EXHIBITIONS

マーク・グロッチャン「Opaque Landscapes」

2024.09.18 - 10.26

Mark Grotjahn Untitled(Opaque Landscape) 2024 ©Mark Grotjahn Photo:Ruben Diaz; Video sill from In the Studio with Mark Grotjahn, 2024.

 BLUM 東京で、ロサンゼルスを拠点に活躍するマーク・グロッチャンによる個展「Opaque Landscapes」が開催されている。

 グロッチャンは、本展における新作群で絵具の扱いと塗布を様々に駆使することで、積層した色彩群をまたがるように描かれた反響するような形態を持った線からなる濃密かつ抽象的な構図に取り組み、「Opaque Landscapes(不透明な風景)」と名付けた。これまでの作品で用いてきたカードボードの下地を使わずに、直接リネンに筆を乗せるというアプローチを行った新作の数々は、即時的かつ流動的な存在感を放ち、より即興的なスタイルへの意識的な移行を感じさせるだろう。

 グロッチャンが本作品群でもっとも重要視しているのは、絵画の厳密なプランやストラテジーではなく、むしろ、それぞれのコンポジションを構築する際に自身が持つ形式的で感覚的な反応を浮かび上がらせることにあるとしている。プロセスを解放する自由と遊びを自らに与えることで、グロッチャンは制約をかけることなく絵画を進化させている。