2026.8.14

今週末に見たい展覧会ベスト7。リンダー・スターリング、赤坂迎賓館の藤田嗣治まで

今週閉幕する/開幕した展覧会のなかから、とくに注目したいものをピックアップしてお届け。なお、最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

「LINDER:GODDESS OF THE MIND」(シャネル・ネクサス・ホール)展示風景。左壁は《Principle of Totality (Version I)》(2012)、正面は《Oedipus》(2021)、右壁はプロサッカー選手のミゲル アゼースとコラボレーションしたシリーズ(2025) ©︎CHANEL
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もうすぐ閉幕

「2人展 会田誠・岡田裕子」(カスヤの森現代美術館

 神奈川県横須賀市のカスヤの森現代美術館で、現代美術家の会田誠(1965〜)と岡田裕子(1970〜)による「2人展 会田誠・岡田裕子」が8月16日まで開催されている。

左:会田誠《混浴図》(部分・制作中)キャンバスにアクリル絵の具 ©︎ AIDA Makoto Courtesy of Mizuma Art Gallery 右:岡田裕子《井戸端で、その女たちは》(2025)展示風景:「神戸六甲ミーツ・アート2025 beyond」 撮影:高嶋清俊 ©︎ OKADA Hiroko Courtesy of Mizuma Art Gallery

 本展において、会田は開館日の開館時間ほぼすべてを使って、2年以上前から構想と試作を始めているという《混浴図》(2024〜)の公開制作を敢行。また、併せて新しいアプローチとなる抽象絵画シリーズも公開している。

 対する岡田は、物故女性アーティストをテーマとしたマルチメディアインスタレーション《井戸端で、その女たちは》(2025)を展示。会場内に設置された井戸のそばで、前衛の時代を生きた女性たちが語り合う声にシンクロし、テーブルランプが瞬くような演出となっている。

 会田と岡田は、息子の寅次郎も交えた3人展や、ユニット「会田家」としての展示経験はあるものの、純粋な2人展の試みは今回が初。

会期:2026年5月30日~8月16日
会場:カスヤの森現代美術館
住所:神奈川県横須賀市平作7-12-13
開館時間:10:00~17:30 ※入館は閉館30分前まで 
料金:一般 1000円 / 学生 600円 / 小学生 400円

「Linder:Goddess of the Mind」(シャネル・ネクサス・ホール

 東京・銀座にあるシャネル・ネクサス・ホールで開催中の「Linder:Goddess of the Mind」が、8月16日に閉幕する。

左壁は《Principle of Totality (Version I)》(2012)、正面は《Oedipus》(2021)、右壁はプロサッカー選手のミゲル アゼースとコラボレーションしたシリーズ(2025) ©︎CHANEL

 リンダー・スターリングは1954年イギリスのリバプール生まれ。現在はロンドンを拠点に活動。2025年2月にはロンドンのヘイワード ギャラリーで大規模回顧展「Linder:Danger Came Smiling」を開催した。その後、インヴァリース ハウス(スコットランド)、グリン ヴィヴィアン アート ギャラリー(イギリス・ウェールズ)を巡回し、26年7月から10月まではグランディ アート ギャラリー(イギリス・イングランド)で展示を行っている。

 本展はリンダーにとって日本初となる個展であり、初期作品から最新作まで幅広く紹介している。シリーズ「Pretty Girls」(1977)では、成人向けグラビア誌の女性イメージを再文脈化し、また「The Principle of Totality」(2012)では、45点のモノク口のポートレートに口紅を引いた口を重ねることで、視線の支配的な力と、女性像が構築・消費される存在であることを浮き上がらせている。

会期:2026年6月25日~8月16日
会場:シャネル・ネクサス・ホール
住所:東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4階
電話:03-6386-3071
開館時間:11:00~19:00 ※入館は閉館の30分前まで
料金:無料

スキル・アカデミー「⾦属に学ぶ、五感で考える:夏のオープンクラス」(SKAC)

 東京・葛飾のSKAC(SKWAT KAMEARI ART CENTRE)で、エルメス財団による教育・文化プログラム「スキル・アカデミー『金属に学ぶ、五感で考える:夏のオープンクラス』」が8月16日まで開催中だ。開幕レポートはこちら

SKAC(SKWAT KAMEARI ART CENTRE)での展示風景。床に置かれたのがPlayfoolの《(再)生命の模倣》(2024) 撮影:編集部

 エルメス財団は2014年から、自然素材とそれに関わる職人技術をテーマにしたプログラム「スキル・アカデミー」を展開している。日本では2021年より活動を開始し、「木」「土」に続く第3のテーマとして、2025〜26年は「金属(メタル)」を取り上げている。

 その集大成となる「夏のオープンクラス」は、春の5日間に10組の専門家とともに実施された中高生向けワークショップの成果展示と、4組のアーティストによるグループ展「結合」を軸に構成されている。

会期:2026年7月15日~8月16日
会場:SKAC (SKWAT KAMEARI ART CENTRE)
住所:東京都葛飾区西亀有3-26-4
開館時間:11:00〜19:00 
料金:無料

「Dialectical Landscape / 弁証法的風景」(Art Center NEW)

 横浜市の新高島駅地下1階にあるArt Center NEWで、「Dialectical Landscape / 弁証法的風景」展が8月16日まで開催されている。開幕レポートはこちら

