「鷹野隆大 カスババ ―この日常を生きのびるために」(東京都写真美術館 展示風景より 東京・恵比寿の東京都写真美術館 で、「総合開館30周年記念 鷹野隆大 カスババ ―この日常を生きのびるために」が会期は6月8日まで。会場レポートはこちら 。
鷹野隆大 (1963〜)は、写真集『IN MY ROOM』(2005)で第31回木村伊兵衛写真賞を受賞し、現在も国内外で活躍を続ける写真家・アーティストだ。その写真集に代表されるセクシュアリティをテーマとした作品と並行し、「毎日写真」や「カスババ」といった日常のスナップショットを手がけ、さらに東日本大震災以降は、「影」を被写体とした写真の根源にせまるテーマにも取り組んでいる。
今回の展覧会タイトルにもある「カスババ」とは、「カスのような場所」の複数形を指した鷹野による造語だ。鷹野は本展に際して次のように語っている。「自分の身近な場所とはその(乱雑な東京の都市景観の)なかにあり、本来あるものをないもののように扱うことが暴力的な行為である気がした。無理矢理シャッターを切り続けることで、そこにおもしろさを見出すようになっていった」。
会期:2025年2月27日~6月8日 会場:東京都写真美術館 2階展示室 住所:東京都目黒区三田 1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内 開館時間:10:00〜18:00(木金〜20:00)※入館は閉館30分前まで 料金:一般 700円 / 学生 560円 / 中高生・65歳以上 350円
「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート」(森美術館 ) 展示風景より、ルー・ヤン《独生独死―流動》 東京・六本木の森美術館 で、人類とテクノロジーの関係を考察しながら、未来の歩き方を想像する「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート」展が6月8日まで開催されている。会場レポートはこちら 。
本展覧会の開催意図について、同館館長の片岡真実はつぎのように説明する。「生成AIは頻繁に報道されているように、広く社会を変革するものとして注目を集めている。そしてビデオゲームは世界の全人口の40パーセントがプレイをしているという統計もある。こうした状況が現代美術にどのような影響をもたらしているのかを考える展覧会としたい」。
参加作家はビープル、ケイト・クロフォード、ヴラダン・ヨレル、ディムート、藤倉麻子 、シュウ・ジャウェイ(許家維)、キム・アヨン、ルー・ヤン(陸揚)、佐藤瞭太郎、ジャコルビー・サッターホワイト、ヤコブ・クスク・ステンセン、アドリアン・ビシャル・ロハス、アニカ・イの12名。担当キュレーターは片岡と同館アジャンクト・キュレーターのマーティン・ゲルマン、同館アソシエイト・キュレーターの矢作学。また、企画アドバイザーとしてNTTインターコミュニケーション・センター[ICC]主任学芸員の畠中実と、メディア・アーティストの谷口暁彦が携わっている。
会期:2025年2月13日〜6月8日 会場:森美術館 住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー 53階 電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル) 開館時間:10:00〜22:00(火〜17:00、ただし4月29日、5月6日は〜22:00)※入館は閉館の30分前まで 休館日:会期中無休 料金:[平日]一般 2000円 / 学生(高校・大学生) 1400円 / 子供(中学生以下) 無料 / シニア(65歳以上) 1700円 [土日祝]一般 2200円 / 学生(高校・大学生) 1500円 / 子供(中学生以下) 無料 / シニア(65歳以上) 1900円
海と記号 #06 2025(16点組) photo by Ooki Jingu ©Hiraku Suzuki Studio ポーラ ミュージアム アネックス で、鈴木ヒラクの展覧会「海と記号 Ocean and Signs」が6月8日まで開催されている。
鈴木ヒラクは、「描く」と「書く」のあいだを主題に、平面・彫刻・映像・インスタレーション・パフォーマンスなど、ドローイングの概念を拡張するような様々な制作活動を展開。壁画から、植物や鉱物、光の軌跡といった非人間の描く線の断片までをアーカイヴし、身体を通して再構築することで、「ドローイングの生態学」ともいえる独自の体系を生み出してきた。
本展の中心となるのは、深海や宇宙を想起させる瞑想的な青の背景に、シルバーで描かれた連作「海と記号」(2025)だ。会場では16点組の大型キャンバスが円環状に配置される。また、考古学的遺物の写真をシルバーで塗り消し、架空の記憶を描き出す《Casting(Ocean)》(2025)や、新作映像インスタレーションもあわせて展示する。
会期:2025年4月25日~6月8日 会場:ポーラ ミュージアム アネックス 住所:東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル3階 電話:050-5541-8600 開館時間:11:00~19:00(入場は閉館の30分前まで) 休館日:無休 観覧料:無料