2024.9.20

三連休に見たい展覧会ベスト23。内藤礼からCLAMP、吟遊詩人、田中一村まで

今週開幕・閉幕する展覧会から、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。なお、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

「田中一村展 奄美の光 魂の絵画」(東京都美術館)展示風景より
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もうすぐ閉幕

内藤礼 生まれておいで 生きておいで」(東京国立博物館

展示風景より

 「地上に存在することは、それ自体、祝福であるのか」をテーマに、根源的な生の光景を出現させてきたアーティスト・内藤礼。その個展「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」が、上野の東京国立博物館で9月23日まで開催されている。レポート記事はこちら。内藤礼のインタビューはこちら

 本展は、平成館企画展示室、本館特別5室、本館1階ラウンジの3ヶ所が会場となり、それらをぐるりと回るように鑑賞する形式がとられている。東博の建築・所蔵品と対話するように制作された作品、構成となっており、ここだけでしか体験することができない展示だ。なお本展は銀座メゾンエルメス フォーラムにおいて開催中の同名展覧会(〜25年1月13日)ともつながっているため、東博会期中に2会場を巡ってほしい。

会期:2024年6月25日〜9月23日
会場:東京国立博物館 平成館企画展示室、本館特別5室、本館1階ラウンジ
住所:東京都台東区上野公園13-9
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル) 
開館時間:9:30〜17:30 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月
料金:一般 1500円 / 大学生 1000円 / 高校生以下無料

「CLAMP展」(国立新美術館

展示風景より

 国内外で絶大な人気を誇る女性4人の創作集団・CLAMP(いがらし寒月、大川七瀬、猫井、もこな)。その史上最大の原画展が国立新美術館で9月23日に閉幕する。レポート記事はこちら

 本展は、CLAMPの活動35周年を記念し、少年マンガ、少女マンガ、青年マンガと幅広いジャンルにおいて多様な作品を世に送り出してきたその活動の軌跡をたどるものだ。会場は「C」「L」「A」「M」「P」といった頭文字をベースに、「COLOR」「LOVE」「ADVENTURE」「MAGIC」「PHRASE」「IMAGINATION」「DREAM」の7テーマから構成。1989年のデビュー作から最新作までの23作品を網羅したカラーイラストのほか、マンガ本編の原稿が約800点というボリュームで一堂に会する、史上最大の原画展となっている。

会期:2024年7月3日~9月23日(開幕記念特別観覧日は7月3日〜5日)
会場:国立新美術館 企画展示室2E 
住所:東京都港区六本木7-22-2 
電話番号:050-5541-8600 
開館時間:10:00~18:00 (金土〜20:00)※入場は閉館の30分前まで
休館日:火
料金:一般 2100円 / 大学生 1400円 / 高校生 1000円

「フィロス・コレクション ロートレック展 時をつかむ線」(SOMPO美術館

 19世紀末フランスを代表する画家、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(1864〜1901)の、おもに紙による作品を集めた展覧会「フィロス・コレクション ロートレック展 時をつかむ線」が東京・新宿のSOMPO美術館で9月23日まで開催中。レポート記事はこちら

 本展はロートレックの紙作品の個人コレクションとして世界最大級となるギリシャ人コレクター、ベリンダとポールのフィロス夫妻によるフィロス・コレクションによって構成。約240点もの作品が並ぶ大規模展だ。

会期:2024年6月22日~9月23日 ※日時指定推奨
会場:SOMPO美術館
住所:東京都新宿区西新宿1-26-1
開館時間:10:00~18:00(金〜20:00)※最終入館は閉館30分前まで
休館日:月(ただし7月15日、8月12日、9月16日、9月23日は開館)
料金:一般 1800円 / 大学生 1200円 / 高校生以下無料

「特別展 没後25年記念 東山魁夷と日本の夏」(山種美術館)

展示風景より、東山魁夷《満ち来る潮》(1970)

