2025.5.2

今週末に見たい展覧会ベスト11。近藤亜樹から岡﨑乾二郎まで

今週閉幕する/開幕した展覧会のなかから、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。なお、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

「岡﨑乾二郎 而今而後 ジコンジゴ Time Unfolding Here」(東京都現代美術館)展示風景より
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もうすぐ閉幕

近藤亜樹:我が身をさいて、みた世界は(水戸芸術館 現代美術ギャラリー

展示風景より、《ザ・オーケストラ》(2024)

 2012年に画家としてデビューして以来、躍進を続ける近藤亜樹の国内の公立美術館で二度目となる個展「近藤亜樹:我が身をさいて、みた世界は」が、水戸芸術館現代美術ギャラリーで5月6日まで開催されている。レポート記事はこちら

 今回の個展では、22年以降に制作された作品24点と、本展のために制作された新作64点のあわせて88点が並ぶ。展示構成は、1990年に水戸芸術館が開館した当時、磯崎新アトリエに勤務し、現場責任者として設計から竣工にまで関わった青木淳が手がけた。

会期:2025年2月15日〜5月6日
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
住所:茨城県水戸市五軒町1-6-8
電話番号:029-227-8111
開館時間:10:00〜18:00 ※入場は17:30まで
休館日:月、2月25日(2月24日、5月5日は開館)
料金:一般 900円 / 高校生以下、70歳以上、障害者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名は無料

時代を映す錦絵ー浮世絵師が描いた幕末・明治ー(国立歴史民俗博物館

展示風景より、中央が歌川国貞《東都日本橋之勝景》(1863)国立歴史民俗博物館蔵

 千葉・佐倉市の国立歴史民俗博物館で、江戸末期から明治初期までの錦絵を紹介し、その歴史資料的な側面に光を当てる企画展示「時代を映す錦絵ー浮世絵師が描いた幕末・明治ー」が5月6日に閉幕する。レポート記事はこちら

 本展では江戸時代末期から明治初期にかけての、戊辰戦争などの戦争や動乱、大地震、疫病の流行、多くの人々を集めた寺社の開帳や見世物、あるいは人々を熱狂させた流行現象など、激動する時代の諸相を描いた錦絵を展示。その歴史資料的側面に光を当てる。

会期:2025年3月25日~5月6日
会場:国立歴史民俗博物館
住所:千葉県佐倉市城内町117
電話番号:050-5541-8600
開館時間:9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで) ※開館日・開館時間を変更する場合がある
休館日:月(月曜日が休日にあたる場合は開館し、翌日休館)
観覧料:一般 1000円 / 大学生 500円 / 高校生以下 無料

百花ひらく―花々をめぐる美―(皇居三の丸尚蔵館

 皇居三の丸尚蔵館で「百花ひらく―花々をめぐる美―」の後期が5月6日まで開催中だ。

 本展では、皇室伝来の貴重な収蔵品のなかから、花を題材とした11世紀から現代にいたる絵画・工芸・書跡45件を紹介。伊藤若冲によって制作された国宝《動植綵絵》のうち、花を描いた4幅が展示され、後期では《梅花小禽図》と《薔薇小禽図》を見ることができる。

会期:[前期]2025年3月11日~4月6日、[後期]2025年4月8日~5月6日
会場:皇居三の丸尚蔵館
住所:東京都千代田区千代田1-8 皇居東御苑内
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:9:30~17:00(金土〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(5月5日は開館)
料金:一般 1000円 / 大学生 500円 / 高校生以下および満18歳未満、満70歳以上 無料

菊池コレクション 現代陶芸のすすめ(菊池寛実記念 智美術館

 菊池寛実記念 智美術館で、「菊池コレクション 現代陶芸のすすめ」展が5月6日まで開催されている。レポート記事はこちら

 1983年、アメリカのスミソニアン国立自然史博物館で「Japanese Ceramics Today(現代日本陶芸展)」が開催され、現代陶芸のコレクターだった菊池智(1923〜2016)のコレクションから、100名の日本の陶芸作家による約300点の作品が展示。同展は2003年に菊池寛実記念智美術館の開館のきっかけともなった。今回の「現代陶芸のすすめ」は当時の展示作品を中心に構成されたもので、1970年代から80年代の作品を中心に、43名の作家による61点の作品を展覧。日本の現代陶芸の展開をたどることができる。

