2025.11.19

文化芸術に携わる人々の国際的な行動指針「フェアカルチャー憲章」日本語版が公開。報酬問題をめぐるラウンドテーブルも開催

文化芸術に携わる人々の権利と持続可能性を掲げた国際的な行動指針「フェアカルチャー憲章(Fair Culture Charter/FCC)」の日本語版が公開。報酬問題をめぐるラウンドテーブルも開催される。

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 文化芸術に携わる人々の権利と持続可能性を掲げた国際的な行動指針「フェアカルチャー憲章(Fair Culture Charter/FCC)」。その日本語版が公開された。

 FCCは、ユネスコの「文化的表現の多様性の保護および促進に関する条約」(2005)の実施の一環として、2024年にドイツ・ユネスコ国内委員会らが中心となり策定された国際的ガイドライン。文化芸術に関わる人々が直面する不公平な労働環境や報酬格差といった課題に対し、公平性・公正性・持続可能性の視点から改善を促す内容となっている。現在は9言語で展開されており、日本語版の公開により、国内でも参照しやすい環境が整った。

 日本語訳の制作協力を行ってきたのは、美術分野における環境の向上を追求する、美術のつくり手と担い手によるネットワーク「art for all」。この発表を機に、美術分野における報酬問題をテーマとしたラウンドテーブルを11月23日にオンラインで開催される。

 今回のラウンドテーブルでは、FCC日本語版の制作経緯や理念の紹介に加え、UNESCOのエキスパートファシリティを務める坪井ひろ子による国際的動向の共有や国内各地で活動する実践団体による報告を予定。美術分野の報酬やサステナビリティをめぐる現状を共有し、日本でFCCをどのように活かしていくのか議論する場となる。

 出演者は、Artist Union Japan(小田原のどか、言上真舟)、北海道HAUS、鹿児島かわるあいだの美術、art for allの報酬問題ワーキンググループメンバーらを予定。文化政策やアートマネジメントに関心をもつ広い層に向け開かれたイベントとなりそうだ。