バスキアが約15.5億円でトップ。クリスティーズ香港オークション、総額146億円で前年比28%増
クリスティーズ香港の秋季イブニングセールが開催。総額は約146億円と前年同期比28パーセント増。いっぽう、過去2年とは異なり「1億香港ドル超」の作品は不在だった。市場の調整が続くなか、今回の結果から見えてくるものとは。

クリスティーズ香港の「20th/21st Century Evening Sale」が9月29日に開催され、手数料込みの落札総額は7億2642万1000香港ドル(約146億円)となった。セール前に撤回された2点を除く50点すべてが落札され、ロット数ベースの落札率は100パーセント。落札総額は前年同期から28パーセント増加した。
前年同期は38点のうち35点が落札されており、今回は出品点数そのものが増加したことも総額を押し上げた。いっぽう、2025年秋にはパブロ・ピカソ《Buste de femme》(1944)が手数料込み1億9675万香港ドル、24年秋にはクロード・モネ《Nymphéas》(1897〜99頃)が2億3338万香港ドル、フィンセント・ファン・ゴッホ《Les canots amarrés》(1887)が2億5063万香港ドルで落札されていたのに対し、今年は1億香港ドルを超える作品はなかった。
バスキアが約15.5億円でトップロットに
この日の最高額を記録したのは、ジャン=ミシェル・バスキア《Ancient Scientist》(1984)。5600万〜7600万香港ドルの予想落札価格に対し、6250万香港ドルで落札され、手数料込みでは7697万5000香港ドル(約15億4500万円)となった。クリスティーズによると、同作は今秋のアジアにおけるオークションで、現時点でもっとも高額で落札された作品となった。

同作は2020年にフィリップス香港で5833万香港ドルで落札されており、6年ぶりにオークション市場へ戻ってきた。
これに続いたのが、ザオ・ウーキーの《Voie lactée - 09.11.56》(1956)だ。4500万〜7500万香港ドルの予想落札価格に対し4750万香港ドル、手数料込み5885万香港ドル(約11億8100万円)で落札された。
8月に97歳で逝去した草間彌生の作品も複数出品された。そのうち《A-Pumpkin (YHP)》(2011)は4800万〜6800万香港ドルの予想落札価格に対し、ハンマープライスは4700万香港ドルと最低予想落札価格にわずかに届かなかったものの、手数料込み5824万香港ドル(約11億6800万円)で落札。《INFINITY-NETS [WUPT]》(2016)は1300万〜2000万香港ドルの予想に対し1450万香港ドル、手数料込み1856万香港ドル(約3億7200万円)となった。

草間逝去後、市場はどう動くのか
草間の逝去後、作品市場はどのように変化するのか。セールに先立ち美術手帖の取材に応じたクリスティーズ・アジアパシフィックの20/21世紀美術イブニングセール責任者、アーコウ・ユーは、現時点で大きな変化は見られないとの見方を示していた。
ユーによれば、草間が高齢だったことは市場ですでに広く認識されており、逝去を受けて作品を所有するコレクターが短期的に一斉に売却へ動く可能性は低いという。いっぽう、問い合わせや市場での注目は増えると予想し、「価格はかなり安定している」と指摘。長期的には価格が緩やかに上昇する可能性があるとの見解を示した。
供給についても、短期的に大量の作品が市場へ流入するとは考えておらず、長期的にもオークションやプライベートセールを通じて一定数が継続的に取引されるとの見通しを示した。また今後は、草間彌生財団による展覧会や出版などを通じたレガシーの継承も重要になるとした。













