EXHIBITIONS

もはやない国のかつてない光 東ドイツの女性写真家たち

ジビレ・ベルゲマン《アネッテとアンゲラ、ルストガルテン、ベルリン》(1982) © Estate
Sibylle Bergemann. Courtesy Loock Galerie, Berlin

マーギット・エムリッヒ《無題、プラハ》(1969) © Margit Emmrich. Courtesy Loock
Galerie, Berlin

エーファ・マーン《影絵 II》(1983) © Eva Mahn. Courtesy Loock Galerie, Berlin

ジビレ・ベルゲマン《記念碑、ベルリン、1986年2月》(1986) © Estate Sibylle Bergemann. Courtesy Loock Galerie, Berlin

ウーテ・マーラー《ベルカ、パウル》〈共生〉より (1985) © Ute Mahler. Courtesy Loock Galerie, Berlin

ティーナ・バーラ《セルフポートレート 59–76》より[63–64](1985/2025) © Tina Bara. Courtesy Loock Galerie, Berlin

ブリギッテ・フォイクト《兄妹》(1964) © Estate Brigitte Voigt. Courtesy Loock Galerie, Berlin

 神奈川県立近代美術館 葉山にて、企画展「もはやない国のかつてない光 東ドイツの女性写真家たち」が開催される。会期は6月13日〜8月30日。

 第二次世界大戦後に東西に分断され、1990年の再統一によって姿を消したドイツ民主共和国(東ドイツ)。同国において女性が写真家としてのキャリアを形成し、独自の芸術表現を開拓していた事実は、近年までドイツ写真史において見過ごされてきた領域だ。本展は、現在も主要な作家として活動する人物を含む15人の女性写真家に焦点を当て、社会や日常に向けられた視線と技術から、彼女たちの作品が果たした役割を検証する企画となっている。

 展示の中心となるのは、ベルリンの現代美術コレクター、スヴェン・ヘアマンが所蔵するヴィンテージ・プリントのコレクションだ。現在、旧東ベルリンのシュプレー河畔にある元工場を拠点とするラインベックハレン財団が管理するこれらの作品群が、日本国内で公開されるのは今回が初となる。

 これまで日本国内で紹介されてきたドイツの現代写真は、デュッセルドルフ美術アカデミーで教鞭をとったベルント・ベッヒャーや、その教え子であるアンドレアス・グルスキー、トーマス・ルフ、トーマス・シュトルートなど、主に旧西ドイツ側の写真家の系譜が主流であった。本展では、それとは異なりライプツィヒの美術大学で修業した作家などを中心に取り上げることで、ドイツ写真史における多様な実践を提示する。会場では旧東ドイツ時代の写真のみならず、再統一後の近作や最新の映像作品、当時の刊行物などの資料もあわせて紹介される。

 出品作家は、ティーナ・バーラ、クリスティーネ・ベッカー、ジビレ・ベルゲマン、クリスティアーネ・アイスラー、マーギット・エムリッヒ、エーファ・マーン、ウーテ・マーラー、エリザベート・マインケ、ヘルガ・パリス、エフェリン・リヒター、グンドゥラ・シュルツェ・エルドヴィ、マリア・ゼフツ、ガブリエレ・シュテッツァー、ブリギッテ・フォイクト、レナーテ・ツォインの15名が名を連ねる。