2026.8.28

2026年度「国際交流基金賞」に福武總一郎、SANAAら。アートと建築を通じた国際交流を評価

国際交流基金が、2026年度「国際交流基金賞」の受賞者を発表した。福武財団名誉理事長の福武總一郎、妹島和世と西沢立衛による建築設計事務所SANAA、ドイツのユディツィウム出版社の3者が選出された。授賞式は10月21日に開催される。

ベネッセハウス
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 国際交流基金が、2026年度「国際交流基金賞」の受賞者を発表した。第53回となる今回は、国内外から寄せられた86件の推薦をもとに有識者による審査が行われ、福武總一郎、SANAA、ユディツィウム出版社の3者が選ばれた。授賞式は10月21日に開催される。

 国際交流基金賞は、国際交流基金設立翌年の1973年に創設。学術や芸術などの文化活動を通じ、日本と海外の相互理解や国際友好親善の促進に顕著な貢献を果たし、今後も活動が期待される個人・団体を顕彰してきた。

「ベネッセアートサイト直島」を牽引

 福武財団名誉理事長の福武總一郎は、1992年のベネッセハウス ミュージアム開設以降、直島をはじめ豊島や犬島など瀬戸内海の島々で、美術館やアートプロジェクトからなる「ベネッセアートサイト直島」を牽引。2010年に始まった瀬戸内国際芸術祭では総合プロデューサーを務め、2025年までの6回を成功に導いてきた。人口減少や高齢化が進む地域に現代美術を介して新たな交流を生み出した活動は、海外からも高く評価されている。

福武總一郎

 また1995年のヴェネチア・ビエンナーレで始まった「ベネッセ賞」を通じて国際的に活動するアーティストを支援し、2009年からは「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」の総合プロデューサーも担当。2004年には個人資産を拠出して福武財団の前身となる直島福武美術館財団を設立するなど、文化芸術による地域振興を持続させる基盤づくりにも取り組んできた。

建築通じ国際文化交流の基盤を築く

 建築家の妹島和世と西沢立衛が1995年に設立したSANAAは、「金沢21世紀美術館」(2004)、「ニュー・ミュージアム」(2007)、「ルーヴル美術館ランス別館」(2012)など、世界各地で文化・教育施設を設計してきた。軽やかさや透明性を特徴とし、内外や建築と環境の境界をシームレスにつなぐことで、人々が自由に集い、交流する空間のあり方を探究している。

西沢立衛と妹島和世 ©︎SANAA
金沢21世紀美術館 ©︎SANAA

 近年では「ニュー・サウス・ウェールズ州立美術館ナーラ・バドゥ館」(2022)や「Taichung Green Museumbrary」(2025)を手がけた。国際交流基金は、こうした建築が「公園」や「広場」のような開かれた場を生み出し、建築を通じて相互尊重に基づく国際文化交流の基盤を築いてきた点を評価している。

日独間の学術・文化交流に貢献

 もう1者のユディツィウム出版社(Iudicium Publishing GmbH)は、1983年に設立されたドイツ・ミュンヘンの人文・社会科学系出版社。日本研究や東アジア研究、ドイツ文学、ドイツ語教育などの書籍を40年以上にわたって刊行してきた。とくに、約80人が編纂に携わり、1997年の開始から25年をかけて2022年に全3巻が完成した『和独大辞典』などを通じ、日独間の学術・文化交流を支えてきたことが評価された。

ベルリンジャパン・マーケットでの書籍紹介 ©︎Sabine Sommerkamp
和独大辞典 ©︎Iudicium Verlag