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2026.7.30

「夏を乗り切る!ミュージアムグッズ10選」。ミュージアムグッズ愛好家・大澤夏美が選ぶ

暑い夏、涼やかで心地よい時間を過ごすなら、美術館へ出かけてみませんか? ひんやりと涼しい空間でアートを鑑賞できるのはもちろん、じつはミュージアムショップにも「夏を心地よく過ごすためのヒント」が詰まっています。今回は、ミュージアムグッズ愛好家の大澤夏美が、夏の暑さを乗り切れるおすすめのグッズを厳選してご紹介します。※7月31日24時まで、すべての方に全文お読みいただけます。

文=大澤夏美(ミュージアムグッズ愛好家) 撮影=編集部

ミュージアムグッズ愛好家・大澤夏美が選んだ夏を乗り切るためのおすすめグッズ
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01. オリジナルデザインボトル ミネラルウォーター(箱根ラリック美術館

ラベリングされているのは、ルネ・ラリックによる《冬景色のペンダント》と《シルフィード(風の精)のバタフライ・ブローチ》。ショップでは全6種で展開されている。各432円(税込)

 まずは、夏のミュージアムグッズ特集にふさわしい、涼やかでエレガントな一品を紹介する。箱根ラリック美術館の「オリジナルデザインボトル ミネラルウォーター」は、夏に欠かせない水分補給を優雅なひとときに変えてくれるアイテムだ。ボトルには、ルネ・ラリックが手がけた繊細なガラス工芸のモチーフがあしらわれ、涼しげな美しさを放つ。

 中身は箱根の大自然が育んだ清らかな天然水で、すっきりとまろやかな喉越しが暑い季節に心地よい。アートを携帯するような特別感があり、バッグから取り出すたびに気分が華やぐ。飲み終わったボトルは一輪挿しなどのインテリアにも活用可能だ。自分へのご褒美や夏のお土産に、涼を呼ぶアートを持ち帰ってみてはいかがだろうか。

 なお、同館ではラリックのジュエリーやガラス作品のコレクションおよそ1500点を有しており、そこから選び抜かれた230点を展示。現在は「ルネ・ラリックにみる日本とフランスの“かわいい”文化交流」展も12月6日まで開催されている。

箱根ラリック美術館
住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原186-1

02. 雪男の保冷剤「Ice Pack」(越後妻有里山現代美術館 MonET)

雪男のポージングが可愛らしい一品。各400円(税込)

 夏の厳しい暑さをユニークに乗り切るなら、「越後妻有 大地の芸術祭」の関連グッズ、雪男の保冷剤「Ice Pack」がうってつけだ。雪国・十日町市など魚沼周辺に伝わる毛むくじゃらの異獣「雪男」を思わせる、愛らしくもどこかユーモラスな佇まいが心憎い。凍らせることで、まるで雪国のひんやりとした涼しさをそのまま届けてくれるかのような頼もしさがある。

 ほてった身体を外からクールダウンさせるのはもちろん、夏の行楽や日常のお弁当に添えるのにも最適。実用的ながらクスッと笑えるアートなデザインは、ランチタイムを楽しく演出してくれる。夏のアウトドアや熱中症対策に、お土産としても喜ばれる小粋な一品だ。

 大地の芸術祭に関するグッズを取り扱う越後妻有里山現代美術館 MonETでは、連続企画展Vol.11「肥後亮祐 カンサークイーン」が8月31日まで、夏・秋の企画展示「MonETの水辺縁日―おむすびから巨大迷路まで」は11月8日まで開催されている。2026年の「大地の芸術祭」通年プログラムも越後妻有地域(新潟県十日町市、津南町)各所で実施中のため、夏休みを利用して訪れるのもよいだろう。

越後妻有里山現代美術館 MonET
住所:新潟県十日町市本町6-1-71-2

03. ガラス藤 ぐい呑み(東京国立博物館

夏の夜に冷酒を楽しみたいぐい呑み。ミュージアムショップでは全3種で展開されている。3960円(税込)

 夏の宵に、涼やかな江戸の美意識を傾ける贅沢を味わえるのが、東京国立博物館の「ガラス藤 ぐい呑み」。琳派の絵師・酒井抱一による傑作《四季花鳥図巻》に描かれた優美な藤の花をモチーフにした一品だ。職人が手吹きで仕上げた2層の色被せ硝子(いろきせがらす)に、一つひとつ手作業で彫刻を施すことで、洗練された2色のコントラストとともに立体的な図柄を浮かび上がらせている。

