ハンス・ウェグナー展　至高のクラフツマンシップ

　渋谷ヒカリエ9階のヒカリエホールで「織田コレクション　ハンス・ウェグナー展　至高のクラフツマンシップ」が開催される。

　ハンス・ウェグナーはデンマークとドイツの国境の町トゥナー生まれ。18歳で家具職人の資格を取得し、1938年頃からデザイナーとして活動を始めた。40年にはアルネ・ヤコブセンとエリック・モラーが手がけたオーフス市庁舎の建築プロジェクトに参加し、家具デザインを担当。その後、ヨハネス・ハンセン社など数多くの家具メーカーと協働し、ミッドセンチュリー期を中心に多くの名作椅子を発表した。

　ウェグナーは家具職人としての卓越した技術と素材理解をもとに、生涯で500脚以上の椅子を生み出した。代表作には《ザ・チェア》（1949）や《Yチェア》（1950）などがあり、20世紀の家具デザイン史における重要な位置を占める。

　本展は、世界的な椅子研究家であり、北欧を中心とした近代家具のコレクターでもある織田憲嗣のコレクションを有する北海道東川町の協力のもと開催される。約160点の椅子をはじめとする家具などを一堂に展示。会場構成は建築家・田根剛（ATTA）が手がけ、豊富な作品群と関連資料を通して、ウェグナーの功績とデザイン哲学を紹介する。