EXHIBITIONS

特別展

今井祝雄ー長い未来をひきつれて

2024.09.14 - 11.17

今井祝雄 グタイピナコテカでの個展会場風景 1966

 芦屋市立美術博物館で、特別展「今井祝雄ー長い未来をひきつれて」が開催されている。

 1946年に大阪で生まれた今井は、大阪市立工芸高等学校在学中の1964年、17歳の時に第14回具体美術展へ初出品し、翌年最年少作家として「具体美術協会(具体)」会員となった。1966年に「第10回シェル美術賞」で一等賞を受賞し、同年7月にグタイピナコテカで個展を開催。絵画や立体作品、モーターを利用した作品を「具体」で発表するいっぽう「第1回草月実験映画祭」(草月会館ホール・東京、1967)や「現代の空間’68-光と環境」(そごう・神戸、1968)では映像や光による作品を発表するなど、「具体」の新時代を担うメンバーのひとりとして活躍した。

 1970年代以降は、写真や映像、音などのメディアを用いた、空間や環境についての深い思索にもとづく作品や、パフォーマンスを含む身体的な表現を通して「空間」「時間」「現象」「存在」といった人間にとっての根源的な主題について考察する作品を数多く制作するいっぽう、街中の公共的空間に作品を設置する活動も行うなど、現在も国内外で精力的に発表を続けている。

 本展は、作家活動60年の節目に開催される、美術館では初の今井祝雄の個展となる。1960年代から1980年代の平面、写真、映像作品を中心に、コロナ禍に生まれた作品や本展に向けて制作される新作を展示し、若くして作家活動をスタートした10代から現在にいたるまでの多様な活動を多角的に紹介し、今井祝雄という作家の知られざる全体像を明らかにする試みとなっている。