2026.8.28

イリス・ヴァン・ヘルペンとペリエ ジュエが出会うとき。Tokyo Gendaiで世界初披露される「目に見えない美しさ」

自然、アート、科学を横断しながら、オートクチュールの可能性を拡張してきたイリス・ヴァン・ヘルペン。その創造性と、200年以上にわたり自然とアートを大切にしてきたシャンパーニュメゾン、ペリエ ジュエが出会い、新たなアートコラボレーションが誕生した。9月11日〜13日(VIPプレビューおよびヴェルニサージュは9月10日開催)にパシフィコ横浜で開催される国際現代アートフェア「Tokyo Gendai」で世界初披露される。

世界に1点だけのコレクターズピース「シンフォニック ブルーム」
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 波打つようなドレス、身体を取り巻く有機的なフォルム、そして最新技術と伝統的なクラフツマンシップの融合。オランダ出身のオートクチュールデザイナー、イリス・ヴァン・ヘルペンは、ファッションという領域を超え、自然、科学、建築、ダンスなどを交差させながら独自の世界を切り拓いてきた。

 そのヴァン・ヘルペンと、シャンパーニュメゾン「ペリエ ジュエ」によるアートコラボレーションが実現した。9月11日〜13日にパシフィコ横浜で開催される「Tokyo Gendai」のペリエ ジュエブースで、3つのアートコラボレーションボトルが世界で初めて披露される。両者をつないだのは、「自然」という共通言語だ。

ペリエ ジュエ第8代最高醸造責任者セヴリーヌ・フレルソンとともに、ペリエ ジュエのブドウ畑を訪れたイリス・ヴァン・ヘルペン

 1811年にフランス・エペルネで創業したペリエ ジュエは、創業以来、自然とアートからインスピレーションを受けてきたメゾンとして知られる。象徴的なのが、アール・ヌーヴォーを代表する芸術家エミール・ガレとの1902年のコラボレーションだ。ガレが描いた白いジャパニーズ・アネモネ(秋明菊)は、現在に至るまでペリエ ジュエを象徴するモチーフとして受け継がれている。

 近年もダニエル・アーシャムや三嶋りつ惠、東信、ヴィヴィアン・サッセン、フォルマファンタズマなど、様々な表現者との協働を続けてきた。

 いっぽうのヴァン・ヘルペンもまた、自然界に潜む構造や運動を自身のクリエーションへと取り込んできた。2025年12月には「Perrier-Jouët Design for Nature Award」を受賞。これを契機として、ペリエ ジュエ第8代最高醸造責任者セヴリーヌ・フレルソンとの対話から今回のプロジェクトが始まった。

イリス・ヴァン・ヘルペンと「シンフォニック ライフ」
スケッチを描くイリス・ヴァン・ヘルペン

テーマは、「目に見えない美しさを解き放つ」

 「目に見えない美しさを解き放つ」というテーマのもと、生み出されたのは3つのアートコラボレーションボトル。そのひとつが、11月に発売される世界限定1万本の「ペリエ ジュエ ベル エポック 2018 リミテッドエディション by イリス・ヴァン・ヘルペン」だ。

 このキュヴェのために特別なリキュール・ド・ドザージュが考案され、ボトルとギフトボックスにはヴァン・ヘルペンによる新たなアネモネのデザインが施された。流れるように広がる有機的な線は、「あらゆる生命をつなぐ目には見えない力」をイメージしたもの。約120年前にガレがペリエ ジュエのために描いたアネモネを、ヴァン・ヘルペンが現代の感覚で再解釈したかのようでもある。

ペリエ ジュエ ベル エポック 2018 リミテッドエディション by イリス・ヴァン・ヘルペン

 今回のコラボレーションのハイライトとなるのが、世界に1点だけのコレクターズアートピース「シンフォニック ブルーム(Symphonic Bloom)」だ。

 ヴァン・ヘルペンが着目したのは、音の振動によって生まれる形態「サイマティクス」。ペリエ ジュエのブドウ畑から着想を得た研究をもとに、自然界に存在する目には見えない振動を彫刻的なフォルムへと変換した。

 シルクとリサイクルされた22Kゴールドによる幾層もの造形が、希少な「ペリエ ジュエ ベル エポック 1988」のジェロボアムボトルを包み込む。その姿には、植物にも波にも、あるいは身体の動きにも見えるヴァン・ヘルペンらしい流動性が宿る。アール・ヌーヴォーの美学に加え、ダンサーのロイ・フラーから着想した彫刻家ラウル・ラルシュのランプへのオマージュも込められているという。

「シンフォニック ブルーム」
「シンフォニック ブルーム」(部分)

 さらに、同じデザイン思想を受け継いだ世界限定10点の「シンフォニック ライフ(Symphonic Life)」も登場。こちらでは、オートクチュールを思わせるシルクとリサイクル22Kゴールドの造形が、「ペリエ ジュエ ベル エポック 1999」のマグナムボトルを包む。

「シンフォニック ライフ」
「シンフォニック ライフ」(部分)

フェア会場ではアートワークも展示

 今回のTokyo Gendaiでは、シャンパーニュのアートコラボレーションボトルだけでなくヴァン・ヘルペン自身のアートワークにも触れられる。

 ブースに展示される《Ancient Ancestors》は、高さ最大3.5メートルにおよぶ空中彫刻(Aerial Sculptures)。約7億年前の海に誕生した最初の生命をテーマとし、シルクの波が海藻を、繊細なディテールがサンゴや生命のネットワークを表現する。さらに散りばめられた砂によって、時間の流れと海そのものを浮かび上がらせるという。

 原始の生命から現代まで連綿とつながる自然のネットワーク。その視点は、生物多様性や自然との共生を重視してきたペリエ ジュエの思想とも響き合うものだろう。

 なお会場では、アート作品を見るだけでなく、ペリエ ジュエの世界を味覚でも体験できる。ブースには特設の「ペリエ ジュエ バー」が設けられ、シャンパーニュをバイ・ザ・グラスで提供するほか、「ペリエ ジュエ グラン ブリュット」を90分間楽しめるフリーフローセッションも会期中の日程限定・定員制で開催される。

ペリエ ジュエ バー(イメージ)

 さらに一般公開に先駆けた9月10日のヴェルニサージュでは、来日するヴァン・ヘルペン本人によるアートトークも予定。今回のコラボレーションがどのように生まれたのか、その背景を本人の言葉から聞く貴重な機会となりそうだ。

 イリス・ヴァン・ヘルペンが「目に見えない美しさ」をどのようなかたちで可視化するのか。アート作品とシャンパーニュの双方から、その答えを探ってみてほしい。