会期:2025年1月18日~5月6日
会場:菊池寛実記念 智美術館
住所:東京都港区虎ノ門4-1-35
電話番号:03-5733-5131
開館時間:11:00~18:00 ※最終入館は17:30まで
休館日:月、2月25日(ただし、2月24日、5月5日は開館)
料金:一般 1100円 / 大学生 800円 / 小中高生 500円

ケネス・ノーランド「Paintings 1966 - 2006」/サム・ギリアム「The Flow of Color」(Pace 東京

ケネス・ノーランド「Paintings 1966 - 2006」展示風景

 Pace 東京で、ケネス・ノーランドによる個展「Paintings 3455-7885」と、サム・ギリアムの個展「The Flow of Color」が同時開催されている。

 ノーランド展では、1960年代から2000年代初頭にかけて制作した代表的なシリーズを含む、美術館級の貴重な作品群を展示。ノーランドの展覧会は、東京では1986年の佐谷画廊以来の展示となる。

 またギリアム展には、2018年から2022年にかけての晩年の数年間に制作した一連の水彩画と《ドレープ》ペインティングが並ぶ。

会期:2025年3月7日~5月6日
会場:Pace 東京
住所:東京都港区麻布台1-3-1 ガーデンプラザA 1・2階
電話番号:03-6681-9400
開館時間:11:00~20:00(日18:00〜20:00、それ以外は19:00〜20:00でアポイントメント制)
休館日:月

横尾忠則の人生スゴロク展 阪神・淡路大震災30年(横尾忠則現代美術館

 横尾忠則現代美術館で「横尾忠則の人生スゴロク展」が5月6日まで開催されている。

 本展は、展示空間をスゴロクに見立てたもの。横尾忠則の波乱万丈の人生を、作品によって再構成しており、「あがり」にたどり着けるかは運任せとなっている。なすがままに運命を受け入れてきた横尾の生き方のように、楽しく遊びながらその作品に親しむことができる前代未聞の企画展だ。

会期:2025年1月17日~5月6日
会場:横尾忠則現代美術館
住所:兵庫県神戸市灘区原田通3-8-30
電話番号:078-855-5607
開館時間:10:00~18:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月(5月5日は開館)
料金:一般 700円 / 大学生 550円 / 70歳以上 350円 / 高校生以下 無料アクセス

今週開幕

岡﨑乾二郎 而今而後 ジコンジゴ Time Unfolding Here(東京都現代美術館

展示風景より

 岡﨑乾二郎の東京では初めての大規模個展「而今而後 ジコンジゴ Time Unfolding Here」が、東京・清澄白河の東京都現代美術館で始まった。レポート記事はこちら

 タイトルにある「而今而後」とは孔子の論語からとられたもので、「いまから後、その先も」という意味を持つ。岡﨑は2021年に脳梗塞で倒れ、リハビリを経験。その後遺症で右半身が麻痺しているが、これは造形作家としての大きな「転回」にもなったという。本展はこの「転回」前の作品を広く見通しつつ、「転回」後である2022年以降に制作された新作を展覧するものとなっている。

会期:2025年4月29日~7月21日
会場:東京都現代美術館
住所:東京都江東区三好4-1-1
電話:050-5541-8600
開館時間:10:00~18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)
休館日:月、5月7日(5月5日、7月21日は開館)
観覧料:一般 2000円 / 大学生・専門学校生・65 歳以上 1400円 / 中高生 800円 / 小学生以下 無料

「酒呑童子ビギンズ」(サントリー美術館

展示風景より、狩野元信《酒伝童子絵巻 上巻》(1522)

 東京・六本木のサントリー美術館で、展覧会「酒呑童子ビギンズ」がスタートした。レポート記事はこちら

 本展は、2020年に解体修理を終えたばかりの重要文化財・狩野元信筆《酒伝童子絵巻》(通称サントリー本)を公開するとともに、酒呑童子という「鬼」がいつどのように誕生したのかといった、「はじまり」の物語についても紹介するものとなっている。

