2024.9.24

ポーラ美術館が2025年の企画展発表。「カラーズ」「ゴッホ・インパクト(仮)」開催へ

箱根のポーラ美術館が2025年の企画展ラインナップを発表した。2つの展覧会を開催する。

森村泰昌 自画像の美術史(ゴッホ/青い炎) 2016 / 2018 ポーラ美術館
copyright of the artist, courtesy of ShugoArts
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 箱根のポーラ美術館(神奈川県・箱根町)が2025年の企画展ラインナップを発表した。近代から現代までの美術における色彩の歴史を読み直す「カラーズ ― 色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ」展、ゴッホの存在が様々な時代や地域にもたらした影響と、現代における新たな価値を考察する「ゴッホ・インパクト(仮)」を開催する。

 「カラーズ ― 色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ」展(2024年12月14日~2025年5月18日)は、近代から現代までの美術における「色彩」に注目し、色彩論や色を表現する素材との関係にふれながら、その役割についてあらためて考察するもの。

 チューブ入りの油絵具を巧みに扱い、様々な色彩によって視覚世界を再構築した19 世紀の印象派新印象派から、20世紀のフォーヴィスムの絵画や抽象絵画、そして色彩の影響力によって観る者の身体感覚をゆさぶる現代アートにいたる近現代の色彩の美術史を、絵画や彫刻、インスタレーションなどによって読み直すという。

 出品予定作家は、杉本博司、クロード・モネジョルジュ・スーラ、ロベール・ドローネー、アンリ・マティスピエール・ボナール、ヘレン・フランケンサーラー、モーリス・ルイス、ケネス・ノーランド、ドナルド・ジャッドブリジット・ライリーゲルハルト・リヒターベルナール・フリズヴォルフガング・ティルマンス、グオリャン・タン、桑山忠明、前田信明、坂本夏子、山口歴流麻二果門田光雅、山田航平、川人綾山本太郎草間彌生ほか。

ロベール・ドローネー 傘をさす女性、またはパリジェンヌ 1913 ポーラ美術館 
ベルナール・フリズ Ijo 2020 ポーラ美術館
(C)Bernard Frize / ADAGP, Paris, 2024 Photo: Ken Kato Courtesy of the artist and Perrotin

 続くのが「ゴッホ・インパクト(仮)」(2025年5月31日〜11月30日予定)だ。本展は、ポーラ美術館では開館以来初となるフィンセント・ファン・ゴッホ(1853〜1890)をテーマとした展覧会。

 ポーラ美術館は、陽光のきらめく南仏のアルルで制作された《ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋》(1888年)や最晩年にオーヴェール=シュル=オワーズで制作された《アザミの花》(1890年)など3点のゴッホ作品を収蔵している。 同展では、個性と情熱にあふれたゴッホの作品や芸術に人生を捧げたその存在が、様々な時代においてどのようなインパクトを与えたのかを検証するとともに、現代という時代のなかで、「ゴッホ」がいかにして新たな価値を持ち得るのかを考察するものになるという。

フィンセント・ファン・ゴッホ ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋 1888 ポーラ美術館

 出品予定作家は、フィンセント・ファン・ゴッホ、ポール・シニャック、アンリ・エドモン・クロス、ポール・セザンヌ、ポール・ゴーガン、アンリ・マティス、アンドレ・ドラン、モーリス・ド・ヴラマンク佐伯祐三、前田寛治、萬鐵五郎、岸田劉生、木村荘八、草間彌生、森村泰昌、福田美蘭、桑久保徹、フィオナ・タンほか。