2026.1.9

今週末に見たい展覧会ベスト12。「NAKED meets ガウディ展」から「モダンアートの街・新宿」展まで

今週閉幕する/開幕した展覧会のなかから、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。なお、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

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もうすぐ閉幕

 「戦後80年 戦争と子どもたち」(板橋区立美術館

松本竣介 りんご 1944 個人(板橋区立美術館寄託)

 東京・板橋にある板橋区立美術館で「戦後80年 戦争と子どもたち」が開催されている。会期は1月12日まで。

 本展は、戦時中から終戦直後にかけて制作された子供を主題とする作品に注目するものである。戦時下においては、材料が配給制となり発表や表現に制限が加えられる状況があったが、美術家たちは子供たちを希望の象徴として表現していた。

 今回の展示では、当時の子供たちに向けて制作された絵本、教科書、紙芝居などの印刷物に加え、子供たち自身が戦時下に描いた作品が紹介されている。これらの資料を通して、その時代背景のなかで美術家たちが子供に向けていた眼差しに注目し、「子供」をめぐる美術の在り方を検証する機会となっている。

会期:2025年11月8日~2026年1月12日
会場:板橋区立美術館
住所:東京都板橋区赤塚5-34-27
電話:03-3979-3251
開館時間:9:30~17:00 ※入館は閉館30分前まで
休館日:月(ただし1月12日は開館)
料金:一般 900円 / 大学生 600円 / 高校生以下 無料 ※65歳以上・障がい者割引あり(要証明書)

「特別企画展 大どろぼうの家」(福井県立美術館

©Maiko Dake

 福井県立美術館で「特別企画展 大どろぼうの家」が開催されている。会期は1月12日まで。

 本展は、「どろぼう」という存在をテーマに、人間の欲望や憧れの裏側に潜む心理や想像力を探るもの。古今東西の物語に登場するどろぼうたちは、罪人でありながら、超人的な能力者、謎めいたヒーロー、あるいは親しみやすい存在として描かれてきた。

 会場は「最後の盗みに出た大どろぼうの家に来場者が忍び込む」という設定のもと、回廊、応接間、隠し部屋など8つの部屋で構成される。展示室には、どろぼうの肖像画や変装道具、著名作家による美術品、さらには星や靴下など、謎に満ちたコレクションが並ぶ。来場者は大どろぼうの家を巡りながら、展示空間の体験を通してその正体に迫ることができる。

 映像作家の新井風愉、イラストレーターの伊野孝行と嶽まいこ、編曲家・ピアニストの谷川賢作、ブックディレクターの幅允孝、建築家の張替那麻、アートディレクターの名久井直子、絵本作家のヨシタケシンスケら、各分野のクリエイターが参加し、どろぼうや人間の不思議さを多面的に表現する内容となっている。

会期:2025年11月22日~2026年1月12日
会場:福井県立美術館
住所:福井県福井市文京3-16-1
電話:0776-25-0452
開館時間:9:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
料金:一般 1400円 / 高校生 900円 / 中小生 600円

「NEGORO 根来 - 赤と黒のうるし」(サントリー美術館

重要文化財 瓶子 1346年銘 一対二口のうち一口 惣社水分神社
写真提供:宇陀市教育委員会事務局 文化財課 【通期展示(入替あり)】

 東京・六本木にあるサントリー美術館で「NEGORO 根来 - 赤と黒のうるし」が開催されている。会期は1月12日まで。

 本展は、和歌山県の根來寺で制作された朱漆器「根来塗」に焦点をあて、その美と技の歴史をたどるもの。中世に大寺院として栄華を極めた根來寺で作られた高品質の朱漆器は、堅牢な下地に黒漆の中塗と朱漆をかさねた漆器として知られ、江戸時代以降「根来」の名で呼ばれるようになった。これらは寺院や神社などの宗教施設だけでなく、民衆の生活のなかでも用いられていた。

