2024.9.11

「Art Collaboration Kyoto 2024」のプログラム全容が発表。秋の京都でアートを満喫

「Art Collaboration Kyoto 2024」が、11月1日〜3日の会期で第4回目の開催を迎える。メインプログラムのほか、ACK主催の「ACK Curates」や会場デザインの刷新、スペシャルプログラム、市内連携プログラムなどが予定されており、多彩なプログラムが展開される。

「Art Collaboration Kyoto 2023」イベントホールの会場風景
Courtesy of ACK, photo by Moriya Yuki
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 京都を舞台に、「コラボレーション」をコンセプトに開催されている国際的なアートフェア「Art Collaboration Kyoto(ACK)」。その2024年版のプログラム全容が発表された。

 今年のフェアには、世界中の老舗から新進気鋭のギャラリーまで69軒が参加し、「ギャラリーコラボレーション」と「キョウトミーティング」というふたつのセクターで展示される。加えて、ACK主催の「ACK Curates」として、毎年異なるテーマに基づく企画展「パブリックプログラム」や「ACK Talks」「ACK Kid’s Programs」などの多彩なプログラムも展開される。

メインビジュアル

 4回目を迎える今回は、会場デザインを刷新し、格子状の基本構造で統一しつつ、出展ギャラリーごとにカスタマイズ可能な柔軟性を持たせた設計となっている。「ACK Curates 2024」のテーマは「Resilience~わたしたちがつなぐものたち」であり、これまで掲げてきた「アート起点の繋がりと新しい価値の創出」「コミュニティ形成と長期的な向上」「アートにおけるエコシステムの整備と発展」といったビジョンの実現をさらに強化することを目指すという。

マリア・ネポムセノ Untitled 2024
© Maria Nepomuceno Courtesy of nca | nichido contemporary art
ウォン・ピン Sorry for the late reply 2021
Courtesy of the artist, Tanya Bonakdar Gallery and Kiang Malingue

 「パブリックプログラム」では、香港を拠点に活動するキュレーションプラットフォーム・Arts Collectiveをゲストキュレーターに迎え、社会を動かす原動力としての身体性の高い作品に焦点を当てる。また、「ACK Talks」では、アートに限らず、政治、経済、ファッション、建築、食など幅広い分野から専門家を招き、多様な価値観を共有し新しい世界とつながるためのセッションが展開される予定だ。さらに、「ACK Kids’ Programs」では、バイリンガル対応の託児所や子供向けのガイドツアー、アーティストとのワークショップが実施され、家族で楽しめる内容となっている。

2023年のACK Talks、「革新が紡ぐ伝統:引き裂かれた世界のために」
Courtesy of ACK, photo by Moriya Yuki

 また会期中には、パートナー企業の協力によるスペシャルプログラムも実施される。株式会社大丸松坂屋百貨店の「Ladder Project」と連携し、渡辺志桜里の新作を展示。三菱UFJフィナンシャル・グループとの「MUFG工芸プロジェクト」では、京都の日本茶専門店YUGENが監修するKOGEI Caféが登場し、野田怜眞、石渡結、家長百加の作品が紹介される。

渡辺志桜里 堆肥国家 2024 撮影=小川尚寛

 高島屋との新たなコラボレーションでは、岩崎貴宏の新作展示や、八光エルアール株式会社との協力によるアストンマーティンやレンジローバーのアート展示が行われ、品川亮と小島鉄平(TRADMAN’S BONSAI)の作品が出品される。さらに、ハースト婦人画報社による「アートとファッションの融合」をテーマにした展示や、ポメリーの協賛で開催される「Pommery Prize Kyoto」では、京都を拠点に活動する若手アーティストの作品が紹介される。

岩崎貴宏 Out of Disorder (Layer and Folding) 2018
撮影=来田猛 © Takahiro Iwasaki, Courtesy of ANOMALY

 市内連携プログラムも多彩で、京都市京セラ美術館では、通常非公開の貴賓室にて山内祥太による「結晶世界」と題した特別インスタレーションが披露される。また、ヘ・シャンユ(何翔宇)の作品を紹介するプログラムは、ARTROと曼殊院の2会場で行われる。ほかにも、石原友明、かつふじたまこ、光島貴之、大谷重司、ロビン・オウィングスらによる「まなざしのモメント」、諫山元貴の作品《Dolly》など、様々なアーティストの展示が市内各所で展開される。

諫山元貴「Dummy」高松市美術館(2022年、香川)での展示風景 
撮影=木奥惠三 © Genki Isayama

 なお、様々なアートイベントに加えて、夜まで盛り上がるナイトイベントも京都各所で開催。京都でしか体験できない趣向を凝らした唯一無二のアートフェアを、紅葉が始まる美しい季節とともに楽しんでほしい。