 山種美術館の特別展「没後25年記念 東山魁夷と日本の夏」が9月23日で閉幕する。レポート記事はこちら

 四季を通じて自然との対話を重ね、様々な風景を描いた東山魁夷(1908〜1999)。海山の自然から古都の町並みにいたるまで、詩情豊かに表された作品は、没後四半世紀を経たいまも人々から愛されている。今回、山種美術館では、所蔵する魁夷の作品を全点公開し、季節感にあふれた風景画を紹介。夏の終わりにいかがだろうか。

会期:2024年7月20日〜9月23日
会場:山種美術館
住所:東京都渋谷区広尾3-12-36
開館時間:10:00〜17:00 ※入館は16:30まで
休館日:月
料金:一般 1400円 / 大学・高校生 500円 / 中学生以下無料 ※きもの・ゆかたで来館で一般200円引き

「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン」(東京ステーションギャラリー

 東京ステーションギャラリーの「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン」が23日で閉幕する。

 本展は、フォロンの初期のドローイングから水彩画、版画、ポスター、そして晩年の立体作品までを含めた約230点を紹介する、日本では30年ぶりの大回顧展だ。デジタル化やパンデミック、戦争など、社会的に大きな曲がり角にある現代、環境や自由への高い意識をもち、抑圧や暴力、差別などに静かな抗議を続けてきたフォロンの芸術を、いま、あらためて見直していく展覧会となっている。

会期:2024年7月13日~9月23日
会場:東京ステーションギャラリー
住所:東京都千代田区丸の内1-9-1
電話番号:03-3212-2485
開館時間:10:00~18:00(金~20:00)
休館日:月(ただし、7月15日、8月12日、9月16日、9月23日は開館)、7月16日
料金:一般 1500円 / 高校・大学生 1300円 / 中学生以下 無料

「平田晃久―人間の波打ちぎわ」(練馬区立美術館

展示風景より

 練馬区立美術館の「平田晃久―人間の波打ちぎわ」が23日で閉幕する。

 本展は、建築家・平田晃久の建築世界を紹介するもの。「建築とは『からまりしろ』をつくることである」というコンセプトは、平田の建築に一貫している。平田の造語である「からまりしろ」とは、はっきりと形づくられる空間領域とは異なり、「ふわふわとした隙間の錯綜」、つまりはあらゆる物質の傍らとも言える領域の重なりを指す。会場では、これまでの平田建築から、今後建設される新しい練馬区立美術館をはじめ、様々なプロジェクトが紹介さており、平田の思考をたどることができるだろう。

会期:2024年7月28日~9月23日
会場:練馬区立美術館
住所:東京都練馬区貫井1-36-16
電話番号:03-3577-1821
開館時間:10:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月
料金:一般 1000円 / 高校・大学生、65~74歳 800円 / 中学生以下、75歳以上 無料 / 障がい者(一般)500円 / 障がい者(高校・大学生)400円

「ポール・マッカートニー 写真展 1963-64 ~Eyes of the Storm~」(東京シティビュー)

展示風景より、「On tour in London 1963」

 ロンドン ナショナル・ポートレイト・ギャラリーのリニューアルオープン記念として開催された、「ザ・ビートルズ」のメンバー ポール・マッカートニーによる写真展「ポール・マッカートニー写真展 1963-64~ Eyes of the Storm~」。その日本巡回展が、東京・六本木の東京シティビューで9月24日まで開催中だ。レポート記事はこちら

 同展のキュレーションはロージー・ブロードリー(ナショナル・ポートレイト・ギャラリー チーフキュレーター)。本展は、デビュー直後の63年12月頃の活動から、「エド・サリバン・ショー」でアメリカに凱旋した翌年2月にかけての約3ヶ月間を、マッカートニーによって撮影されたポートレート約250点からたどるものとなっている。なお本展は大阪に巡回する。会場はグランフロント大阪 北館 ナレッジキャピタル イベントラボ、会期は10月12日〜2025年1月5日。

