2025.10.30

東京オペラシティ アートギャラリーでアルフレッド・ジャーの個展が来年開催。新作も登場

東京オペラシティ アートギャラリーで、アルフレッド・ジャーの個展が開催。会期は2026年1月21日〜3月29日。

《サウンド・オブ・サイレンス》 2006 © Alfredo Jaar

 東京・初台にある東京オペラシティ アートギャラリーで、アルフレッド・ジャーの個展「アルフレッド・ジャー あなたと私、そして世界のすべての人たち」が開催。会期は2026年1月21日〜3月29日。

 アルフレッド・ジャーは、1956年チリのサンティアゴ生まれ。建築と映像制作を学んだのち、1982年に渡米。以後ニューヨークを拠点として国際的に活躍する作家である。

 1980年代にニューヨークの都市空間へ介入する作品《Rushes》(1986)や《アメリカのためのロゴ》(1987)に よって注目を集め、1986年のヴェネチア・ビエンナーレ、1987年のドクメンタ両方に招待された初のラテンアメリカ出身の作家となった。社会の不均衡や世界各地で起きる地政学的な出来事に対する繊細な視点と真摯な調査にもとづく作品で知られており、写真、映像、建築的なスケールの立体作品といった多様なメディアにわたる身体的体験をともなうインスタレーションが特徴だ。

 善悪は単純に決められるものではなく、ときに反転することがあることや、遠く離れた国の惨事にも私たちが関わっている可能性があること、そして異なる価値観をもつ他者の存在を否定せず、一人ひとりがよく見て考える必要があることをうながすジャーの姿勢と作品は、世界中で高く評価されている。

 2018年に「美術の分野で人類の平和に貢献した作家」を顕彰するヒロシマ賞の第11回目の受賞者となり、2023年には広島市現代美術館で受賞記念展が開催された。

 本展では、広島での展覧会のために依嘱された大型作品をはじめ、1970年代の初期作品から作家活動を代表する作品、そして本展のために制作された新作までが出品される。作家が自身の半生を振り返りながら構成した本展を通じて、鑑賞者は世界と自分自身、そしてアートの力と向き合う機会を得るだろう。