2025.5.28

「建築家・内藤廣 赤鬼と青鬼の場外乱闘 in 渋谷」が開催。島根での大規模回顧展を渋谷バージョンに再編

渋谷ストリーム ホールで、建築家・内藤廣による展覧会「建築家・内藤廣 赤鬼と青鬼の場外乱闘 in 渋谷」が開催される。会期は7月25日〜8月27日。

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 渋谷ストリーム ホールで、建築家・内藤廣による展覧会「建築家・内藤廣 赤鬼と青鬼の場外乱闘 in 渋谷」が開催される。会期は7月25日〜8月27日。

 内藤は1976年に早稲田大学大学院修士課程を修了。フェルナンド・イゲーラス建築設計事務所や菊竹清訓建築設計事務所を経て、1981年に内藤廣建築設計事務所を設立した。主な建築作品に、海の博物館や安曇野ちひろ美術館、とらや赤坂店、銀座線渋谷駅などが挙げられる。

海の博物館 模型写真
渋谷 模型写真

 同展は、2023年に島根県芸術文化センター「グラントワ」内・島根県立石見美術館で開催された大規模回顧展「建築家・内藤廣/Built と Unbuilt 赤鬼と青鬼の果てしなき戦い」をもととするもの。今回は、渋谷を舞台とするかたちで新たに企画されており、3フロアとなる会場は、それぞれ「学生時代から代表作まで」「近年作・Unbuilt作品」「都市の対比:渋谷と益田」の章立てで構成される。内藤の思考を「赤鬼」と「青鬼」の視点で紐解くとともに、全45点のプロジェクトを通じて、その約半世紀にわたる建築思考を多角的に紹介するという。

 また、渋谷での開催を機に、渋谷駅周辺と益田市街地との対比を直感的に体感できる新作模型をはじめ、模型・図面・写真・映像など多彩な手法を用いた展示も並ぶ予定となっている。

益田 映像作品(仮)
「建築家・内藤廣/Built と Unbuilt 赤鬼と青鬼の果てしなき戦い」(島根県立石見美術館、2023)展示風景より、「言葉の壁」
2023年に島根県益田市で展覧会をやった時に、東京からもたくさんの方が見にきてくださいました。その中に私が関わっている渋谷の再開発に関係する方たち、とりわけ商店会のメンバーもいました。彼らから、「これをぜひ渋谷でやってほしい」との声があり、その熱意に応えるつもりで、この渋谷の展覧会を催すことにしました。内容は益田での展示を基にしつつ、美術館とは異なる場所での展示なので、展示の仕方も変え、大きく加えたのは渋谷に関する展示です。これから渋谷がこうなっていく、というまち造り全体を俯瞰する模型を多くの方に見てもらいたかったので新たに制作しました。
「過疎」発祥の地と言われる益田と、「オーバーツーリズム」で人が集まりすぎる渋谷。この二つは我が国の都市が抱える問題を典型的かつ対比的に象徴しているようにも見えます。建築家としてのこれまでの積み上げと延長の上に現在の私の立ち位置があるとすれば、それを見ていただき、この時代に対する思いの一端を共有していただけたら幸いです。

プレスリリースより、「内藤廣メッセージ」

 なお、関連企画として、7月25日には島根県石見地方の伝統芸能「石見神楽」の公演が行われるほか、28日には内藤による特別講演も実施予定。あわせて足を運んでみてはいかがだろうか。

石見神楽 イメージ