2026.10.1

「マツモト建築芸術祭2026 ADVANCE」第2期が開幕へ。李禹煥、チームラボ、ジュリアン・オピーら18組が参加

長野県松本市の名建築を舞台に現代美術を展開する「マツモト建築芸術祭2026 ADVANCE」の第2期が、11月3日に開幕する。李禹煥、チームラボ、ジュリアン・オピーら国内外18組が参加。浅間温泉を含む4エリア・19会場へと規模を拡大する。

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 長野県松本市を舞台とする「マツモト建築芸術祭2026 ADVANCE」の第2期が、11月3日〜12月13日に開催される。国内外から18組のアーティストが参加し、市内18施設・19会場で19の展覧会を展開する。

李禹煥ら18組が参加

 マツモト建築芸術祭は、松本に残る歴史的建造物や近代建築などを会場に、現代美術を展示する芸術祭として2022年にスタート。国宝・松本城や旧開智学校をはじめ、大正・昭和期の建物が数多く残る同市の建築資源とアートを結びつけながら、街を歩くことそのものを鑑賞体験へと取り込んできた。

 2026年は「東アジア文化都市2026松本」のメインプログラムのひとつとして、「マツモト建築芸術祭2026 ADVANCE」と題した2期構成で開催。2〜3月の第1期「映像アート祭」では松本市立博物館の1会場に9組の映像作品を集めたが、第2期では再び芸術祭の原点である周遊型の形式へと戻り、建築と作品との関係性に焦点を当てる。

 参加するのは、稲葉友宏、井村一登、大垣美穂子、鬼頭健吾、佐々木修宏、佐藤雅晴、シシヤマザキ、ジュリアン・オピー、鈴木崇、チームラボ、中島崇、原田裕規、福井江太郎、本城直季、マイケル・リキオ・ミング・ヒー・ホー、村松英俊、米谷健+ジュリア、李禹煥の18組。

 なかでも今回初参加となるチームラボは、国登録有形文化財でもある割烹松本館を会場に、伊藤若冲の《鳥獣花木図屏風》《樹花鳥獣図屏風》に見られる「升目画」の技法をモチーフとした映像作品を展示。同館「鳳凰の間」にある太田南海の彫刻や金子嶺挙の天井画と、デジタル作品との共演が見どころとなる。

 まつもと市民芸術館には、イギリスを代表する現代美術家のひとり、ジュリアン・オピーが登場。韓国・釜山の海辺を行き交う人々を簡潔な輪郭と色彩によって立体化した彫刻シリーズ「Busan Walkers」を展示する。

 また旧司祭館では、1階に李禹煥、2階に福井江太郎の作品を展示。両者はそれぞれ、浮世絵木版画の技術を継承するアダチ版画研究所と協働した作品を発表し、現代美術と日本の伝統的な木版技術との関係を提示する。

 旧松本区裁判所庁舎では、米谷健+ジュリアによる全長約9メートルの塩の彫刻《最後の晩餐》を展示。同作は今回の芸術祭のメインビジュアルにも採用されている。

 今回の大きな特徴となるのが、会場エリアの拡大だ。これまで中心市街地を軸としてきたが、今回は「城下町」「旧六九商店街」「浅間温泉」「西」の4エリアへと展開。とりわけ初めて加わる浅間温泉では、かつて芸妓が稽古を行った旧浅間温泉芸苑組合、大正期に建てられた私設図書館の松門文庫、老舗旅館の大浴場を改修したブックホテル・松本本箱、空き家となった旧土産物店という、異なる歴史と状況を持つ建物が会場となる。ここでは鬼頭健吾、大垣美穂子、中島崇が作品を展開する。

 歴史的建築の保存や再生だけでなく、使われなくなった建物が抱える問題も含めて都市を見せる今回の構成。アート作品を目的地として街を歩くことで、建築や地域が重ねてきた時間そのものを発見するマツモト建築芸術祭ならではの体験が、これまで以上に広いエリアへと展開されることになりそうだ。