 本展では、根來寺が繁栄した中世の漆工品を中心に、その前後の時代に制作された年紀を有する品や、伝来が確かな名品、名宝が紹介されている。

会期:2025年11月22日~2026年1月12日
会場:サントリー美術館
住所:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階
電話:03-3479-8600
開館時間:10:00~18:00(金、1月10日は〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで
料金:一般 1800円 / 大学生 1200円 / 高校生 1000円

「タピオ・ヴィルカラ ー 世界の果て」(岐阜県現代陶芸美術館

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 岐阜県現代陶芸美術館で、特別展「タピオ・ヴィルカラ ― 世界の果て」が開催されている。会期は1月12日まで。

 本展は、フィンランドのモダンデザイン界で存在感を放つタピオ・ヴィルカラ(1915〜85)の日本初回顧展である。

 1946年、ガラス製造会社イッタラのデザインコンペ優勝を機に、ヴィルカラは同社のデザイナーに起用され、約40年にわたり第一線で活躍した。セラミック・アーティストの妻ルート・ブリュック同様、ラップランドの静寂を愛し、生命の神秘や大自然の躍動を着想源に、「ウルティマ・ツーレ」(ラテン語で「世界の最北」)をはじめとするガラスの名作を誕生させた。デザインの対象は、ガラスのほかに磁器、銀食器、宝飾品、照明、家具、紙幣、グラフィック、空間までに及び、あらゆる素材に向き合い、触覚と視覚を働かせて生みだす洗練されたフォルムがヴィルカラの作品の見どころとなっている。

 今回の展示は、エスポー近代美術館、タピオ・ヴィルカラ ルート・ブリュック財団およびコレクション・カッコネンから選ばれたプロダクトやオブジェ約300点に加え、制作過程や背景を明かすドローイング(複写)や写真が展示されている。生誕110年、没後40年を迎える今年、ヴィルカラの造形の魅力に迫る機会となっている。

会期:2025年10月25日~2026年1月12日
会場:岐阜県現代陶芸美術館
住所:岐阜県多治見市東町4-2-5 セラミックパークMINO内 岐阜県現代陶芸美術館
電話:0572-28-3100
開館時間:10:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(祝日の場合は翌平日)

蜷川実花 with EiM at SHIROIYA「アートイルミネーション2025」(白井屋ホテル)

展示イメージ

 群馬・前橋にある白井屋ホテルで「蜷川実花 with EiM at SHIROIYA 『アートイルミネーション2025』」が開催されている。会期は1月12日まで。

 本展では、日本を代表する写真家・映画監督の蜷川実花、データサイエンティストでありEiMプロデューサーの宮田裕章、白井屋ホテルのヘッドシェフ片山ひろととの協働により、アートと食の領域を横断する新たな試みが展開されている。

 本プロジェクトは、白井屋ホテルの開業5周年を記念したもの。蜷川実花とEiMが手がける屋外アートイルミネーションは、前橋の冬の風物詩として多くの人々に親しまれている。

会期:2025年12月1日~2026年1月12日
会場:白井屋ホテル
住所:群馬県前橋市本町2-2-15
電話:027-231-4618
開館時間:17:00~23:00
料金:無料

「Perfume COSTUME MUSEUM FINAL EDITION」(そごう美術館

「Perfume COSTUME MUSEUM FINAL EDITION」の展示風景より

 横浜にあるそごう美術館で「Perfume COSTUME MUSEUM FINAL EDITION」が開催されている。会期は1月12日まで。レポートはこちら

 本展は、テクノポップユニット・Perfumeのメジャーデビュー以降の衣装に注目する大規模衣装展である。『Perfume COSTUME BOOK 2005-2020』(文化出版局)の刊行を起点とし、2023年より全国を巡回してきた。本展はそのグランドフィナーレとして開催され、「FINAL EDITION」としての特別仕様で構成されている。

