小宮太郎、須藤美沙「かくして見る - Curated Void -」

　Set Spaceで、小宮太郎、須藤美沙による展覧会「かくして見る - Curated Void -」が開催されている。

　今年9月、中之条町に新たに誕生したスペース「Set Space」は、こけら落とし企画として小宮太郎と須藤美沙による展覧会を開催。

　小宮は、高速回転して残像を伴うオブジェや、マスキングテープによる騙し絵などの錯視を利用し、見ているものと見えているものの認識のズレに介入する。いっぽう、須藤は、紙に無数の穴を開ける行為を通じて、惑星や銀河といったモチーフに立体感や質感が宿るようなイメージを生み出している。

　本展では「穴」や「窓」といった媒介的な開口部を通じて、見ることの不確かさ、視点の偏り、そして「見づらさ」に注目する。小宮と須藤の作品を通じて、見えるものと見えないものが交差する場が立ち現れたとき、世界との関係を改めて捉え直す機会となる。

　今回の展示は、アーティストとキュレーターの協働によって、同スペースと呼応しながら構築された、感性の再構築に向けた試みとなっている。