025年4月5日~6月1日
会場:八王子市夢美術館
住所:東京都八王子市八日町8-1 ビュータワー八王子2F
電話番号:042-621-6777
開館時間:10:00~19:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし祝日は開館し、翌平日が休館)
料金:一般 900円 / 学生(高校生以上)・65歳以上 450円 / 中学生以下 無料

「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン」(あべのハルカス美術館

ジャン=ミッシェル・フォロン いつもとちがう(雑誌『ザ・ニューヨーカー』表紙 原画) 1976
フォロン財団蔵 ©Fondation Folon, ADAGP/Paris, 2024-2025

 あべのハルカス美術館で「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン」が開催される。

 20世紀後半のベルギーを代表するアーティスト、ジャン=ミッシェル・フォロン(Jean-Michel Folon, 1934-2005)。フォロンは、ベルギーの巨匠マグリットの絵に魅せられ、美術の道を志す。アメリカの有名雑誌に挿絵が掲載されたことをきっかけに、有名となる。日本を含め各国で展覧会が開かれ、フォロン自身も世界中を旅して、その経験を創作のエネルギーとしていた。

 フォロンの没後20年、そして彼が生前に設立したフォロン財団の25周年を記念する本展では、フォロンが生み出した絵画や写真、ポスター、彫刻やオブジェ、アニメーションなど約230点を紹介する。

会期:2025年4月5日~6月22日
会場:あべのハルカス美術館
住所:大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス 16F
電話番号:06-4399-9050
開館時間:10:00~20:00(月土日祝〜18:00) ※最終入館は閉館30分前まで
休館日:4月7日、5月12日
料金:一般 1900円 / 大高生 1500円 / 中小生 500円