会期:2024年7月19日~9月24日
会場:東京シティビュー 
住所:東京都港区六本木6-10−1 六本木ヒルズ森タワー52階
開館時間:10:00~19:00(金土は~20:00、ただし7月19日は〜17:00)※入館は閉館の30分前まで 
休館日:無休 
料金:一般 2600円 / 高校・大学生 1800円 / 4歳~中学生 1000円 

ヨーゼフ・ボイス ダイアローグ展」(GYRE GALLERY

展示風景より、左からヨーゼフ・ボイス《カプリバッテリー》(1985)、畠山直哉《ヨーゼフ・ボイス イン トーキョー 1984》(1984)、磯谷博史《花と蜂、透過する履歴》(2018)

 戦後ドイツ美術の第一人者であり、いまだに多くのアーティストに影響を与え続けているヨーゼフ・ボイス(1921〜86)。その作品や活動を現代日本の視点で検証しようとする展覧会「ヨーゼフ・ボイス ダイアローグ展」が、東京・神宮前のGYRE GALLERYで9月24日で終了する。レポート記事はこちら

 本展の参加作家はヨーゼフ・ボイス、若江漢字、畠山直哉、磯谷博史、加茂昂、AKI INOMATA、武田萌花。現代美術の歴史に大きな足跡を残したボイスの作品・活動を、現代日本の視点で検証するものとなっており、日本の現代作家によるダイアローグ形式の作品構成によって「いまなぜヨーゼフ・ボイスなのか」という問いかけを行う構成だ。

会期:2024年7月17日~9月24日
会場:GYRE GALLERY
住所:東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 3F
電話番号:0570-05-6990(ナビダイヤル、11:00〜18:00) 
開館時間:11:00~20:00 
休館日:無休 
料金:無料

「吉田克朗展 ―ものに、風景に、世界に触れる」(埼玉県立近代美術館

展示風景より

 李禹煥菅木志雄、小清水漸、関根伸夫らとともに「もの派」の中核作家として活躍し、その後は独自の絵画表現を追い求めたアーティスト・吉田克朗(1943〜1999)。その回顧展「吉田克朗展 ―ものに、風景に、世界に触れる」が埼玉県立近代美術館で9月23日まで開催されている。レポート記事はこちら

 本展は、55歳という短い人生を駆け抜けた吉田の全貌に迫る初めての回顧展。記録写真や未公開の資料を交え、初期作品から、1990年代後半の絵画の大作までをふり返り、吉田克朗の制作の軌跡をたどるものとなっている。

会期 :2024年7月13日~9月23日
会場:埼玉県立近代美術館
住所:埼玉県さいたま市浦和区常盤9-30-1
電話番号:048-824-0111
開館時間:10:00~17:30 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし、7月15日、8月12日、9月16日、9月23日は開館)
料金:一般 1100円 / 高校・大学生 880円 / 中学生以下無料

島袋道浩 音楽が聞こえてきた」(BankArt Station

展示風景より

 90年代初頭より国内外の多くの場所を旅し、そこに生きる人々の生活や文化をみつめ、新しいコミュニケーションやアートのあり方に関する作品を制作してきた島袋道浩(1969年神戸生まれ)。その個展「島袋道浩 音楽が聞こえてきた」展が、横浜のBankArt Stationで9月23日に閉幕する。レポート記事はこちら

 島袋はこれまで、作曲家の野村誠や小杉武久、ミュージシャンのカシン、モレノ・ヴェローゾ、アート・リンゼイ、ブラジルの吟遊詩人のへペンチスタなど、様々な音楽関係者たちとコラボレーションを行ってきた。関東圏では15年ぶりの個展となる本展は、そうした人々とのコラボレーション作品にフォーカスしたものとなっている。

会期:2024年7月4日~9月23日
会場:BankART Station
住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい5-1 新高島駅B1F
電話番号:045-663-2812 
開館時間:11:00~19:00
休館日:月(祝日は開館、翌火) 
料金:一般 1000円 / 大学生・高校生 500円 / 中学生以下、及び障がい者手帳をお持ちの方と付き添い1名 無料

