2026.6.5

ダン・フレイヴィンの代表作群が集結。デイヴィッド・ツヴィルナー香港で個展「Grids」が開催中

ミニマル・アートを代表する作家、ダン・フレイヴィンの個展「Dan Flavin: Grids」がデイヴィッド・ツヴィルナー香港で開催中。1976年以降に展開した重要シリーズ「グリッド」を中心に、その革新的な実践を紹介するものだ。会期は8月8日まで。

展示風景より Courtesy David Zwirner
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 デイヴィッド・ツヴィルナー香港で、ダン・フレイヴィンの個展「Dan Flavin: Grids」が開催されている。会期は8月8日まで。

 ダン・フレイヴィン(1933〜1996)は、既製の蛍光灯を用いた光のインスタレーションによってミニマル・アートを代表する存在として知られる作家。1963年の初期作《May 25, 1963 (to Constantin Brancusi)》以来、生涯にわたり蛍光灯による「situations(状況)」と呼ばれる作品を制作し続け、光と色彩によって空間そのものを再定義する試みを展開した。

 本展は、フレイヴィンが1976年から取り組んだ代表的なシリーズ「グリッド」に焦点を当てるものであり、中華圏における初の大規模な個展だ。「グリッド」は、1970年代後半に展開されたフレイヴィンの重要なシリーズであり、ロサンゼルス・カウンティ美術館館長でキュレーターのマイケル・ゴーヴァンは「フレイヴィン作品のなかでももっとも強度があり凝縮された光の作品群」と評している。

展示風景より Courtesy David Zwirner

 同シリーズの作品は同数の縦型と横型の蛍光灯ユニットによって構成され、部屋のコーナーに設置されることで、鑑賞者に向かって放射される光と、壁面に反射する光が複雑に交差する。光そのものだけでなく、建築空間との関係性を可視化する装置として機能する点が特徴だ。

 本展では、フレイヴィンが生前に行った重要な展覧会における展示方法を再現するとともに、ダン・フレイヴィン財団や主要美術館コレクションからの貸与作品を通して、「グリッド」という形式の発展をたどる。

展示風景より Courtesy David Zwirner

 また会場では、1976年にロサンゼルスのOtis Art Institute Galleryで初公開された《untitled (for Mary Ann and Hal with fondest regards) 1》《untitled (for Mary Ann and Hal with fondest regards) 2》をはじめ、長年のギャラリストであったレオ・キャステリに捧げられた作品群も展示されている。

 なかでも注目されるのは、《untitled (in honor of Leo at the 30th anniversary of his gallery)》(1987)だ。同作は、ニューヨークのキャステリ・ギャラリー開廊30周年を記念して制作された大型作品で、今回の展示ではソロモン・R・グッゲンハイム美術館、プリンストン大学美術館、サンフランシスコ近代美術館から借用された3点が再びひとつのインスタレーションとして再構成され、同作品の展示史上でも稀な機会となっている。

 蛍光灯という工業製品を用いながら、光と空間の知覚を根本から問い直したフレイヴィンの実践を体系的に紹介する展覧会となっている。

展示風景より Courtesy David Zwirner
展示風景より Courtesy David Zwirner