「没後10年 江見絹子ー1962年のヴェネチア・ビエンナーレ出品作品を中心にー」(神奈川県立近代美術館 葉山)開幕レポート。作為×偶然を求めたある画家の挑戦
神奈川県立近代美術館 葉山で、「没後10年 江見絹子ー1962年のヴェネチア・ビエンナーレ出品作品を中心にー」が開幕した。会期は2026年2月23日まで。

神奈川県立近代美術館 葉山で、コレクション展「没後10年 江見絹子ー1962年のヴェネチア・ビエンナーレ出品作品を中心にー」が開幕した。会期は2026年2月23日まで。
江見絹子(1923〜2015)は、兵庫県明石市生まれ。神戸市立洋画研究所で学んだのち、1949年から行動美術協会展に出品しはじめる。第4回行動美術展に初入選を果たした後、53年からの2年間米仏に滞在し帰国。56年には横浜の海を臨む山手の丘にアトリエを構え、以来、横浜に居住しながら制作・発表を続けた。
そんな江見は、日本人女性として初めてヴェネチア・ビエンナーレ(第31回・1962年)に参加したことでも知られる。本展では、ヴェネチア・ビエンナーレの出展作に加えて、同館が所蔵する江見の代表作が15年ぶりに展覧される貴重な機会となっている。
本展は同館の展示室3bを会場に開催されており、一部を除いて、入り口から時計回りで年代順に作品が紹介されている。会場に入ってまず感じるのは、ひとりの作家の作品が並んでいるとは思えないほど、その作品らの印象が年代によって異なるということだ。印象的なものを順に紹介していきたい。





