アイザック・ジュリアン個展「Ten Thousand Waves」(エスパス ルイ・ヴィトン大阪

ISAAC JULIEN - TEN THOUSAND WAVESエスパス ルイ・ヴィトン大阪での展示風景(2024)Courtesy of the artist and Fondation Louis Vuitton, Paris Photo credits: © Jérémie Souteyrat / Louis Vuitton

 エスパス ルイ・ヴィトン大阪で、英国を代表するアーティストのひとりであるアイザック・ジュリアンの個展「Ten Thousand Waves」が22日まで開催中だ。レポート記事はこちら。インタビューはこちら

 本展は、パリのフォンダシオン ルイ・ヴィトンのコレクションを紹介する「Hors-les-murs(壁を越えて)」プログラムの一環として開催されるもので、ジュリアンの大規模ヴィデオ・インスタレーション《Ten Thousand Waves》(2010)を日本初公開。役者、場所、時代が混ざりあうポリフォニーの中心に、強制的な移動と移民の問題が据えられている作品に注目してほしい。

会期:2024年3月27日〜9月22日
会場:エスパス ルイ・ヴィトン大阪
住所:大阪府大阪市中央区心斎橋筋2-8-16 ルイ・ヴィトン メゾン 大阪御堂筋 5F
開館時間:12:00〜20:00 
休館日:ルイ・ヴィトン メゾン大阪御堂筋に準ずる
料金:無料

特別展「『ネコ』〜にゃんと!クールなハンターたち〜」(大阪市立自然史博物館)

展示風景より

 大阪・長居の大阪市立自然史博物館で、ネコ科の動物たちの進化や行動の特徴に迫る特別展「『ネコ』〜にゃんと!クールなハンターたち〜」が9月23日まで開催中。レポート記事はこちら

 人類の歴史のなかで、長く愛玩されてきたネコ。親しみやすく、繰り返し美術のモチーフにもされてきたネコだが、いっぽうでトラやライオンといった大型種からヤマネコのような小型種まで、ネコ科は肉食動物のなかでもとくに肉食傾向が強い種であり、その性質はイエネコにも受け継がれている。本展はこうしたネコ科の多面的な魅力に、科学的知見から迫るものだ。

会期:2024年7月13日~9月23日
会場:大阪市立自然史博物館
住所:大阪府大阪市東住吉区長居公園1-23
電話:06-4301-7285
開館時間:9:30~17:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:7月16日、22日、29日、8月19日、26日、9月2日、9日、17日

今週開幕

「没後300年記念 英一蝶―風流才子、浮き世を写す―」(サントリー美術館

展示風景より、《雨宿り図屛風》メトロポリタン美術館

 風俗画の名手として知られる江戸時代の絵師・英一蝶(はなぶさいっちょう・1652~1724)の過去最大規模の回顧展が東京・六本木のサントリー美術館で開幕した。レポート記事はこちら

 一蝶は元禄年間(1688~1704)前後に、江戸を中心に活躍。はじめは狩野探幽の弟・安信に師事したが、菱川師宣や岩佐又兵衛らに触発され、市井の人々を活写した独自の風俗画を生み出した。元禄11年(1698)には47歳で三宅島に流罪になったが、島で描かれた作品は「島一蝶」と呼ばれ、とくに高く評価されている。本展は2009年の「一蝶リターンズ ~元禄風流子 英一蝶の画業~」(板橋区立美術館)以来、15年ぶりの回顧展。ユーモアあふれる戯画から、狩野派絵師としての高い技量をうかがわせる謹直な作品まで、一蝶の活動を包括的に紹介する展覧会に注目だ。

会期:2024年9月18日~11月10日 ※会期中展示替あり
会場:サントリー美術館
住所:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階
開館時間:10:00~18:00(金および11月9日は〜20:00)※入館は閉館の30分前まで
休館日:火(11月5日は18:00まで開館)
料金:一般 1700円 / 大学・高校生 1000円 / 中学生以下 無料

