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「花房コレクションが映す前衛の貌」 荒川修作+マドリン・ギンズ・岡崎和郎・宮脇愛子・篠原有司男

──奈義町への寄託作品を中心として

篠原有司男 ボクシング・ペインティング 2012 67 × 75 cm

 奈義町現代美術館ギャラリーで「『花房コレクションが映す前衛の貌』 荒川修作+マドリン・ギンズ・岡崎和郎・宮脇愛子・篠原有司男 ──奈義町への寄託作品を中心として」が開催されている。

 戦後日本美術を切り拓いた4組のアーティスト、荒川修作+マドリン・ギンズ、宮脇愛子、岡崎和郎、篠原有司男。彼らは「生」「時間」「記憶」「物質」など、目に見えない概念とたたかいながら、それぞれの手法で「存在」そのものを問い続けてきた。荒川修作+マドリン・ギンズは、哲学と詩を内包した図像言語で生命と意味の構造を再構築しようと試み、宮脇愛子は、素材と空間のあいだに漂う気配を金属の線へと託した。岡崎和郎は、日用品と彫刻のあいだを往還するような詩的な装置を創出し、篠原有司男は、エネルギーと即興を爆発させる「ネオ・ダダ」の旗手としていまなお存在感を放っている。

 本展では、奈義町現代美術館の設立に関わり、コレクターでもある花房香のまなざしを通じて、前衛美術の多彩な「貌」が立ち上がる。作品の数々は、花房が作家たちとの関係のなかで育まれたコレクションであり、長年にわたる対話と信頼、作品への共鳴がその背景にあるという。個人の思い、作品の力、時代の声が響き合う空間を体感してほしい。