「エリック・カール」展が東京都現代美術館で来春開催へ。絵本に込めた子供たちへの優しいまなざしを見る
東京都現代美術館で、アメリカを代表する絵本作家エリック・カールの回顧展「エリック・カール展 はじまりは、はらぺこあおむし」が来春開催される。

東京都現代美術館で、アメリカを代表する絵本作家エリック・カール(1929〜2021)の回顧展「エリック・カール展 はじまりは、はらぺこあおむし」が開催される。会期は2026年4月25日~7月26日。
エリック・カールは、アメリカ ニューヨーク州にてドイツからの移民である両親のもとに生まれる。6歳の頃、両親とともにドイツに戻るが、ナチス政権における戦時でもあり、灰色の少年時代を送った。シュトゥットガルト州立芸術アカデミーで学んだのち、1952年にニューヨークへ戻り、グラフィック・デザイナーとなる。67年には、詩人のビル・マーチンの絵本『くまさん くまさん なに みてるの?』にイラストレーションを描いたことから絵本作家を志すようになった。その作風は、ページの開き方や形への工夫、さらには光や音などの仕掛けを加えた「遊べる本であり、読めるおもちゃ」を目指した点に特徴がある。2021年、マサチューセッツ州ノーサンプトンにて91歳で没。

© The Eric Carle Museum of Picture Book Art, Inc.
本展は、そんなカールの功績を振り返る回顧展であり、『はらぺこあおむし』日本語版50周年を記念し、米国・マサチューセッツ州にあるエリック・カール絵本美術館と共催されるものとなる。代表作である『はらぺこあおむし』(1969)や『パパ、お月さまとって!』(1986)、『10このちいさな おもちゃのあひる』(2005)など27冊の絵本の原画にあわせ、グラフィックデザイナー時代の作品、アイデアの最初の構想段階でつくられるダミーブック、コラージュに使用する素材(色や模様をつけた紙)など、約180点を展示。原画の色鮮やかさ、デザイナーとしての造本の工夫、そして絵本に込めた子供たちへの優しいまなざしを体験できる展覧会となるだろう。

Collection of the Eric and Barbara Carle Foundation
© 1972, 1995 Penguin Random House LLC.

Collection of the Eric and Barbara Carle Foundation
© 1986 Penguin Random House LLC.

Collection of the Eric and Barbara Carle Foundation
© 2002 Penguin Random House LLC.