 ガラスのひんやりとした透明感と、手仕事ならではの温かみが同居しており、冷酒を注げば藤の花がよりいっそう艶やかにきらめく。名画をただ写すのではなく、伝統の硝子工芸の技術によって新たな機能美へと昇華させた、夏の晩酌を特別に彩るミュージアムグッズといえるだろう。

 また、同館ではこの夏、弘法大師の生誕1250年を記念した特別展「空海と真言の名宝」をメインに据え、複数の展示を実施している。鑑賞の息抜きにミュージアムショップに立ち寄るのもおすすめしたい。

東京国立博物館
住所:東京都台東区上野公園13-9

04. 折り畳み傘 エミリー・カーマ・イングワリィ《春の風景》(アーティゾン美術館

セットとなる収納袋は小さなバッグにもなる優れもの。3630円(税込)

 夏の強い日差しや突然のゲリラ豪雨をエレガントにしのぐなら、折り畳み傘「エミリー・カーマ・イングワリィ《春の風景》」を選びたい。オーストラリアの先住民アボリジナルの現代アーティスト、エミリー・カーマ・イングワリィが描いた傑作を大胆に全面へあしらった晴雨兼用の傘だ。

 一見すると色鮮やかなドットが踊る作品だが、そこに表現されているのはオーストラリアの大自然が魅せる「春の息吹」そのもの。広げるたびに、エネルギーに満ちた色彩が視界いっぱいに広がり、どんよりとした雨空や厳しい猛暑の憂鬱をパッと華やかに塗り替えてくれる。

 本商品は在庫がなくなり次第販売終了となるが、同じ作品をモチーフにしたフラットバッグもショップにて販売されているため要チェック。現在、同館ではコレクション展のほか「エットレ・ソットサス —魔法がはじまるとき、デザインは生まれる」「瀧口修造 書くことと描くこと」も10月4日までみることができる。

アーティゾン美術館
住所:東京都中央区京橋1-7-2

05. 折り畳み傘 日本風の花瓶(ポーラ美術館

160グラムと軽量で、持ち運びのしやすさも魅力。2970円(税込)

 同じく晴雨兼用傘として、ポーラ美術館の「日本風の花瓶」も外せない。オディロン・ルドンが描いた、東洋的な花瓶からあふれんばかりに咲く花々の絵画を内側にあしらった一品だ。ルドンといえばモノクロで怪奇的な作品が有名だが、本作の息をのむほど鮮やかで幻想的な色彩を見れば、その印象は180度覆る。

 先述の《春の風景》も同様だが、美術館が誇る大切な収蔵品を傘というかたちにきちんと仕立ててくれるのが美術ファンにはたまらなく嬉しい。ありふれた量産品とは一線を画す、所蔵館ならではの美学を反映した、自分だけの秘密の特等席を持ち歩くような高揚感を与えてくれる夏の名品だ。

 《日本風の花瓶》は現在コレクション展で見ることができるほか、モネの没後100年とポーラ美術館の開館25周年を記念した「あたらしい目 ― モネと21世紀のアート」展も開催されている。標高の高い場所に位置する同館は都市部よりも涼しく、避暑地としてもおすすめしたいスポットだ。

ポーラ美術館
住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285

06. 扇子 ホワイト ART VIA TOKYO(東京都美術館

カジュアルなファッションとの合わせやすさも嬉しい一品。3330円(税込)

 夏の涼をスタイリッシュに持ち運ぶ道具として、東京都美術館のオリジナルグッズ「扇子 ホワイト ART VIA TOKYO」に注目したい。同館のブランドロゴとアルファベットが白地に軽やかに散りばめられた、グラフィカルで現代的なデザインが目を引く。伝統的な和の佇まいを残しつつもモダンで、洋服にも和服にも美しく馴染むのが魅力だ。

 美術館を「アートという旅の中継地」と捉え、ここで得た刺激を糧に次へ旅立ってほしいという願いが込められた一品。場所のアイデンティティと旅の思想を、日常使いの小物へスマートに昇華させている。

 なお、東京都美術館は今年開館100周年を迎えた。それを記念する展覧会として「この場所の風景―上野・大牟田・ブエノスアイレス」「大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱~海を越えた江戸絵画」のふたつが開催されており、足を運ぶのにも絶好の機会となっている。

東京都美術館
住所:東京都台東区上野公園8-36

07. 扇子 川端龍子《草の実》(大田区立龍子記念館)

美術館などへのお出かけの際にも持ち歩きたい、上品な仕上がりの一品。2500円(税込)

 和の情趣あふれる涼を求めるなら、大田区立龍子記念館の「扇子 川端龍子《草の実》」が素晴らしい。近代日本画の巨匠による代表作を配した一品だ。本作の面白さは、最高級の金泥を用いながらも、描かれているのが「自宅近くの荒地に生い茂る雑草」という身近なモチーフである点だ。豪華絢爛さと、夜に沈みゆく草むらのリアルな気配とのギャップがたまらなく魅力的である。

