2025.10.2

「チームラボ バイオヴォルテックス 京都」が誕生。屋内施設では国内最大規模

10月7日、京都駅から徒歩圏内の場所に「チームラボ バイオヴォルテックス 京都」が誕生する。1万平米の展示面積のなかに50以上の作品が展開するこの施設の見どころとは?

文=橋爪勇介(ウェブ版「美術手帖」編集長)

チームラボ 変容する連続体 © チームラボ
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 展示面積は約1万平米、通常のスピードで回ると鑑賞所要時間は約4時間──国内の屋内施設では最大となるチームラボの新たな常設ミュージアム「チームラボ バイオヴォルテックス 京都」がオープンを迎える。

 この施設は、京都市が京都駅東南部エリアにおける市有地で実施する「新たな価値を生み出す『創造・発信拠点』となる施設」を設置、運営するプロジェクトの一環としてつくられたもの。チームラボは、アートミュージアムのほか、アートギャラリー、市民ギャラリー、カフェなどの施設を計画しており、プロジェクトを通して京都市の文化芸術や若者を基軸としたまちづくりの推進に貢献するとしている。

エントランス

 チームラボにとっても念願の京都における常設施設となった同館は、3フロア(建築は5フロア)。

 これまでのチームラボ施設でも展開されてきた《メガリス》や《Infinite Crystal World》《呼応するランプの森:One Stroke - a Year in the Mountain》《花と人、コントロールできないけれども共に生きる》などはもちろんのこと、「環境が現象を生み、その現象が存在を創る」という「環境現象」をコンセプトにした日本初公開作品《質量も形もない彫刻》などの新作、そして教育的なプロジェクトをテーマとした、複雑で立体的な創造的運動空間「運動の森」や、共創(共同的な創造性)のための「学ぶ!未来の遊園地」、スケッチファクトリーなど、50以上の作品群で構成されている。

チームラボ メガリス © チームラボ
チームラボ Infinite Crystal World © チームラボ
チームラボ 呼応するランプの森:One Stroke - a Year in the Mountains © チームラボ
チームラボ 連続する生と死 © チームラボ
チームラボ 質量も形もない彫刻 © チームラボ

 国内はもとより、海外でも精力的に活動を展開するチームラボ。今年に入ってからはアブダビにミュージアム「teamLab Phenomena Abu Dhabi」もオープンさせた。

 AIをはじめとするテクノロジーが急速に発展し、デジタル世界に身を置く比重が高まる現代。そうしたなかでチームラボがこだわり続けてきたのは、鑑賞者の身体による立体思考と、それによるデジタルへの関わりだ。

 チームラボ代表の猪子寿之はこう語る。「自分と世界は関係し合っており、世界の一部であるということや、他者が生きているということ、そしてこの世界を肯定できるようなことを、言葉ではできない体験を通して、他者とともに認識することが重要だと思う」。

チームラボ 憑依する滝 © チームラボ
チームラボ The Eternal Universe of Words © チームラボ
チームラボ 呼応する小宇宙 - 固形化された光の色 © チームラボ
チームラボ あおむしハウスの高速回転跳ね球 © チームラボ
チームラボ こびとが住まうテーブル © チームラボ
チームラボ スケッチオーシャン © チームラボ