EXHIBITIONS

Air motomoto 企画

長嶺慶治郎「Hospital Once Passed Through Here」

AIR motomoto
2025.09.07 - 10.26

展示風景

 AIR motomotoで、長嶺慶治郎による個展「Hospital Once Passed Through Here」が開催されている。

 長嶺は、5月から毎月短い滞在を行ったうえで、7月から約2ヶ月、長期にわたって熊本県荒尾市に滞在し、阿蘇山、長崎県の雲仙普賢岳などの火山に関する調査や、有明海を通して佐賀、福岡などの調査も行い、多角的な視点での荒尾滞在を行なった。本展は、フランスでの生活が長かった長嶺の日本での初個展となっている。

 今回の展示に際して、長嶺は次のように述べている。

「真夏の荒尾、風景の中に突然現れるコンクリート打ちっぱなしの建物、AIR motomotoにおよそ2ヶ月間、滞在しました。そのなかで、否応なく身体的なものを数多く体験することになりました。容赦のない天候、無変に見える干潟、日々の散歩、蛇口から出る湧水、水質の違ういくつもの温泉、野菜、果物、魚介類、マジャク。非常にリアリティのある贅沢な体験をしているいっぽうで、灼熱の干潟の向こうに見える雲仙普賢岳や、大きすぎて認識できない阿蘇山はまったくリアリティのない平坦な存在、まるでスクリーンに写る別世界の景色のように見えました。

 しかし、様々な場所へリサーチに連れて行ってもらうなかで、私の体験の多くは火山をはじめとした複雑な環境の影響によりもたらされたものだと知りました。恩恵もカタストロフもこれほど日々のなかにあることに初めは驚き、次第に日常になっていきました」(プレスリリースより)。