 この扇子は名画のエッセンスを美しく閉じ込めているが、横幅約7.6メートルにおよぶ本物の屏風が放つ、鳥肌が立つような圧倒的スケール感は、ぜひ展示室で生で体感してほしい。旅の記憶とともに、日常に粋な涼を添えてくれる極上の夏グッズと言えるだろう。

 また、同館では名作展「彩る、生きものたち。 川端龍子の観察と想像」も8月23日まで開催中。数ある龍子作品のなかから「生きもの」をテーマとした選りすぐりを展示している。

大田区立龍子記念館
住所:東京都大田区中央4-2-1

08. 布扇子(Daiichi Sankyoくすりミュージアム)

グッズをきっかけに企業ミュージアムを訪れてみるのも良いだろう。1800円(税込)

 東京・日本橋本町は、大手製薬企業がひしめく「くすりの街」としても知られている。その歴史は徳川家康の時代にまで遡り、お触れによって薬種商が本町周辺に集められたことで、関東の薬品取引の中心地として発展した。Daiichi Sankyoくすりミュージアムが、歌川広重の《東海道五拾三次之内 日本橋 朝之景》を扇子に採用した背景にも、こうした街の深い歴史が重なる。館内にも「くすりと日本橋」のコーナーがあり、歴史のつながりを深く感じさせる一品だ。

 扇面には活気あふれる江戸の日本橋が描かれ、さりげない館のロゴが限定グッズとしての特別感を添えている。丈夫な布製で普段使いしやすく、街の歴史に思いを馳せながら涼める、知的な夏のアイテムだ。

 第一三共が運営する同ミュージアムは予約制で観覧することができる。「くすりの働きや仕組み」「くすりづくり」「くすりと日本橋」などについてインタラクティブに学ぶことができる体験型施設となっているため、大人はもちろん、ご家族で訪れるのもよいだろう。

Daiichi Sankyoくすりミュージアム
住所:東京都中央区日本橋本町3-5-1

09. ジャカードタオル 睡蓮(国立西洋美術館

「印象派」という特性をジャガード織りで再現したユニークな発想とクオリティが光る。890円(税込)

 夏の汗を拭うたびに、モネの清涼な世界に包まれる贅沢を味わえるのが、国立西洋美術館の「ジャカードタオル 睡蓮」だ。クロード・モネの傑作《睡蓮》をモチーフにした、フェイスやハンド用として使いやすい大きさのタオルだ。愛媛県今治市でつくられた特別なジャカード織であり、これまでインクジェットプリントでしか不可能とされていた繊細な絵画の再現を、先染めされた5色のパイルの織りで見事に実現している。

 プリント特有の硬さがなく、今治タオルならではの極上の肌触りと吸水性を保ちながら、モネの柔らかな光と水面の色彩が表現されている。ありふれた日常の道具を、高い技術で芸術的なアイテムへと昇華させた名品だ。

 同館では夏の企画展として「版画家レンブラント 挑戦、継承、インパクト」(〜9月23日)が開催されているほか、モネの没後100周年を機とした特集展示では、同館に収蔵・寄託されているモネの作品すべてを公開中(常設展示室内、~9月23日)。グッズもあわせて充実した鑑賞体験としてほしい。

国立西洋美術館
住所:東京都台東区上野公園7-7

10. ミニタオルハンカチ(山種美術館

苔むす庭を想起させる緑にワンポイントの黒猫が目を引く。660円(税込)

 同じタオル地でも、手元からしっとりとした和の風情を演出してくれるのが、山種美術館の「ミニタオルハンカチ」。同館で絶大な人気を誇る速水御舟の《翠苔緑芝》をモチーフにした一品だ。もとの作品は、大胆な余白を活かした構図と涼やかな色彩が美しく、日本の夏を感じさせてくれる。その画面に描かれた愛らしい黒猫がワンポイントの刺繍としてお洒落にあしらわれており、洗練された美意識が光る。

 パイル地は吸水性も申し分なく、価格も手頃であるため、夏のちょっとしたギフトにも最適だ。名画の美しい空気感を日常で気軽に楽しめるアイテムとして、カバンにそっと忍ばせたい。

 なお、同館では8月8日より開館60周年を記念した特別展「奥村土牛―名作でたどる100年のあゆみ―」が開催される。屈指の土牛コレクションを誇る同館の優品が展示され、初期から最晩年に至る活動を通覧することが可能だ。

山種美術館
住所:東京都渋谷区広尾3-12-36