EXHIBITIONS

特別展

没後50年記念 福田平八郎 × 琳派

2024.09.29 - 12.08

福田平八郎 筍 1947(昭和22) 絹本、彩色 山種美術館

 山種美術館で、特別展「没後50年記念 福田平八郎 × 琳派」が開催されている。

 斬新な色と形を追求した日本画家・福田平八郎(1892〜1974)。同館では没後50年を記念し、平八郎の画業をたどる特別展を12年ぶりに開催。大分に生まれた平八郎は、京都に出て京都市立美術工芸学校、京都市立絵画専門学校に学び、1919(大正8)年には帝展に初入選を果たす。大正期はモチーフを入念に観察し、写実的に表した作品を制作していたが、昭和に入ると、単純な色面と大胆な構図による独自の芸術を確立していく。

 本展では、徹底した細密描写により写実をきわめた大正期の代表作《牡丹》から、造形の特徴をとらえた筍とデザイン的な竹の葉が融合した《筍》、丸みを帯びた餅と直線的な形の折り鶴との対比が見どころの《紅白餅三鶴》(個人蔵)、絶筆とされる《彩秋遊鷽》(個人蔵)まで、初期から晩年にいたる優品の数々を一堂に展示。

 また、平八郎に影響を与えた古典として、琳派にも着目。デザインセンスが光る伝 俵屋宗達《槙楓図》、装飾的な画面校正と緻密な描写を融合させた酒井抱一《秋草鶉図》(重要美術品)をはじめ、平八郎も愛した琳派の造形の多彩な魅力を堪能してほしい。

 ※所蔵先表記のない作品は、すべて山種美術館蔵。