「野口哲哉 鎧を着て見る夢 –ARMOURED DREAMER–」(箱根彫刻の森美術館)開幕レポート。鎧のなかにある身体が問いかける人間の在り処
神奈川・箱根の彫刻の森美術館で「野口哲哉 鎧を着て見る夢 –ARMOURED DREAMER–」が開幕した。会期は2026年1月12日まで。会場の様子をレポートする。

神奈川・箱根の彫刻の森美術館で、現代の新しい創作表現を紹介するシリーズの第9回として「野口哲哉 鎧を着て見る夢 –ARMOURED DREAMER–」が開幕した。会期は2026年1月12日まで。会場の様子をレポートする。

野⼝哲哉は1980年香川県生まれ。武具や甲冑、それらを纏った人間をモチーフに絵画や彫刻作品を制作している。野口は、自身の作品のアイコンである鎧を「武将を飾った装束」ではなく「人間が肉体を守るために作った過去のプロダクト品」ととらえている。「殻をまとった人間は決して別次元や芝居事の住人ではなく、時代や環境に対応しただけの姿」と考える野口は、過去や現代、未来を生きる人間の姿を肯定的に捉え、作品制作を続けてきた。

本展は、野口の3年ぶりの大型個展となる。新作から初期からの代表作まで76点が公開される。会場は「彫刻の森美術館 本館ギャラリー」となっており、1969年の開館当初の姿をとどめるこの空間の特性を生かした展示となっている。