会期:2025年4月29日〜6月15日
会場:サントリー美術館
住所:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウンガレリア3階
開館時間:10:00~18:00(金、5月3日〜5日、6月14日は~20:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:火(ただし、4月29日、5月6日、6月10日は〜18:00)
料金:一般 1700円 / 大学生 1200円 / 高校生 1000円 / 中学生以下 無料 / 障害者手帳をお持ちの方は、ご本人と介助の方1名様のみ無料

SICF26(スパイラルホール、スパイラルガーデン

 スパイラルが、若手作家の発掘・育成・支援を目的とした公募展形式のアートフェスティバル「SICF26」を5月2日〜7日にかけて開催する。

 SICFは、ブース出展形式のEXHIBITION部門と、生活に携わる分野のものづくりを対象としたMARKET部門の2部門で構成。EXHIBITION部門では、100組の気鋭の若手作家が2会期に分かれ、立体・インスタレーション、絵画、写真、イラストレーションやそれら既存のジャンルにとらわれない作品を発表し、活発なプレゼンテーションを展開。MARKET部門も同様に、70組の作家が2会期に分かれ、工芸・クラフト、アクセサリー、プロダクト、ファッションなど生活を彩る作品を展示、販売する。

会期:[A日程]2025年5月2日~5月4日、[B日程]2025年5月5日~5月7日
会場:スパイラルホール、スパイラルガーデン
住所:東京都港区南青山5-6-23 スパイラル3階(スパイラルホール)・1階(スパイラルガーデン)
開館時間:11:00~19:00(EXHIBITION部門は、各日程の初日5月2日と5月5日は13:00〜)
料金:一般 1000円 / 平日割引*1 800円 / A・B共通券*2 1500円 / 学生 無料*1 平日割引チケットは 5月2日、5月7日のみ利用可能*2 A・B共通券はA日程・B日程の各日程1日ずつ入場可能

TOKIO ART BOOK FAIR 2025 by TOKYO ART BOOK FAIR

 芝パークホテルで「TOKIO ART BOOK FAIR 2025 by TOKYO ART BOOK FAIR」が開催される。

 「TOKIO ART BOOK FAIR 2025」は、TOKYO ART BOOK FAIRが企画する新たなアートブックフェア。第1回は、2025年5月2日から5月4日の3日間、芝パークホテルで開催。アートブック、ZINEなどの出版物を通じて独自の活動を展開する国内外のアーティスト、出版社、書店、ギャラリーなど約55組が集う。

会期:2025年5月2日~5月4日
会場:芝パークホテル
住所:東京都港区芝公園1-5-10
開館時間:12:00~19:00(5月2日13:00〜) ※入場は閉場の30分前まで
料金:一般 1500円 / 25歳以下 1000円 / 19歳以下 無料 ※チケット完全予約制(会場での当日券販売予定なし)

「積層する時間:この世界を描くこと」(金沢21世紀美術館

展示風景より、淺井裕介《大地の譜面 足音の音楽/今ここで土になる》(2025)

 様々な時間を取り上げることで現在の「世界」の様相を浮かび上がらせる展覧会「積層する時間:この世界を描くこと」が、金沢21世紀美術館で始まった。レポート記事はこちら

 本展には、絵画やドローイング、アニメーション、版画などの平面作品64点が出品。過去の出来事への鋭い批評、土地が持つ歴史や神話、植民地化や戦争の歴史、風景や自然のなかに潜在する過去との接続や時間の流れ、生と死という生命の時間など、アーティストそれぞれの問題意識や関心から複数の積層した時間が描き出された作品が並ぶ。

会期:2025年4月29日~9月28日
会場:金沢21世紀美術館
住所:石川県金沢市広坂1-2-1
電話番号:076-220-2800 
開場時間:10:00~18:00(金土~20:00) ※チケット販売は閉場30分前まで
休館日:月(ただし5月5日、7月21日、8月11日、9月15日は開館) 、5月7日、7月22日、8月12日、9月16日
料金:一般 1200円 / 大学生 800円 / 小中高生 400円 / 65歳以上 1000円