読む、感じる、余韻に浸る。美術館図書室、珠玉の12選
美術館は様々な機能を持っている。展覧会と同じくらいの熱度でカフェやショップを楽しむ人々も増えてきたが、付属の図書室を楽しむ人はまだ少ない。図書室もまた、美術館と同じくらい個性がある場所。全国の美術館の図書室のなかから、ぜひ立ち寄ってもらいたい場所を紹介する。

美術館の図書室の使い方
通常の図書館のように、自由に立ち寄り、書棚にある本を手にとって閲覧することができる。専門書などは書庫に入っている場合が多いが、利用する図書室のルールに則って窓口に請求すれば、速やかに希望する本を手に取ることができる。ちなみに、美術館の図書室はほとんどが貸出対応を行っていないので、気になる資料があったら複写を申し込もう。
なお、全国の美術館の図書室の多くは、美術図書館連絡会(ALC)に加盟し、美術および関連分野の調査研究を支援している。ALCが運営する「美術図書館横断検索」は、加盟する図書室が所蔵する展覧会カタログ・図書、雑誌を一括して検索することが可能だ。美術関連で知りたいことがある場合、まずは検索してみることをおすすめする。
まずは行きたい図書室
大規模な美術館の多くが、一般開放している図書室を併設している。また、開催中の展覧会に関する書籍も多く取り揃えているので、展覧会を見たあとに立ち寄ると、より深く展覧会の世界を堪能できるはず。
東京都美術館 美術情報室

提供=東京都美術館
2026年に開館100周年を迎える東京都美術館は、1階に美術情報室を構えている。開催中の企画展カタログや関連図書をピックアップし、おすすめ図書リストとして配布しているほか、SNSでもリストを積極的に紹介している。また、書籍だけではなく美術館が制作したセルフガイド(解説のリーフレット)や、公募団体に関連する資料なども積極的に収集している。全国各地の美術館が制作したセルフガイドは、美術の入門本とは違った形で作品や作家をわかりやすく解説しているので、一度請求してみてほしい。また、専門図書室としては珍しく「書」に関する蔵書が多いのも特徴だ。

提供=東京都美術館

ちなみに、美術情報室の家具は北欧デザインのもので統一。鮮やかなオレンジ色が室内を華やかにしている。

東京都美術館 美術情報室
開室時間:10:00〜17:00 ※閉架資料の閲覧申請、複写申請は16:30まで
休室日:第1、第3月(祝日・振替休日の場合は翌平日)