EXHIBITIONS

苅部太郎、中田拓法、MANA HIRAI、森綾乃「リップル」

Up & Coming
2024.07.06 - 08.04

メインビジュアル

 Up & Coming で、苅部太郎、中田拓法、MANA HIRAI、森綾乃による展覧会「リップル」が開催されている。

 写真表現、絵画表現は、多岐にわたる外的要因によって揺れ動く。その構造的なエッセンスとして、作為と無作為がある。写真表現は、レンズに映るものすべてを光によって描き出す無作為性に、その特性があると言える。いっぽう、絵画表現は、作者の作為が強く反映される。作者はキャンバスなどの支持体に一から世界を構築する。この対比関係ゆえに、お互いがその独自性に憧れ、領域を横断することで、多様な表現が生まれてきたともいえる。

 本展は、上述の流れを踏まえながら、それぞれのメディアにおける既存の作為と無作為の定義を探り、時には疑問を抱きながらも、それぞれの表現手法を模索することで、新たな視点を提案するアーティストによって構成されている。

 また、本展へ向け、メンバーそれぞれが「リップル」というキーワードからインスピレーションを得て、作品を一点制作した。作品のアイデア段階から、展示メンバーは対話を重ね、その過程でアイデアが広がり、深まり、結びついた。それは各々の独立性を保ちながらも、展覧会という限られた場で、大きな振幅を得るための取り組みとなっている。