田中一村展 奄美の光 魂の絵画」(東京都美術館

 上野の東京都美術館で「田中一村展 奄美の光 魂の絵画」が9月19日に開幕した。レポート記事はこちら

 自らの芸術の探究に生涯を捧げた画家・田中一村(1908〜1977)。本展は、絵画作品を中心に、スケッチ・工芸品・資料を含めた250件を超える作品で、一村の神童と称された幼年期から、終焉の地である奄美大島で描かれた最晩年の作品まで、その全貌を紹介する大回顧展となる。

会期:2024年9月19日〜12月1日
会場:東京都美術館
住所:東京都台東区上野公園8-36
電話番号:050-5541-8600
開館時間:9:30〜17:30(金〜20:00) ※入室は閉室の30分前まで
休館日:月(ただし、9月23日、10月14日、11月4日は開館)、9月24日、10月15日、11月5日
料金:一般 2000円 / 大学・専門学校生 1300円 / 65歳以上 1500円 / 高校生以下無料

芝浦工業大学 交流プラザプロジェクト 第3回 建築家展「PAPER SANCTUARY~ウクライナ難民の現実と詩~ 坂茂」(芝浦工業大学 豊洲キャンパス 有元史郎記念校友会館交流プラザ)

 芝浦工業大学豊洲キャンパスの有元史郎記念校友会館交流プラザで、第3回 建築家展「PAPER SANCTUARY~ウクライナ難民の現実と詩~ 坂茂」が9月20日より開催される。

 本展では、坂茂が災害時の避難所で家族ごとのプライバシーを守るために考案し、2022年2月24日からのロシアによるウクライナ侵攻により近隣国(ポーランド、スロバキア、フランス)へ避難した難民のために設置した紙の間仕切りシステム(Paper Partition System、PPS)を使い、難民の人々の詩と写真を展示。展示の最後には、学生も加わった支援活動を含む世界中の災害支援活動やボランティア活動と両立して設計された建築作品も展示される。

会期:2024年9月20日~10月20日
会場:芝浦工業大学 豊洲キャンパス 有元史郎記念校友会館交流プラザ
住所:東京都江東区豊洲3-7-5
開館時間:10:00~17:00 ※入場は閉館の30分前まで
料金:無料

「生誕130年記念 北川民次展―メキシコから日本へ」(世田谷美術館

名古屋市美術館での展示風景

 世田谷美術館で「生誕130年記念 北川民次展―メキシコから日本へ」が9月21日より開催される。名古屋市美術館からの巡回。

 北川民次(1894〜1989)は20歳で渡米し、働きながら絵を学んだのち、革命後の壁画運動に沸く1920年代のメキシコで新進画家、そして教育者として出発した。帰国後は東京・池袋を経て愛知・瀬戸に居を定め、晩年まで精力的に活動を続けた。

 本展では、メキシコ時代から一貫してみられる、市井の人々への温かなまなざしと鋭い社会批判をはらむ代表作に加え、未来の社会をつくる子供に向けた絵本や美術教育の仕事、また1955年のメキシコ再訪を経て取り組んだ念願の壁画なども紹介。油彩約60点、水彩、素描、版画など約50点に、1920〜30年代メキシコの多様な芸術動向に関する資料、当時交流した芸術家たちの作品を加えた約180点により、北川民次の表現を多角的に見つめる回顧展だ。

会期:2024年9月21日~11月17日
会場:世田谷美術館
住所:東京都世田谷区砧公園1-2
電話番号:03-3415-6011
開館時間:10:00~18:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし、9月23日、10月14日、11月4日は開館)、9月24日、10月15日、11月5日
料金:一般 1400円 / 65歳以上 1200円 / 大学・高校生 800円 / 中学・小学生 500円

