EXHIBITIONS
「美人画」再読 —麗しい人の系譜
実践女子大学香雪記念資料館で「『美人画』再読 —麗しい人の系譜」が開催されている。
20世紀に入って一般化された「美人画」。江戸時代には中国の教養ある「文人」を理想とし、それを女性にもあてはめ、書物を読み書画を楽しむ女性の姿を中国風の「唐美人」や日本の女性として描き鑑賞した。
近代になると西洋文化の影響のもとに、容貌や若さが「美人」の条件とみなされるようになる。男女の性別役割分担によって、女性は受動的な存在とされ、絵画でも頼りなげな女性や愛らしい女児の姿が好まれるようになった。逆に、こうした主題が女性にふさわしいとされたことから、池田蕉園や栗原玉葉ら女性画家たちが積極的に描き、活躍の場を得た。
しかしながら女性だけではなく、古くは《菊慈童》といった少年を鑑賞する主題があった。また西洋美術の基本は人体の正確な表現であったが、西洋でも当初は女性が成人男性を描くことは一般的ではないなか、洋画家・岡村政子は少年たちの身体を群像として表わした。高畠華宵は、健康な身体に少女のような大きな瞳や長いまつげを持つ少年たちを描いて人気を博した。
美しい人の基準、それを表現する方法は様々で、そのジェンダーもひとつではない。本展では、美人を「麗しい人」と読み替え、その歴史と多様性について考える。
20世紀に入って一般化された「美人画」。江戸時代には中国の教養ある「文人」を理想とし、それを女性にもあてはめ、書物を読み書画を楽しむ女性の姿を中国風の「唐美人」や日本の女性として描き鑑賞した。
近代になると西洋文化の影響のもとに、容貌や若さが「美人」の条件とみなされるようになる。男女の性別役割分担によって、女性は受動的な存在とされ、絵画でも頼りなげな女性や愛らしい女児の姿が好まれるようになった。逆に、こうした主題が女性にふさわしいとされたことから、池田蕉園や栗原玉葉ら女性画家たちが積極的に描き、活躍の場を得た。
しかしながら女性だけではなく、古くは《菊慈童》といった少年を鑑賞する主題があった。また西洋美術の基本は人体の正確な表現であったが、西洋でも当初は女性が成人男性を描くことは一般的ではないなか、洋画家・岡村政子は少年たちの身体を群像として表わした。高畠華宵は、健康な身体に少女のような大きな瞳や長いまつげを持つ少年たちを描いて人気を博した。
美しい人の基準、それを表現する方法は様々で、そのジェンダーもひとつではない。本展では、美人を「麗しい人」と読み替え、その歴史と多様性について考える。