 会場では、これまで別々に展示されていたミュージックビデオ用とツアー用の衣装が、初めて年代順に同じ空間で紹介されているため、各時期における衣装デザインの特徴や表現の変遷を通して、Perfumeの活動の軌跡をたどることができるようになっている。

会期:2025年11月15日~2026年1月12日
会場:そごう美術館
住所:神奈川県横浜市西区高島2-18-1 そごう横浜店6階
電話:045-465-5515(そごう美術館直通)
開館時間:10:00~20:00 ※入場は閉館の30分前まで
料金:一般 1600円 / 大学・高校生 1400円 / 中学生以下 無料

今週開幕

「浮世絵おじさんフェスティバル」(太田記念美術館

展示風景より、歌川広重《木曽街道六拾九次之内 三拾 下諏訪》(1836〜37、天保7〜8)

 東京・原宿の太田記念美術館で、「浮世絵おじさんフェスティバル」展が開幕した。会期は3月1日まで。レポートはこちら

 浮世絵の風景画などの片隅には、しばしば “おじさん”たちが描かれている。楽しそうに旅をしたり、仕事に励んだり、グルメに舌鼓を打ったりと、その様子は様々である。

 本展は、前後期あわせて150点を超える作品を通して、浮世絵に描かれた多彩なおじさんたちを紹介するもの。歌川広重をはじめとした作風も時代も異なる絵師たちの作品が一堂に会する、まさに「おじさんフェスティバル」。おじさんを通して浮世絵の細部を見つめ直し、作品の新たな魅力や絵師たちの意外な個性を再発見できる機会となっている。

会期:[前期]2026年1月6日~2月1日、[後期]2026年2月5日~3月1日
会場:太田記念美術館
住所:東京都渋谷区神宮前1-10-10
電話:050-5541-8600
開館時間:10:30~17:30 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし1月12日と2月23日は開館)、1月13日、2月3日〜2月4日、2月24日
料金:一般 1000円 / 大学・高校生 700円 / 中学生(15歳)以下 無料

浦川大志「スプリット・アイランド」(福岡市美術館

浦川大志 壁についての幾つかの平面 2025 個人蔵

 福岡・大濠公園の福岡市美術館で、浦川大志の個展「スプリット・アイランド」が開幕した。会期は3月22日まで。

 浦川大志は1994年福岡県宗像市生まれ。高校在学中から作品発表を始め、国内各地で作品発表やコミッションワークを行ってきた。デジタルネイティブ世代ならではの感覚と、絵を描く手仕事への執着が共存する絵画作品を制作している。

 本展は、浦川が美術館で初めて開催する個展であり、新作の絵画をはじめ、過去作や近年の代表作が展示されている。インターネット以後の世界における「風景を見る」体験に注目し、浦川の絵画表現を通してその特徴を紹介するものとなっている。

会期:2026年1月6日~3月22日
会場:福岡市美術館
住所:福岡県福岡市中央区大濠公園1-6
電話:092-714-6051
開館時間:9:30~17:30 ※入館は閉館30分前まで
休館日:月、1月13日、2月24日
料金:一般 200円 / 高大生 150円 / 中学生以下 無料

「20世紀北欧デザインの巨匠 スティグ・リンドベリ展」(大分市美術館

ミルクピッチャー/ベルサシリーズ 1960

 大分市美術館で「20世紀北欧デザインの巨匠 スティグ・リンドベリ展」が開幕した。

 スティグ・リンドベリ(1916〜82)はスウェーデンの陶芸家でありデザイナーである。「ベルサ」に代表されるモダンで遊び心あるデザインは広く知られ、日本における北欧ブームの一因ともなった。本展では、陶芸、テキスタイル、絵本の挿絵など約300点の作品が紹介されている。

会期:2026年1月9日~2月15日
会場:大分市美術館
住所:大分県大分市大字上野865
電話:097-554-5800
開館時間:10:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(祝日の場合は翌日)
料金:一般 1200円 / 高校生・大学生 900円 / 中学生以下 無料

