2026.6.8

台北ビエンナーレ2027、セシリア・アレマーニを起用。アレマーニによるアジア初の大型国際展

2027年に開催される第15回台北ビエンナーレのキュレーターに、2022年の第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展を手がけたセシリア・アレマーニが就任することが決定した。アレマーニにとってアジア初の大型国際展プロジェクトとなる。

第15回台北ビエンナーレのキュレーターに任命されたセシリア・アレマーニ Courtesy of The High Line and Taipei Fine Arts Museum, Photo by Liz Ligon
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 2027年に開催される第15回台北ビエンナーレのキュレーターに、セシリア・アレマーニが任命された。

 アレマーニは2022年の第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の芸術監督を務めたことで広く知られている。2027年の台北ビエンナーレは、彼女にとってアジアにおける初めての本格的なキュラトリアルプロジェクトとなる。

 1998年より開催されている台北ビエンナーレは、台湾と国際的なアートコミュニティを結ぶ重要なプラットフォームとして発展してきた。社会、政治、環境、テクノロジーなど現代社会が直面する課題をテーマに掲げながら、実験的な展示と知的対話を通じてアジアを代表する国際展のひとつとして評価されている。

台北市立美術館の外観 撮影:編集部

 同ビエンナーレの主催となる台北市立美術館(TFAM)は今回の起用について、「アレマーニは現代を代表するもっとも魅力的なキュレーターのひとりであり、歴史的な探究と今日的な課題を結びつけながら、アーティストと観客の双方に深く向き合う展覧会を実現してきた」とコメント。そのキュレーションは、従来の展覧会形式に挑戦しながら、新たな国際的対話の可能性を切り開くものだと評価している。

 イタリア出身でニューヨークを拠点とするアレマーニは、2011年からニューヨークの高架公園ハイラインのパブリック・アートプログラム「High Line Art」のディレクター兼チーフキュレーターを務める。これまでにエル・アナツイ、バーバラ・クルーガー、シモーヌ・リー、ラシード・ジョンソン、エド・ルシェ、ナリ・ワードらによる大規模なコミッションワークを手がけ、公共空間におけるアートの新たな可能性を提示してきた。

「High Line Art」が手がけたパブリック・アートの展示。パメラ・ローゼンクランツ《Old Tree》(2023) 撮影:編集部

第59回ヴェネチア・ビエンナーレで示した視座

 アレマーニの国際的な評価を決定づけたのが、2022年の第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展だ。レオノーラ・キャリントンの著作から着想を得た企画展「The Milk of Dreams」では、58ヶ国から213組のアーティストを紹介。身体の変容、人間とテクノロジーの関係、人間と自然環境のつながりをテーマに掲げ、80万人以上の来場者を集めた。同展は近年のヴェネチア・ビエンナーレのなかでも高い評価を受けた回として知られている。

 また、2018年には「Art Basel Cities: Buenos Aires」の芸術監督を務めたほか、2017年にはヴェネチア・ビエンナーレのイタリア館をキュレーション。さらにニューヨークの「フリーズ・プロジェクツ」や各国の美術館・非営利機関で数多くの展覧会を手がけるなど、国際的に幅広い活動を展開している。

 今回の任命に際しアレマーニは、「現代美術の言説形成において重要な歴史を持つ台北ビエンナーレを託されたことを光栄に思う。アジアで初めてのキュラトリアルプロジェクトに取り組めることに大きな期待を抱いている」とコメント。「現在の世界情勢のなかで、台北ビエンナーレのようなプラットフォームはこれまで以上に重要性を増している。創造的な表現と文化的レジリエンスを支える場として、芸術が対話を生み出す力を示す機会になるだろう」と語った。

 いっぽう、TFAM館長のロウ・リージェンは、「台北ビエンナーレはグローバルな芸術動向とアジア固有の歴史・文化が交差する場であり続けてきた。アレマーニの視点は、台北という土地の特性を尊重しながら、国際的な芸術対話をさらに活性化させるだろう」と期待を寄せている。

 2027年の台北ビエンナーレは、国際協働と地域性、そして批評的な探究を軸に展開される予定だ。展覧会の詳細やテーマ、参加アーティストなどについては今後順次発表されるという。