2025.10.5

越後妻有里山現代美術館 MonETで大野綾子「あなたたちとのむ、かごの中」が開催。家族をテーマとした新作を発表

越後妻有里山現代美術館 MonETで、越後妻有 MonET 連続企画展Vol.8 大野綾子「あなたたちとのむ、かごの中」が開催されている。会期は9月27日〜11月30日。

 新潟にある越後妻有里山現代美術館 MonETで、越後妻有 MonET 連続企画展Vol.8 大野綾子「あなたたちとのむ、かごの中」が開催されている。会期は9月27日〜11月30日。

 本連続企画展は、越後妻有里山現代美術館 MonETにて2023年より開催されているもの。会期毎にゲストキュレーターがアーティストを選定し、展覧会を開催する。第8回目となる今回のゲストキュレーターは、高知県立美術館主任学芸員の塚本麻莉。

 彫刻家・大野綾子は、1983年埼玉生まれ。2008年東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻終了。大野は、キャリアの初期から一貫して石に取り組んできた。古い歴史をもち高い耐久性を誇るいっぽうで、扱いに経験と技術を要する石について、大野は「できないことの方が多い」と語る。そんな大野は、植物、昆虫、魚など、記号化された「重くない」ものを中心にモチーフを選んできた。石をあえて軽やかな造形へと仕立てることで、重い/軽い、硬い/柔らかい、男性的/女性的といった二項対立をほどき、素材に対する固定観念の解体を試みる。

 本展では、家族をテーマとした新作が発表される。展覧会タイトルに含まれる「かご」という言葉は、外部と隔てられた小さな空間、すなわち作家自身の家庭の営みをほのめかす。日常をともに過ごす家族という存在を取り上げることによる個人的な実感に加えて、この社会で生きるわたし/妻/親としての多層的な心理が反映されたものとなる。