石見の祈りと美―未来へつなぐ中世の宝―

　島根県立石見美術館で、開館20周年を記念した企画展「石見の祈りと美―未来へつなぐ中世の宝―」が開催されている。

　日本の平安時代末期から安土桃山時代の中世には、現在の島根県西部にあたる石見地域においても豊かな文化が花開き、多くの美術工芸品が制作された。それらはなぜ生み出され、どのような役割を持っていたのか。その疑問を紐解いていくと、当時の人々の価値観や美意識にふれることができるかもしれない。

　本展では、重要文化財16点を含む約60点にのぼる中世の石見地域ゆかりの美術工芸品を4つの章に分けて展示し、それらが制作された背景、果たしていた役割、後世へ守り伝えられた営みについて考える。