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2026.7.10

暑い日でも快適に巡ることができる都内の駅チカ美術館まとめ

暑い日でも快適に巡ることができる都内の駅直結、または駅から徒歩数分の美術館と開催中の展覧会をまとめた。※7月11日24時まですべての方に全文お読みいただけます

サントリー美術館が入居する東京ミッドタウンの外観。地下鉄六本木駅より地下道で直結している
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駅直結の美術館

  まずは屋外を通ることなく行ける、駅直結の美術館をピックアップ。

東京ステーションギャラリー

  東京ステーションギャラリーは、JR東京駅丸の内駅舎内にある。現在は「生誕130年 前田寛治 ポエジイとレアリスム 一九三〇年協会設立100年」(東京ステーションギャラリー)(~8月30日)が開催されている。レポートはこちら

東京ステーションギャラリーの外観
「生誕130年 前田寛治 ポエジイとレアリスム 一九三〇年協会設立100年」(東京ステーションギャラリー)(~8月30日)展示風景より、中央左が前田寛治《裸婦》(1925)、中央が前田寛治《仰臥裸婦》(1925)、中央左が前田寛治《西洋婦人像》(1925頃)

 本展は詩情(ポエジイ)と写実(レアリスム)の両立を追求した画家・前田寛治(1896〜1930)の画業を振り返るとともに、「一九三〇年協会」の画家たちの作品もあわせて紹介。日本近代洋画における前田の位置づけを、同時代の動向とともに再考する展覧会だ。

サントリー美術館

 地下鉄の六本木駅に直結している東京ミッドタウン。そのガレリア3階にあるサントリー美術館では、「眼のごちそう 食器」(〜8月30日)が開催中だ。

サントリー美術館が入居する東京ミッドタウン

 食器は、料理を盛るための道具であると同時に、素材、造形、装飾に美意識が凝縮された存在でもある。とりわけ日本では、季節感やもてなしの心が器の選択に反映されてきた。本展は、器という身近な存在を、美術と生活文化の両面から捉え直す試みだ。視覚的な美しさに着目しつつ、食と美術の関係を丁寧に読み解く。日常のなかに潜む美の在り方を再発見する展覧会となっている。

森美術館

  また同じく六本木駅に直結する森美術館では、現在「ロン・ミュエク」展(~9月23日)が開催されている。レポートはこちら

ロン・ミュエク《マス》(2016〜17)合成ポリマー塗料、ファイバーグラス サイズ可変 ビクトリア国立博物館

 ロン・ミュエクは、1958年オーストラリア・メルボルン生まれ。革新的な素材や技法、表現方法を用いて人物を中心とした具象彫刻の可能性を押し広げてきた現代美術作家だ。本展は、ミュエクとカルティエ現代美術財団との長きに渡る関係性によって企画されたもの。日本初公開の6点を含む、初期の代表作から近作まで11点が展示され、作品の発展の軌跡を辿ることができる内容となっている。

駅から徒歩5分圏内の美術館

 続いて駅から徒歩5分圏内で行くことができる美術館も紹介する。

国立西洋美術館

 JR上野駅公園口から徒歩1分の位置にある国立西洋美術館では「版画家レンブラント 挑戦、継承、インパクト」(〜9月23日)が開催されている。レポートはこちら

国立西洋美術館 外観
「版画家レンブラント 挑戦、継承、インパクト」(国立西洋美術館)展示風景より、レンブラント・ファン・レイン《書斎の学者(ファウスト)》(1652頃)エッチング、ビュラン、ドライポイント 国立西洋美術館

 本展は、誰もが知る17世紀オランダを代表する画家、レンブラント・ファン・レインの「版画家」としての側面に光を当てるもの。オランダ・アムステルダムのレンブラント・ハウス美術館と国立西洋美術館が所蔵するレンブラントの銅版画を中心に展示することで、その表現の豊かさを紹介するとともに、後世への影響についても17〜20世紀にかけての様々な後進作家の実作の展示によって考察できる展覧会だ。

 東京国立近代美術館

  東西線・竹橋駅の1b出口からすぐのロケーションで、皇居に隣接する国立近代美術館では、杉本博司の大規模回顧展「杉本博司 絶滅写真」(〜9月13日)が開催中。会場レポートはこちら