「市制施行70周年記念 アルフォンス・ミュシャ ふたつの世界」(府中市美術館


アルフォンス・ミュシャ モンテカルロ 紙、リトグラフ サントリーポスターコレクション(大阪中之島美術館寄託)

 府中市美術館で「市制施行70周年記念 アルフォンス・ミュシャ ふたつの世界」が9月21日より開催される。

 19世紀末パリの香りが色濃く漂うアルフォンス・ミュシャの版画は、多くの人の心をつかんできた。さらに近年、ミュシャの油彩画の注目が高まっている。ミュシャが手がけた版画と油彩画をひとつの視点から眺め渡す機会が、これまでほとんどなかったため、別世界のもののように語られてきた。しかし版画にも油彩画にも、一目でミュシャとわかる強い個性があふれている。本展では、版画の代表作と貴重な大型の油彩画、さらに素描や下絵もあわせて、ミュシャの魅力が紹介される。

会期:2024年9月21日~12月1日
会場:府中市美術館
住所:東京都府中市浅間町1-3(都立府中の森公園内)
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00~17:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし、9月23日、10月14日、11月4日は開館)、9月24日、10月1日、10月8日、10月15日、11月5日
料金:一般 1000円 / 高校・大学生 500円 / 小学・中学生 250円 / 未就学児、身体障害者手帳(ミライロID)等をお持ちの方と付き添いの方1名 無料 ※10月12日〜10月14日は市民文化の日無料観覧日のため誰でも無料

「日本国憲法展2024」(無人島プロダクションMISA SHIN GALLERY青山|目黒

 無人島プロダクション(9月21日〜10月12日)、MISA SHIN GALLERY(9月28日〜10月19日)、青山|目黒(10月26日〜11月17日)で「日本国憲法展2024」が開催される。

 昨年に続き2度目の開催となる「日本国憲法展」は、広島市現代美術館学芸員の角奈緒子を展示ディレクターに迎え、憲法と美術に焦点を当てるもの。本展は、2019年に刊行された『日本国憲法』(松本弦人編、TAC出版)から着想を得たもので、書籍の掲載作とは異なる新たな作品を選出し、日本国憲法の条文と組みあわせて展示。憲法を体験し、新たな角度から見つめ直す試みとなる。

会期:2024年9月21日〜11月17日
会場:無人島プロダクション、MISA SHIN GALLERY、青山|目黒
料金:無料

「リキッドスケープ 東南アジアの今を見る」(アーツ前橋

 南條史生が特別館長(前橋市文化芸術戦略顧問兼任)を務めるアーツ前橋にで、「リキッドスケープ 東南アジアの今を見る」が開幕する。

 本展は、多様性と流動性に満ちた東南アジアの現在の姿を「リキッドスケープ(流動する風景)」と名付け、ホー・ツーニェンやコラクリット・アルナーノンチャイなど、世界的に活躍する作家に加え、日本初紹介の若手作家を迎えた12組・22作品で構成されるグループ展。東南アジアの社会、生活、文化の「いま」を新しい視点でとらえ、現代社会の矛盾や混沌に向き合いながら、新たな希望や可能性を探求する表現が紹介される。

会期:2024年9月21日〜12月24日
会場:アーツ前橋
住所:群馬県前橋市千代田町5-1-16
開館時間:10:00〜18:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:水
料金:一般 1000円 / 学生・65歳以上 800円 / 高校生以下無料 ※「群馬県民の日」(10月28日)、「文化の日」(11月3日)、「世界人権デー」(12月10日)は入場無料

「みんぱく創設50周年記念特別展 吟遊詩人の世界」(国立民族学博物館)

展示風景より

 アジアやアフリカ、そして日本の吟遊詩人やそれらを成りたたせる文化を紹介するみんぱく創設50周年記念特別展「吟遊詩人の世界」が、大阪・吹田の国立民族学博物館で開幕した。レポート記事はこちら

