2025年マイアミ・アート・ウィークレポート(前編):主要フェアから読み解く米国アートマーケットの現在地
12月初旬、世界中のアート関係者がマイアミへと向かう。アート・バーゼル・マイアミ・ビーチを中心に、Untitled Art、NADA、デザイン・マイアミなど大小20を超えるフェアが集結するマイアミ・アート・ウィークは、年末のアートマーケットとシーンの「現在地」を映し出す場だ。本稿・前編では、主要アートフェアの動向を軸に、2025年のマイアミが示した変化と熱量をレポートする。

12月の第1週に開かれたマイアミ・アート・ウィーク。氷点下を下回ることも珍しくないニューヨークの冬の寒さから逃れるように、飛行機で3時間超、距離にして1700キロメートルを南下しマイアミへと人々が集まってくる。12月の北半球であるにもかかわらず人々がビーチで遊ぶマイアミは、日によっては30度を超え湿度も高い。

12月1日の朝、ニューヨークのジョン・F・ケネディ空港を飛び立つ飛行機の乗客たちのなかにはアート関係者らしき人々も多かった。ニューヨークを拠点とするギャラリー、パブロズ・バースデーのクレア・ゼーニスはマイアミで開催されるアートフェアのひとつ、Untitledに向かうために作品を手にまさに飛び立とうとしているところだった。

マイアミ・アート・ウィークの公式ウェブサイトには、アート・バーゼル・マイアミ・ビーチを中心に、Untitled、NADA、その他大小様々なものを含めて総勢20ものアートフェアの名前が並ぶ。美術館やプライベートコレクションなども毎夜レセプションを開き盛り上がったマイアミ・アート・ウィークをレポートする。




