トーマス・ルフ｜Two of Each

　ギャラリー小柳で「トーマス・ルフ｜Two of Each」が開催される。

　トーマス・ルフは、デュッセルドルフ芸術アカデミーにて、ベルント＆ヒラ・ベッヒャーの薫陶を受け、ベッヒャー派のタイポロジー（類型学）的視点を踏襲しながらも、ルフの実践は自らシャッターを切る行為から既存のイメージの再構成まで幅広い展開を見せ、一貫して写真表現の本質を問い続けている。

　本展は、ギャラリー小柳の開廊30周年を記念し、同ギャラリーでは2014年以来11年ぶり、5回目となる個展である。「Substrate」「negatives」といった代表的なシリーズに加え、本邦初公開となる「flower.s」「untitled#」を含む4シリーズから各2点ずつが展示される。「Two of Each」という展覧会タイトルが示すように、すべてのシリーズから2作品ずつが並置され、それぞれのあいだに立ち上がる差異や緊張が、写真とは何かという問いをあらためて投げかける構成となっている。