高山夏希「推力の鳴く弧の此方」

　WALL_shinjukuで、高山夏希による個展「推力の鳴く弧の此方」が開催されている。

　MEET YOUR ARTは「新しい手法でアート／とくに若手アーティストとの出会いを設計すること」を理念に、様々なアートプロジェクトを展開してきた。昨年11月には多くのアーティストを紹介するための壁をつくっていくことを目的に、アートスペース「WALL_alternative」を東京・西麻布にオープン。

　今回、世界一の乗降客数を誇る新宿駅（東南口）から徒歩1分のロケーションに、MEET YOUR ART／WALL_alternativeとルミネ新宿のコラボレーションによる新たなアートスペース「WALL_Shinjuku」が誕生。

　WALL_shinjukuでは、ルミネ新宿が兼ねてより大切にしてきた「言葉で心を捉えるコピー」を原点とし、MEET YOUR ARTが企画をプロデュース、新進気鋭の女性アーティストによる展示企画をシーズンごとに開催し、アート作品を言葉とともに展示、販売する。

　記念すべき初回展示となる今回は、高山夏希の個展を開催。

　高山夏希は1990年東京都生まれ。平面作品を中心に、注射器などでアクリル絵具を射出する手法を駆使して絵画を描いている。流れる粒子のように絵具を扱い、それらを積層させてから彫刻刀などで削り出すなど、触覚的あるいは彫刻的ともいえる手法を用いて制作。現代のなかで失われてしまった様々な物体と人間の関係の回復を試みるように、マテリアルへの感触を表現へと昇華してきた。人・動物・モノ・環境などが一体性をもった自然観をもとに作品世界が展開される。

　高山が本展のためにアートと言葉との関係性を再考し、描き下ろした新作4点とともに言葉を展示している。