「Dialectical Landscape / 弁証法的風景」の展示風景より、高橋臨太郎《Da thing》(2026)映像 31分 撮影:編集部

 本展は「アースワーク」をキーワードに掲げた展覧会だ。ここでのアースワークとは、1960年代以降の野外における大規模な芸術作品にとどまらず、それを広く「堆積や浸食といった大地自体の造形作用と、掘削や埋戻しといった人間の造形作用が応答し合う場」を指している。トンネルや堤防などの土木構造物も対象に含めながら、人間と大地、サイトとノンサイト、物質と観念といった様々な二項対立を横断する風景を提示する。

 参加作家は、淺井裕介、ロジャー・アックリング、伊阪柊、石﨑朝子、ロバート・スミッソン、高橋臨太郎、都市と芸術の応答体、永田康祐、百頭たけし、吉川陽一郎の10組。

会期:2026年6月20日〜8月16日
会場:Art Center NEW
住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい5-1 新高島駅B1F
開館時間:12:00〜20:00
料金:一般 1000円 / 大学生 800円 / 高校生以下無料

「MOTコレクション はじめて、びじゅつ」(東京都現代美術館

 東京・清澄白河にある東京都現代美術館で開催中の「MOTコレクション はじめて、びじゅつ」展が、8月16日に閉幕する。

メインビジュアル

 今回のコレクション展は「はじめて、びじゅつ」と題し、美術と関わる様々な「はじめて(初めて/始めて)」を切り口に、新収蔵作品を交えて構成。「身の周りから始めてみる」「初めて見るってどういうこと?」「作品の生まれるところは?」などの問いかけを通して、美術に触れる糸口を探る内容となっている。

 出展アーティストは、石田尚志、伊藤誠、臼井良平、大岩オスカール岡﨑乾二郎金氏徹平小林正人、佐藤慶次郎、白川昌生、須藤由希子、手塚愛子、寺内曜子、長井朋子中西夏之八木良太デイヴィッド・ホックニーロイ・リキテンスタインガブリエル・オロスコ、トム・ウェッセルマンほか。

会期:2026年4月28日〜8月16日
会場:東京都現代美術館
住所:東京都江東区三好4-1-1
電話番号:03-5245-4111 
開館時間:10:00〜18:00(8月7日・14日は〜21:00)※入場は閉館30分前まで 
料金:一般 500円 / 大学生・専門学校生 400円 / 高校生・65歳以上 250円 / 中学生以下 無料

今週開幕

藤田嗣治生誕140周年特別参観「国宝迎賓館で出会う、フランスのやわらかな風景」(迎賓館赤坂離宮)

 東京・赤坂の迎賓館赤坂離宮で、藤田嗣治の生誕140周年を記念した特別参観「国宝迎賓館で出会う、フランスのやわらかな風景」が開幕した。会期は9月15日まで。

迎賓館赤坂離宮 (c)photoAC

 この特別参観では、東・西玄関で藤田嗣治の作品4点が観賞となるほか、現在公開されていない藤田作品2点が花鳥の間に特別展示。迎賓館が所有する藤田の絵画全6点は、18世紀ルイ王朝時代のフランス風俗が描かれた約130号(約154×211センチメートル)の巨大なものとなっている。

会期:2026年8月13日〜9月15日
会場:迎賓館赤坂離宮
住所:東京都港区元赤坂2-1-1
電話番号:03-3479-1430
開館時間:10:00〜17:00 ※入場は本館が16:00、庭園が16:30まで
休館日:水
料金:本館・庭園 一般 2000円 / 大学生 1500円 / 中学・高校生 700円 / 小学生以下 無料、本館・和風別館・庭園 一般 2500円 / 大学生 2000円 / 中学・高校生 900円 / 小学生以下 参観不可

「没後70年 映画監督 溝口健二」(国立映画アーカイブ)

 東京・京橋の国立映画アーカイブで、溝口健二(1898〜1956)の初の本格的回顧展「没後70年 映画監督 溝口健二」が開催中。会期は12月13日まで。

映画『露営の歌』(1938)の撮影スナップ。左から山路ふみ子、浦辺粂子、溝口健二、青島順一郎 国立映画アーカイブ

 溝口は1898年東京生まれ。青年期には画家を目指すものの、1920年に日活向島撮影所に入社。1923年に『愛に甦る日』を発表し映画監督の道を歩んだ。長回しや移動撮影を多用した表現と完全主義の演出に名高く、その作品はフランスのヌーヴェルヴァーグの作家たちやテオ・アンゲロプロス(1935〜2012)、アンドレイ・タルコフスキー(1932〜86)といった世界の映画人たちに多くのインスピレーションを与えた。

 本展は没後70年を記念して開催されている。会場では、生涯の業績や制作の手法、映画界への貢献などを辿るとともに、「溝口組」と呼ばれた製作陣が遺した資料を活用し、数々の傑作を生み出した演出術の全貌を紐解いてゆく。

会期:2026年8月11日〜12月13日
会場:国立映画アーカイブ 展示室
住所:東京都中央区京橋3-7-6
電話番号:03-3561-0823 
開館時間:11:00〜18:30(8月28日・9月25日・10月30日は〜20:00)※入場は閉館の30分前まで 
休館日:月、9月8日〜17日、10月6日〜11日、11月24日〜29日 
料金:一般 600円 / 大学生、65歳以上、高校生以下および18歳未満 300円 / 障害者手帳をお持ちの方(付添者は原則1名まで)、国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズは無料。