EXHIBITIONS
remake the world
まえばしガレリア ギャラリー2で、Art Office Shiobaraとrin art associationによる合同企画展「remake the world」が開催されている。
バブル崩壊以降、徐々に「地方再生」という言葉が各地で用いられ、都市再生にちなんだ取り組みがそれぞれの街で行われている。前橋市においては、市内出身のコピーライター・糸井重里が手がけた「めぶく」をコンセプトに、文化振興を基軸とした再生プロジェクトを2016年に開始以降、徐々に全国へ浸透させている。現在も新しい文化施設が前橋中心街にオープンしている。
本展は、「前に進むことの重要性」に加え、「過去と現在を再考する意義」への問いかけと、これからの街のあり方の共有を目的として、Art Office Shiobaraの塩原将志とrin art associationの原田崇人の2名により企画されたという。出展作家は、アッシューム・ヴィヴィット・アストロ・フォーカス、ジャンリュック・モーマン、マーク・ティッチナー、オスカー・ムリーリョ、Chim↑Pom from Smappa!Group、やんツー、Naze、ぼく脳。
新宿歌舞伎町の再開発にともない取り壊わされたビルを作品化したChim↑Pom from Smappa!Groupの代表作《ビル・バーガー》がモニュメンタルに8メートルの吹き抜けスペースに出現し、都市再生のあり方を考察させる。やんツーの絵画作品では、自身が開発したドローイングマシンを用いて、メディアアートの分野からメディアアートの概念の根幹であるテクノロジーの進歩や資本主義のあり方に揺さぶりをかける。また、グラフティーアーティスト・Nazeの作品に込められた言葉「WASURETAKOTOWOWASURENAIDE」は、観者を自問による永遠の思想世界に導く。ぼく脳はSNSにてファッション、アートなどの様々なジャンルの境界を横断しながら大喜利のように観者の思考を有効にずらしていく。
オスカー・ムリーリョの《SQ317(68,500f)》は、帰国のための経由地シンガポールでの自身の体験がもとになっている。母国コロンビアと訪れた国や都市が持つ共通の歴史や問題が描かれ、異なる時と場所で制作されたキャンバスのコラージュからなる大型の絵画作品は、現代においての本質的な多様性のあり方を示唆する。ジャンリュック・モーマンの絵画は、ヒップホップやコミックブックなどのユースカルチャーの影響を吸収し、対象の構図のなかに視覚的なウイルスが無限に自己増殖するかのようなイメージを反復させている。さらに、マーク・ティッチナーは、街にありふれた企業広告や労働組合の旗、プログレや政治的プロパガンダなどのフレーズを引用し折衷化することで、一見理想主義を掲げたような強いメッセージの本質を問いかける。そして、異なる国籍を持つふたりで結成されたアッシューム・ヴィヴィット・アストロ・フォーカスは、視覚的なメディアと音楽をパフォーマティブに融合させ、生命への欲望と言論や市民権の制限、アイデンティティの厳格な分類(共有・拡散・吸収・汚染・侵害・堕落の自由)に対する挑戦的な表現を続けている。
本展では、国内外の様々な文脈で活躍する作家が都市再生の理想的なあり方を観者に考察させるものとなっている。ここでの都市の再生とは、死に直面した街に酸素吸入して生還させること。寝たきり状態から起き上がらせること。人が歩いている街、人が集える場所がある街を地域に関わる全員でつくり直していくことを指す。現在の前橋はこのような昨今までの取り組みが成果を上げているといえるのか。本展が地域に関わる多くの人に理想的な街づくりのあり方を再考する場として機能することが目指されている。
バブル崩壊以降、徐々に「地方再生」という言葉が各地で用いられ、都市再生にちなんだ取り組みがそれぞれの街で行われている。前橋市においては、市内出身のコピーライター・糸井重里が手がけた「めぶく」をコンセプトに、文化振興を基軸とした再生プロジェクトを2016年に開始以降、徐々に全国へ浸透させている。現在も新しい文化施設が前橋中心街にオープンしている。
本展は、「前に進むことの重要性」に加え、「過去と現在を再考する意義」への問いかけと、これからの街のあり方の共有を目的として、Art Office Shiobaraの塩原将志とrin art associationの原田崇人の2名により企画されたという。出展作家は、アッシューム・ヴィヴィット・アストロ・フォーカス、ジャンリュック・モーマン、マーク・ティッチナー、オスカー・ムリーリョ、Chim↑Pom from Smappa!Group、やんツー、Naze、ぼく脳。
新宿歌舞伎町の再開発にともない取り壊わされたビルを作品化したChim↑Pom from Smappa!Groupの代表作《ビル・バーガー》がモニュメンタルに8メートルの吹き抜けスペースに出現し、都市再生のあり方を考察させる。やんツーの絵画作品では、自身が開発したドローイングマシンを用いて、メディアアートの分野からメディアアートの概念の根幹であるテクノロジーの進歩や資本主義のあり方に揺さぶりをかける。また、グラフティーアーティスト・Nazeの作品に込められた言葉「WASURETAKOTOWOWASURENAIDE」は、観者を自問による永遠の思想世界に導く。ぼく脳はSNSにてファッション、アートなどの様々なジャンルの境界を横断しながら大喜利のように観者の思考を有効にずらしていく。
オスカー・ムリーリョの《SQ317(68,500f)》は、帰国のための経由地シンガポールでの自身の体験がもとになっている。母国コロンビアと訪れた国や都市が持つ共通の歴史や問題が描かれ、異なる時と場所で制作されたキャンバスのコラージュからなる大型の絵画作品は、現代においての本質的な多様性のあり方を示唆する。ジャンリュック・モーマンの絵画は、ヒップホップやコミックブックなどのユースカルチャーの影響を吸収し、対象の構図のなかに視覚的なウイルスが無限に自己増殖するかのようなイメージを反復させている。さらに、マーク・ティッチナーは、街にありふれた企業広告や労働組合の旗、プログレや政治的プロパガンダなどのフレーズを引用し折衷化することで、一見理想主義を掲げたような強いメッセージの本質を問いかける。そして、異なる国籍を持つふたりで結成されたアッシューム・ヴィヴィット・アストロ・フォーカスは、視覚的なメディアと音楽をパフォーマティブに融合させ、生命への欲望と言論や市民権の制限、アイデンティティの厳格な分類(共有・拡散・吸収・汚染・侵害・堕落の自由)に対する挑戦的な表現を続けている。
本展では、国内外の様々な文脈で活躍する作家が都市再生の理想的なあり方を観者に考察させるものとなっている。ここでの都市の再生とは、死に直面した街に酸素吸入して生還させること。寝たきり状態から起き上がらせること。人が歩いている街、人が集える場所がある街を地域に関わる全員でつくり直していくことを指す。現在の前橋はこのような昨今までの取り組みが成果を上げているといえるのか。本展が地域に関わる多くの人に理想的な街づくりのあり方を再考する場として機能することが目指されている。