 本展は、実行委員長である同館教授の川瀬慈を筆頭に、同館や大学の教授7人がそれぞれの専門分野における調査やフィールドワークの結果を反映。アジア、アフリカ、そして日本の吟遊詩人たちの文化が紹介されるものとなっている。

会期:2024年9月19日~12月10日
会場:国立民族学博物館 特別展示館
住所:大阪府吹田市千里万博公園10-1
開館時間:10:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:水
料金:一般 880円 / 大学生 450円 / 高校生以下 無料 

art stage OSAKA 2024(グランキューブ大阪)

 グランキューブ大阪で、アートフェア「art stage OSAKA 2024」が開催される。

 「art stage OSAKA」は、2025年の大阪・関西万博に向けて人々の心と暮らしをより豊かにする「新しい時代のアートとの向き合い方」を提案するため、大阪での国際的アート見本市として2022年に初開催された。3回目の開催となる本展では「World Art Osaka -映像がつなぐ」をテーマに駐日大使館推薦による、各国を代表するアーティストが参加。地域背景が色濃く反映される映像作品に触れる場を提供することで、国際交流や文化への理解を促進する試みとなる。

会期:2024年9月21日~9月23日
会場:グランキューブ大阪
住所:大阪府大阪市北区中之島5-3-51
開館時間:10:00~16:30 ※入場は各日終了の30分前まで
料金:一般 前売 2000円、当日 2500円 / 学生 前売・当日共通 1100円

「ART FAIR ASIA FUKUOKA 2024」(福岡国際センター)

ART FAIR ASIA FUKUOKA 2023の様子

 アジアをコンセプトとしたアートフェア「ART FAIR ASIA FUKUOKA」。その9回目となる「ART FAIR ASIA FUKUOKA 2024」が9月20日〜22日までの3日間行われる。

 今年の会場は福岡国際センター。コマーシャルギャラリーによるメインセクション「Galleries」や、企業・学校等の団体による「Collaboration」、3度目の就任となるAFAF2024 スペシャルアドバイザー・宮津大輔によるキュレーションブース「Leading ASIA」などが展開される。

 出展ギャラリーは98組(予定)で、2GIL29GALLERY(ソウル) 、Art Underground(メトロマニラ)、S&S ART PRo'J (JANE CLAIRE)(ソウル, 釡山)、ケンジタキギャラリー(名古屋, 東京)、MEDEL GALLERY SHU(東京)、Gallery Tony(ボラカイ島/フィリピン)、和田画廊(東京)などが初出展する。

会期:2024年9月20日〜22日(19日は内覧会)
会場:福岡国際センター
住所:福岡県福岡市博多区築港本町2-2
開館時間:9月19日13:00~19:00(招待者・報道関係者向け内覧会)、9月20日・21日11:00~19:00、9月22日11:00~18:00
料金:前売券 2500円 / 当日券 3000円

「Art Fair Beppu 2024」(別府国際観光港 旧フェリーさんふらわあ乗り場、BEPPU STUDIO 01、清島アパート)

 九州屈指の温泉地である大分・別府市で、アートフェア「Art Fair Beppu 2024」が開催される。会期は9月21日~24日。

 本アートフェアは昨年初回が開催されたもので、今回が2回目。ギャラリー単位で参加する一般的なアートフェアの形式とは異なり、アーティストが会場に常駐し、直接プレゼンテーションを行う形式をとる。前回は45組の出展者が参加した。今回の会場となるのは、別府国際観光港 旧フェリーさんふらわあ乗り場、BEPPU STUDIO 01、清島アパート。今年は現代アートから工芸まで、多様な表現で制作・発表する気鋭のアーティスト64組が別府に集結。また中﨑透、西野達、藤井光がゲストアーティストとして参加する。

会期:2024年9月21日~9月24日
会場:別府国際観光港 旧フェリーさんふらわあ乗り場、BEPPU STUDIO 01、清島アパート
住所:大分県別府市汐見町 9-1
開館時間:11:00~18:00(9月21日は13:00〜)
料金:2000円