ガウディ没後100年公式事事業 NAKED meets ガウディ展」(寺田倉庫 G1ビル)

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 東京・天王洲アイルにある寺田倉庫 G1ビルで「ガウディ没後100年公式事業 NAKED meets ガウディ展」が開催される。会期は1月10日~3月15日。

 ガウディ財団からの正式オファーを受け、ネイキッドは世界で初めて同財団と公式ライセンス契約を締結。本展では、サグラダ・ファミリアのオリジナル図面、ガウディの手記や直筆書簡、制作道具など、学術的にも貴重な未公開のコレクションが公開される。これほど多くの財団所蔵資料が同時に展示されるのは、世界で初めてとなる。

 また、筆跡心理学的分析による最新研究を通して、ガウディの内面と革新的思想に注目。さらに、来場者がサグラダ・ファミリアの一部を完成させていく体験型・参加型アートの展示を通して、ガウディ建築の「未完成」という象徴と魅力に触れる機会が提供される。

会期:2026年1月10日~3月15日
会場:寺田倉庫 G1ビル
住所:東京都品川区東品川 2-6-4
開館時間:10:00~18:00(土日祝は〜20:00)※入場は各閉館時間の1時間前まで
休館日:会期中無休(雨天決行、荒天時は中止の可能性あり)
料金:平日:大人 2700円 / 小学・中学・高校生 1900円 / 未就学児 無料 ※詳細は公式サイトを要確認

「開館50周年記念 モダンアートの街・新宿」(SOMPO美術館

 東京・新宿にあるSOMPO美術館で、開館50周年記念「モダンアートの街・新宿」が開催される。会期は1月10日~2月15日。

 同館は1976年7月に新宿で開館。本展は、開館50周年を記念し、新宿をテーマとした展覧会である。明治時代末期、新進の芸術家が新宿に集まった。新宿に生きた芸術家がさらに芸術家を呼び込み、近代美術の拠点のひとつとなった経緯がある。

 本展では、中村彝、佐伯祐三松本竣介、宮脇愛子など、新宿ゆかりの芸術家による作品が紹介され、約半世紀にわたる軌跡に注目。また、50年という時間軸のなかで約40名の作家が取り上げられ、新宿に関わる多様な美術表現が紹介される。

会期:2026年1月10日~2月15日
会場:SOMPO美術館
住所:東京都新宿区西新宿1-26-1
電話:050-5541-8600
開館時間:10:00~18:00(金〜20:00)※入館は閉館の30分前まで
休館日:月、1月13日(ただし1月12日は開館)
料金:一般(26歳以上)1500円 / 25歳以下 1100円 / 高校生以下 無料

「5つの部屋2026 5つの小宇宙へようこそ」(高崎市美術館

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 群馬県にある高崎市美術館で「5つの部屋2026 5つの小宇宙へようこそ」が開催される。会期は1月10日~3月15日。

 本展は、5つの展示室それぞれに異なるテーマを設け、多様な表現の世界を巡る展覧会である。2022年に続く4回目の開催となる今回は、彫刻における立体表現の可能性を探る「三次元の部屋」、力強い線や繊細な線など多彩な線描を扱う「線の部屋」、左右対称的な構成の作品を特集する「シンメトリーの部屋」、作家による光の捉え方や描写の違いに注目する「光の部屋」、女性表現を扱う「彼女の部屋」をテーマに、コレクションの新たな側面が紹介される。各作家の描法や思考の違いにより構成された展示を通して、多様な表現のあり方を知ることができる機会となる。

会期:2026年1月10日~3月15日
会場:高崎市美術館
住所:群馬県高崎市八島町110-27
電話:027-324-6125
開館時間:10:00~18:00(金〜20:00)※入館は閉館時間の30分前まで
休館日:1月13日、1月19日、1月26日、2月2日、2月9日、2月12日、2月16日、2月24日、3月2日、3月9日
料金:一般 300円 / 大学・高校生 200円