東京国立近代美術館 本館 外観
「杉本博司 絶滅写真」( 東京国立近代美術館)展示風景より、杉本博司「海景」シリーズ ©︎Hiroshi Sugimoto / Courtesy pf Gallery Koyanagi

 これまで多数の美術館個展を国内外で行ってきた杉本。本展は、写真作品のみで構成される国内の美術館個展としては、森美術館「杉本博司:時間の終わり」(2005)以来、21年ぶりとなる。デジタル化によって銀塩写真が急速に姿を消しつつあるいま、杉本はなぜタイトルに「絶滅」という言葉を掲げたのか。そこにはデジタル技術の普及によって急速に失われつつある銀塩写真というメディアの終焉と、作家自身の人生の終焉という2つの意味が込められているという。いっぽうで、本展はメディアによる表現の可能性を拡張してきた作品を見通すことで、何が本当に絶滅しようとしているのか、という問いを投げかけている。

アーティゾン美術館

 東京メトロ銀座線・京橋駅から徒歩すぐのアーティゾン美術館では、「エットレ・ソットサス —魔法がはじまるとき、デザインは生まれる」(〜10月4日)が開幕中。レポートはこちら

「エットレ・ソットサス —魔法がはじまるとき、デザインは生まれる」(アーティゾン美術館)展示風景より、エットレ・ソットサスによる18点の花瓶シリーズ

 ソットサスは1917年、オーストリア・インスブルック生まれ。1950年代からオリベッティやポルトロノーヴァのために数々の名作を手がけ、80年代には自身が発起人となって国際的なデザイナー集団「メンフィス」を結成。大胆な色彩と形態によるデザインの数々でセンセーションを巻き起こした。石橋財団ではソットサスの作品を重点的に収集。ジャンルは家具、セラミック、機器類、ガラス器、写真、ドローイングなど多岐にわたり、現在100点を超える一大コレクションとなっている。本展は、アーティゾン美術館にとって初のデザイン展であり、ソットサス作品群を一挙に公開する初の機会だ。

東京都写真美術館

 JR恵比寿駅の東口から動く通路「恵比寿スカイウォーク」を通り抜けてたどり着く東京都写真美術館では、「出光真子 おんなのさくひん──ある映像作家の自伝」(〜9月21日)が開催されている。会場レポートはこちら

東京都写真美術館 外観
「出光真子 おんなのさくひん──ある映像作家の自伝」(〜9月21日)展示風景より、出光真子《Still Life》(1993〜2000)インスタレーション 東京都写真美術館

 出光真子は、日本における実験映画およびビデオアートの先駆的な作家だ。60年代にアメリカ・サンタモニカに滞在し映像制作を開始。抽象画家のサム・フランシスと結婚後、2児の母としての生活のなかで、「娘、妻、母」という社会的役割とアーティストとしての自己の葛藤を鋭い観察眼で表現してきた。なかでも70年代以降のビデオ作品では、モニター内に別のモニターを映し込む独自の「マコ・スタイル」を確立。テレビ・メロドラマの手法を取り入れながら、女性の生き方や家族、メディアと社会の関係を問い続けてきた。 本展は、同館が2016〜17年度にかけて収蔵したフィルム、ビデオ、インスタレーションを含む作品群を、展示と上映によって網羅的に公開する収蔵後初の機会。出光の代表作を紹介しながら、その30年以上にわたる表現をたどる構成となっている。

SOMPO美術館

 JR新宿駅西口の地下通路を通って行けるSOMPO美術館では、印刷技術の革新が進んだ大正時代の独特なデザインやイラストレーションに焦点を当てた「開館50周年記念 山口華楊展」(〜8月30日)が7月11日に開幕する。

 日本画家・山口華楊(1899〜1984)は、京都の友禅職人の家に生まれた。1912年、西村五雲(1877〜1938)に入門し、17歳で文展に初入選。以後、官展を中心に展覧会への出品をかさねる。五雲が没した年に島社を再興。43年、海軍省派遣画家としてジャワ方面に従軍した。戦後は日展と長島社展で作品を発表する。81年、文化勲章を受章。82年にはバリのチェルススキ美術館で個展が開催され「偉大なる現代の動物画家」と評価された。本展は、同館が収蔵する山口の代表作3点を中心として、初期から晩年までの画業をたどる。京都ではなじみの深い山口の、東京では27年ぶりの回顧展となる。