黒坂祐「ポリフォニックな眺め」

　KATSUYA SUSUKI GALLERYで、黒坂祐による個展「ポリフォニックな眺め」が開催される。

　2017年に東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻を卒業し、2019年に同大学大学院美術研究科絵画専攻を修了した黒坂は、自身のD型色覚（2型2色覚）という、いわゆる色弱であるという境遇から、「見る」ということを様々な視点から考察し、近年では「眺め」と「見分け」という観点から色をとらえるということを模索した作品を発表してきた。

　本展では、パウル・クレーの「ポリフォニー絵画」をヒントにした新作を発表。これまでの「眺め」と「見分け」に、音楽の形式であるポリフォニーを取り入れることで、これまで以上に自由を感じながら「色」に対して向きあうことができたと黒坂は語る。

　さらに本展では、自身の色覚と違った画家と共作することで、個人で制作したときとは違った、新たなせめぎあいをキャンバス上に生じさせ、予測不可能な響きあいによって生み出された作品など、黒坂祐の新たな取り組みに挑んだ作品を発表。