フランスのギャラリーCeysson & Bénétière、銀座にアジア初の拠点を開設
2006年にフランスで創設され、欧米各地に拠点を広げてきた現代美術ギャラリー、Ceysson & Bénétière(セイソン&ベネティエール)が、5月に東京・銀座にアジア初となるスペースをオープン。オープニング展では、ギャラリーの根幹をなす美術動向「Supports/Surfaces」を紹介している。

2006年にフランス・サン=テティエンヌで設立され、これまでにパリ、リヨン、ルクセンブルク、ニューヨーク、ジュネーヴなどにスペースを構えてきた現代美術ギャラリー、Ceysson & Bénétière(セイソン&ベネティエール)が、アジア初となる拠点を東京・銀座に開設した。
同ギャラリーにとって8番目のスペースとなる東京拠点は、2023年に竣工した銀座のCuraビル8階に位置し、総面積は325平米。建築家ソフィー・ドリエスの設計により、自然素材をふんだんに用いつつ、従来のホワイト・キューブとは異なる空間が構築された。5月17日から8月29日にかけて開催されるオープニング展では、1970年代フランスで興った前衛的な美術動向「Supports/Surfaces(シュポール/シュルファス)」に焦点を当てる。

スペースの内装は、日本の侘び寂びの美学や高度な工芸技術に着想を得ており、訪れる者に静謐で洗練された体験を提供する。床には温かみのあるイロコ木材が敷き詰められ、入口では重厚なコルテン鋼のアーチが空間への導入部として機能する。ビューイングルームには、フランスで製作されたオリジナル家具や照明器具が配され、特注のソファ「Croissant」は、日本でも親しまれているクロワッサンをモチーフとした愛らしいフォルムが印象的だ。

さらに、苔や鉱物をモチーフとしたカーペット「Meteor」、張り子で制作された温かな光を放つシャンデリア「Glow Chandeliers」、麻布によるガラス面の演出など、空間全体に自然と手仕事の要素が巧みに織り込まれている。併設された書店は、日本の職人が手掛けた楕円形の木製構造で構成されており、紙媒体の作品や書籍を引き立てる設計となっている。
