渋谷慶一郎×サー・ウェイン・マクレガー、国際舞台制作を始動。舞台美術に妹島和世を迎え、2027年の世界初演を目指す
音楽家・渋谷慶一郎と振付家・サー・ウェイン・マクレガー、そして建築家・妹島和世という異なる分野のクリエイターが集結し、音楽、ダンス、建築、そしてテクノロジーの領域を横断する国際共同制作の舞台作品が始動した。

音楽家・渋谷慶一郎が代表を務める「アタック・トーキョー株式会社(ATAK)」と、イギリスのロイヤル・バレエ団常任振付師であり、「スタジオ・ウェイン・マクレガー」芸術監督を務めるサー・ウェイン・マクレガーによる新作舞台作品の国際共同制作プロジェクトが始動した。
本作は、音楽、ダンス、身体表現、AI/テクノロジー、建築といった複数の領域を横断しながら創作される総合舞台芸術作品で、2027年に世界初演が予定されている。演出・振付はマクレガーが、作曲は渋谷が手がける。また、出演には「カンパニー・ウェイン・マクレガー」のダンサーに加え、渋谷が開発を進めている最新の「アンドロイド・マリア」が予定されており、人間とアンドロイドによる身体表現の交錯にも注目が集まる。
さらに、舞台美術には、建築ユニットSANAAの共同代表として国際的に活躍し、日本建築学会賞、ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展金獅子賞、高松宮殿下記念世界文化賞、プリッカー賞などを受賞した建築家・妹島和世を迎える。舞台空間と身体、音楽、テクノロジーが融合することで、従来のジャンルを超えた舞台表現が実現されることが期待されている。

6月10日に都内で開催された記者発表会に登壇した渋谷は、「今回はダンスやバレエの身体表現と、音楽による断片的なストーリーをミックスさせた作品になる予定です。オペラとバレエはヨーロッパでは明確に分けられているが、そうしたジャンルの境界をあえて越えていくことに意味があると思っています」と語った。身体表現と音楽が融合した新たな舞台のかたちを模索するなかで、「ラジカルな提案こそが国際共同制作において重要」との考えを示した。