EXHIBITIONS
舟を呼び、舟に呼ばれる
京都場で「舟を呼び、舟に呼ばれる」が開催されている。
本展の出展作家は、安藤榮作、黒宮菜菜、嶋田ケンジ、中津川浩章、米谷健+ジュリア。展覧会に際し、京都場館長・仲野泰生(元川崎市岡本太郎美術館学芸員)は次のように述べている。
「現代社会だけでなく古代社会においてさえ人間・表現者は『舟』をメタファー、隠喩として様々に使ってきたのではないだろうか。
日本列島は海に囲まれている。縄文の時代から丸木舟による海洋文化の交流は盛んであっただろう。また日本には『戸板一枚下地獄』という言葉がある。この言葉から日本人が、自然からの豊穣の裏側に自然の脅威を感じながら生活し続けてきた民族であったことがわかる。それは古代日本の神話世界においても同様だったろう。異界との交流においてさえ。
今回、京都場は現代の日本人に向けて舟をテーマに制作している5人の作家を紹介する。
黒宮菜菜は『舟をテーマに展覧会をやりたい』と言い、展覧会の端緒を開いてくれた作家。最近は古代日本の記紀万葉の言葉や古墳時代の壁画などのイメージから自身の作品を制作している。安藤榮作は手斧で木を刻み、打痕の集積で作品をつくっている。2016年『約束の船』という個展を開催。東日本大震災からの海との関わりの作品も多い。
中津川浩章は『舟』というモチーフを『樹木』と同じくらい大切に考えている。フィンランドで展示した作品《光の船団》はタイトルからも彼のメッセージが読み取れる。米谷健&ジュリアは昨年の『明日の遺跡』という架空の古代遺物を野焼きで創作して縄文やシュメールを想起させながらも現代の私たちに警鐘を鳴らしている。嶋田ケンジは旧約聖書の『ノアの方舟』から現在は主に『テセウスの舟』のシリーズを制作。パラドックスの語源にもなっているギリシャ神話の舟を陶芸でつくる。混迷の現代、私たちを乗せた舟は何処に向かうのだろうか」(展覧会ウェブサイトより)。
本展の出展作家は、安藤榮作、黒宮菜菜、嶋田ケンジ、中津川浩章、米谷健+ジュリア。展覧会に際し、京都場館長・仲野泰生(元川崎市岡本太郎美術館学芸員)は次のように述べている。
「現代社会だけでなく古代社会においてさえ人間・表現者は『舟』をメタファー、隠喩として様々に使ってきたのではないだろうか。
日本列島は海に囲まれている。縄文の時代から丸木舟による海洋文化の交流は盛んであっただろう。また日本には『戸板一枚下地獄』という言葉がある。この言葉から日本人が、自然からの豊穣の裏側に自然の脅威を感じながら生活し続けてきた民族であったことがわかる。それは古代日本の神話世界においても同様だったろう。異界との交流においてさえ。
今回、京都場は現代の日本人に向けて舟をテーマに制作している5人の作家を紹介する。
黒宮菜菜は『舟をテーマに展覧会をやりたい』と言い、展覧会の端緒を開いてくれた作家。最近は古代日本の記紀万葉の言葉や古墳時代の壁画などのイメージから自身の作品を制作している。安藤榮作は手斧で木を刻み、打痕の集積で作品をつくっている。2016年『約束の船』という個展を開催。東日本大震災からの海との関わりの作品も多い。
中津川浩章は『舟』というモチーフを『樹木』と同じくらい大切に考えている。フィンランドで展示した作品《光の船団》はタイトルからも彼のメッセージが読み取れる。米谷健&ジュリアは昨年の『明日の遺跡』という架空の古代遺物を野焼きで創作して縄文やシュメールを想起させながらも現代の私たちに警鐘を鳴らしている。嶋田ケンジは旧約聖書の『ノアの方舟』から現在は主に『テセウスの舟』のシリーズを制作。パラドックスの語源にもなっているギリシャ神話の舟を陶芸でつくる。混迷の現代、私たちを乗せた舟は何処に向かうのだろうか」(展覧会ウェブサイトより)。